女性アスリート必見!生理のイライラや不調を乗り越え、スポーツで最高のメンタルを保つピル活用術

メンタルだけではどうにもならないこと
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”生理移動”とピルの活用で女性アスリートの”悩みの種”を解決し、最高のパフォーマンスへ

女性アスリートの皆さん、そして指導者の皆さん。日々スポーツの現場で限界に挑む中で、どうしても避けては通れない、しかし極めて重要なテーマがあります。それは、女性の身体にとって「子供を産める身体」を維持するための重要な仕組みである生理です。

分厚く準備された子宮内膜が、妊娠不成立の場合に剥がれ落ちて体外に排出されるこの現象は、月に一度、約1週間にわたって起こります。しかし、生理には周期があり、それに伴って身体やメンタルの好不調の波が必ず訪れます。日常生活はもちろんのこと、スポーツを極めようとする女性アスリートにとって、この波は大きな「悩みの種」です。パフォーマンスを大きく左右し、それが競技に対するモチベーションやメンタルそのものに多大な影響を及ぼすのは言うまでもありません。

私自身、スポーツメンタルコーチとして多くの選手と対話をする中で、この問題がいかにアスリートの心を削っているかを痛感してきました。今回は、スポーツ選手の生理への向き合い方と、心理学的な視点を取り入れた解決策についてお話しします。

【コラムの著者】鈴木颯人

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属

プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

【著書】
・弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉(三五館シンシャ)
・一流をめざすメンタル術(三五館シンシャ)
・モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術(KADOKAWA)
・最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす(KADOKAWA)
・メンタルコーチが教える潜在能力を100%発揮する方法(KADOKAWA)
・親が変われば子どもが変わる(三五館シンシャ)
・うちの子のやる気スイッチを押す方法教えてください(かんき出版)
・アスリートの心を磨く言葉と魂を揺さぶる絶景(PIE International) 他多数

女性ホルモンによる”生理周期の好不調”と心理的影響

男性とは全く異なるメカニズムを持つ女性の身体は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンの分泌によってコントロールされています。一般的な生理周期は28〜30日。この約4週間のサイクルの中で、心身は劇的な変化を遂げます。

生理中である1週目は、体温を上げる黄体ホルモンの分泌が止まるため、身体が冷えやすく血行が悪くなります。生理痛や頭痛、貧血によるだるさが現れる時期です。身体的な痛みは「不快情動」を引き起こし、集中力の低下や無気力感を生み出します。

生理終了間際から2週目にかけては、卵胞ホルモンの分泌が高まります。この時期は肌や髪のツヤも良くなり、心理的にも「セロトニン」などの幸福感を感じる脳内物質の働きが活発になるため、心身ともにイキイキと充実します。スポーツにおいても、最も前向きにトレーニングに打ち込める時期と言えるでしょう。

しかし、3週目の排卵後から黄体ホルモンの分泌が始まると状況は一変します。黄体ホルモンは妊娠の準備を進める一方で、脳内の神経伝達物質のバランスを崩しやすくします。そして4週目の生理前には、PMS(月経前症候群)と呼ばれるむくみ、肩こり、頭痛などの不調が現れます。

心理学的に見ても、この時期は些細なことに対するイライラや、原因のない不安感に襲われやすくなります。ホルモンバランスの変化によって感情のコントロールを司る前頭葉の働きが影響を受け、ネガティブな感情が増幅されやすいのです。妊娠や出産という大きな役割のためのサイクルとはいえ、スポーツで結果を出すことに集中したいアスリートにとっては、この感情の波にどう対処するかがメンタルを安定させる鍵となります。

年齢による”身体と心”の変化

年月を重ねるごとに女性ホルモンの分泌量や働きは変化し、それによって抱える悩みも変容していきます。思春期(8〜18歳頃)には初経を迎えます。この時期は身体の急激な変化に対して心理的な戸惑いを感じやすく、自己イメージ(セルフイメージ)の揺らぎがスポーツのパフォーマンスに影響することも少なくありません。

18歳から40歳半ばの性成熟期は、身体の機能が成熟し、アスリートとしてもトップレベルで活躍する充実した時期です。しかし同時に、競技人生と将来のライフプラン(結婚、妊娠、出産)の間で心理的な葛藤(キャリア・トランジションにおける悩み)を抱えやすい時期でもあります。

そして40歳半ば以降の更年期に入ると、卵巣の働きが衰えホルモンバランスが崩れることで、更年期障害と呼ばれる様々な不調が現れます。年齢ごとの身体の変化を受け入れ、その時々の自分に合ったメンタルケアを取り入れることが、長くスポーツを楽しむためには不可欠です。

生理時の”メンタルコンディション”と予期不安

スポーツを頑張る女性アスリートの多くが、生理の時期に腹痛や頭痛、そしてメンタル面の不調を感じています。特に問題なのは、「大事な試合の日に生理が重ならないか」という不安です。心理学ではこれを「予期不安」と呼びます。まだ起きていない未来の出来事に対して過剰に不安を抱くことで、脳のワーキングメモリ、作業記憶が奪われ、目の前のプレーに対する集中力が著しく低下してしまうのです。

また、「生理がくる女の体では競技力が下がる」と考える指導者が未だにいるという悲しい現実もあります。「無月経の方がマシだ」という誤った思い込み、認知の歪みは、将来子供を望む際の大きな障壁となるばかりか、女性アスリートとしての自己肯定感を深く傷つけます。アスリートの85%が生理周期に伴うコンディションの変化を自覚しているというデータがある通り、生理が及ぼす影響から目を背けることはできません。

痛み止め、生活リズムの調整、アロマテラピーによるリラックス、身体を温めることなど、緩和のためのアプローチは様々ありますが、根本的な「いつ来るかわからない不安」を取り除くためには、より確実な手段を知っておく必要があります。

”低用量ピル(OC)”による生理移動という自己統制感

近年、海外ではコンディション調整の手段として「試合中に生理の時期を避ける=生理移動させる」ことが常識となっています。しかし、日本のトップ女性アスリートの66%が「生理移動という手段があるなんて考えたこともなかった」と回答しているのが現状です。

生理移動の最大の心理的メリットは、単に試合当日の不調を避けることだけではありません。心理学における「統制の所在(ローカス・オブ・コントロール)」の観点から見ると、非常に大きな意味を持ちます。「いつ来るかわからない生理に振り回される(外部要因)」状態から、「自分の意志でコンディションの良い時期を試合に合わせられる(内部要因)」状態へと変わることで、アスリートの自己効力感(自分ならできるという感覚)は劇的に高まります。「自分で自分をコントロールできている」という確信こそが、試合本番での強靭なメンタルを生み出すのです。

この生理移動を可能にするのが、低用量ピル(OC)の活用です。前の生理から計画的に低用量ピルを服用し、試合前に服用を終了することで、出血を避けた状態で本番を迎えることができます。また、日常的に重い生理痛やPMSによるイライラに悩まされている選手であれば、定期的な内服によってホルモンバランスの波をなだらかにし、感情の起伏を最小限に抑えることも可能です。

初めて服用する際には悪心や体重増加などの副作用を感じるケースもあるため、重要な試合の直前に慌てて始めるのではなく、オフシーズンや余裕のある時期に産婦人科医と相談しながら試すことが強く推奨されます。現在、海外で活躍する日本のトップアスリートの中にも低用量ピルを活用する選手が増えつつありますが、全体としてはまだわずか2%に満たないと言われています。

正しい知識と心理的安全性がパフォーマンスを変える

今回は、女性アスリートにとって切実なテーマである生理とメンタルの関係についてお話ししました。パフォーマンスに直結するこの仕組みは、時にイライラや不安を引き起こす「悩みの種」となります。しかし、そのメカニズムを理解し、ピルを活用した生理移動などの選択肢を持つことで、心身のコントロール権を自分の中に取り戻すことができます。

そして何より重要なのは、男性の指導者や周囲のスタッフがこの事実を正しく理解し、オープンに相談できる「心理的安全性」の高いチーム環境を作ることです。「生理の不調を相談しても受け入れてもらえる」という安心感があるだけで、女性アスリートのメンタルは驚くほど安定します。

なお、今回お伝えした内容は一般的な知識に基づくものです。ピルの服用や生理不順に関する悩みは、自己判断せずに必ず産婦人科などの専門医に相談して診察を受けてください。正しい知識と適切な医療のサポート、そしてメンタルのコントロールが組み合わさることで、女性アスリートはこれまでにない最高のパフォーマンスを発揮できるはずです。

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