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「世界一になるには」世界大会で活躍するトップ選手の心理学から圧倒的なメンタルを手に入れる!

こんにちは。スポーツメンタルコーチの鈴木颯人です。

日々過酷な練習に励み、高みを目指すアスリートの皆さんへ質問です。 皆さんは、「世界No.1」と聞いたら誰を想像しますか?

世界を見渡せば、数多くの圧倒的なトップ選手が存在します。 サッカー界ならクリスティアーノ・ロナウド選手やメッシ選手、モドリッチ選手。野球界であれば、イチローさんやデレク・ジーター、バリー・ボンズなども歴史に名を刻んでいます。ゴルフ界のタイガー・ウッズの感動的な復活劇も記憶に新しいですよね。

視野を広げて日本の競技を見てみれば、スキージャンプの高梨沙羅選手や、柔道の阿部一二三選手。卓球の平野美宇選手や張本智和選手も、間違いなくトップクラスの実力と結果を残しています。

どんな競技にも、必ずその頂点に立つ選手がいます。しかし、彼らはある日突然トップに立ったわけではありません。そこには必ず「過程」が存在します。

彼らはどんな過程を経て、頂点に上り詰めたのか? どんな練習をし、どんな人に出会い、どんな思考で壁を乗り越えてきたのか。 実はそういった「過程」の中にこそ、アスリートがさらなる高みへ到達するためのヒントが隠されているのです。

【コラムの著者】鈴木颯人

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属

プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

【著書】
・弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉(三五館シンシャ)
・一流をめざすメンタル術(三五館シンシャ)
・モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術(KADOKAWA)
・最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす(KADOKAWA)
・メンタルコーチが教える潜在能力を100%発揮する方法(KADOKAWA)
・親が変われば子どもが変わる(三五館シンシャ)
・うちの子のやる気スイッチを押す方法教えてください(かんき出版)
・アスリートの心を磨く言葉と魂を揺さぶる絶景(PIE International) 他多数

CONTENTS

なぜトップ選手は頂点に立てたのか?心理学「モデリング」の力

頂点に立つためには、当然ながら人一倍の努力が不可欠です。しかし、「ただガムシャラに努力すればいい」というわけではありません。彼らがなぜその地位を確立できたのか、その「理由」と「過程」を深く考えることこそが、競技力向上の大きな鍵となります。

「学ぶ」という言葉は、「真似る」と同じ語源を持っています。ゼロから新しいものを生み出すよりも、先人の知恵や経験を知り、それを自分に取り入れる方が、成長のスピードは格段に上がります。

ここで皆さんに意識していただきたいのが、心理学における「モデリング(観察学習)」という概念です。 これは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラ氏によって提唱されたもので、「他者の行動やその結果をモデルとして観察することで、観察者自身の行動にも変化が生じる現象」を指します。

日本でも昔から「上手い選手のプレーを盗め」と言われますよね。私も学生時代に野球をしていましたが、小学生の頃からコーチにそう言い聞かされてきました。これはまさに、経験則としてモデリングの重要性が語り継がれてきた証拠です。

モデリングは、単に「良いところ」を真似るだけではありません。「人を以て鑑と為す(他人の言動に自分を当てはめ、間違った生き方をしないように戒める)」という言葉があるように、他人の失敗から学ぶ「反面教師」もまた、重要な観察学習の一つです。 つまり、優れた選手とは、他者の成功と失敗の両方の過程から、自分に必要な要素を抽出し、学習できる能力が高い人のことを指すのです。

成長を阻む壁。「メタ認知」と正直に話す素直さ

私は年間を通して、数多くの選手と対面でメンタルコーチングを行っています。その中には、実際に頂点に立った選手もいます。数多くのアスリートと接してきた私の主観ですが、突き抜ける選手には共通する「ある心構え」があります。

それが「素直さ」です。

皆さんは「素直さ」と聞くと、「指導者に言われた通りに、疑問を持たずに行動すること」だと勘違いしていませんか? 確かに、言われたことをすぐに実行できる選手は成長が早いです。しかし、トップに立つために本当に必要な素直さとは、「自分の感覚や意見を、正直に話す素直さ」なのです。

ここが欠けているアスリートが非常に多いと感じています。 例えば、コーチに教えてもらった動きが感覚的にしっくりこない時、「ここが分からない」「自分には合わない気がする」と素直に聞き出せない選手です。自分の意見を相手に伝えられないのは、真の素直さとは呼べません。

ここには心理学でいう「メタ認知(自分自身の思考や行動を客観的に認知する能力)」が深く関わっています。 意見が言えない、あるいは質問が長すぎて要領を得ない選手は、総じて「自分自身が発している言葉」に対して無関心であり、客観視できていません。

例えば、私がコーチング中に「『難しい』という言葉を使わないようにしましょう」と提案しても、無意識のうちに何度も使ってしまう選手がいます。会話を録音して後で聞かせると、ほとんどの選手が自分の言葉の癖に驚きます。人間はそれくらい無意識の習慣に支配されているため、言葉や思考の質を高めるには、極めて高いメタ認知能力と意識が必要なのです。

だからこそ、分からないことを誤魔化さず、自分の現在地を正直に話す勇気を持つことが、強靭なメンタルを築く第一歩となります。

大坂なおみ選手に見る「内的統制型」の当事者意識

では、具体的な例を挙げてみましょう。大坂なおみ選手は、なぜ頂点に立つことができたのでしょうか。

多くのアスリートにこの質問をすると、「サーブが強力だから」「フィジカルが強いから」といった技術・身体的な回答や、メンタルに関しても「プレッシャーに強いから」といった表面的な回答が返ってきがちです。しかし、メンタルの専門家からすると「具体的に何がどう強いのか?」を紐解く必要があります。

私が彼女の強さの神髄を見たのは、以前彼女を指導していたサーシャコーチとの関係を解消した時期の、あるテレビ映像でした。 世間では「不仲説」などが取り沙汰されていましたが、私が注目したのは別の場面です。練習中、大坂選手がサーシャコーチに対して「ある難しいショットの練習相手」をお願いした際、コーチが「それは出来ない」と答えたシーンです。

打ってほしいショットが打てないと言われれば、当然不機嫌にもなるでしょう。しかし私は、その根底にある彼女の圧倒的なプロ意識に感銘を受けました。 自分が求めている高いレベルの練習を提供できないコーチに依存し続ければ、それは自分自身の衰退を意味します。だからこそ、彼女は関係を解消するという厳しい決断を下したのだと推測できます。

ここには心理学における「内的統制型(Locus of Control)」の思考が色濃く表れています。 これは、「自分の行動や結果は、運や他者(外部)ではなく、自分自身の能力や努力(内部)によってコントロールできる」という考え方です。自分が勝つのも負けるのも、すべては自分の責任。環境やコーチのせいにしない。この強烈な「当事者意識」こそが、彼女をトップへと押し上げた最大の要因だと私は分析しています。

妥協せず、求めるものをハッキリと伝える。これもまた、先ほど述べた「正直に話す素直さ」の究極の形と言えるでしょう。

世界を舞台に戦うアスリートへ

大坂選手が頂点に立てた理由は無数に存在するため、私の見解も一つの視点に過ぎません。 しかし、以前同じ質問を全日本4連覇、世界選手権優勝など圧倒的な実績を持つトップアスリートでもある空手の植草歩選手にしたところ、驚くことに私と全く同じ「当事者意識」の重要性を語ってくれました。やはり、トップを極める選手の心理状態には共通の法則があるのです。

どんなスポーツでも、最大の敵は常に自分自身です。自分の内面と向き合い、甘えを捨て、自分に打ち勝てない限り、世界中の強敵に勝つことはできません。

スポーツにおいてメンタルを鍛えるということは、特別な魔法をかけることではありません。「自分自身の現状を素直に受け入れ、正直に言語化し、すべての結果に当事者意識を持つこと」。この心理的な土台を徹底的に固めることです。

世界一になるには、それに相応しいメンタルの準備が不可欠です。 これから世界大会やオリンピック、あるいはプロの世界で頂点を目指すアスリートの皆さんは、ぜひ今日お伝えした「メタ認知」と「当事者意識」を、日々の練習の中で意識し続けてみてください。あなたの競技人生が、さらに飛躍することを応援しています。

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