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集中力が上がる行動は、スポーツのパフォーマンス効果を上げるのか?

スポーツメンタルコーチ

スポーツをする上で、いつでも最高のパフォーマンスをしたいと思う方は多いと思います。様々なプレッシャーから練習通りの成果を出せない、と感じる方もいると思います。そんなプレッシャーに打ち勝つほどの「集中力」を身に着ける方法を皆さんはご存じですか?集中力を向上させる一つの例として、「ルーティン」があります。一番分かりやすい例でいうと、ラグビー日本代表の五郎丸選手を思い浮かべると分かる方も多いと思います。 ルーティン化すると集中力が向上し、パフォーマンスが向上すると言われていますが、トレーニング時間をルーティン化すると、その時間帯のパフォーマンスを向上させることができるのか?という観点で記事を作成しました。 スポーツを普段からしていて、時間によってパフォーマンスを左右されてしまうのは嫌だと感じている方は、ぜひ読み進めてみてください。 

目次

  1. 集中力を高める!ルーティンとは?
  2. 集中力を高めたら、パフォーマンスも向上する?
  3. まとめ

集中力を高める!ルーティンとは?

はじめに、ルーティンとは特定の状況や活動に対して習慣的に行う行動のことを指します。先ほども既述したように五郎丸選手が重要な局面の前に決まった行動をするように、普段から習慣化することで、緊張やプレッシャーがかかり集中力が必要な場面で、パフォーマンスの安定化を助けてくれる効果があります。実際にルーティンをしているスポーツ選手は多く存在していて、トップゴルファーのタイガーウッズもルーティンを行っています。 この集中力を高めるルーティンは、多くのプレッシャーや緊張する場面で効果を発揮しますが、トレーニング時間を習慣化すれば常にその時間帯はパフォーマンスを向上させることができるのでしょうか?次の章で見ていきましょう。

集中力を高めたら、パフォーマンスも向上する? 

この章では、朝の早い時間と午後の遅い時間の2つに分類してトレーニングを習慣化した場合、朝と午後どちらがパフォーマンスを向上させることができるのかを研究した論文をもとに、ルーティン化は集中力を向上させパフォーマンスを向上させるのかを見ていきます。

 

ルーティンなしでは、午後の方がパフォーマンスが高い

 

はじめに、前提条件としてルーティン化をしていない状態で、朝と午後のパフォーマンス効果を調べた結果、朝よりも午後の方が15%前後パフォーマンスが高いことが発見されています。  そのため、ルーティン化していない時のパフォーマンスは午後の方が良い結果を得られる可能性が高いと言われています。

 

短い時間の習慣化トレーニングと、朝と午後のパフォーマンス効果の変動

 

朝の3分程度の短いトレーニングを習慣化させると、朝のパフォーマンスが向上し、午後のパフォーマンス力と、同じまたはそれ以上の結果になることが発見された。 このことから、朝にトレーニングを習慣化すると1日を通して高いパフォーマンスを発揮することができます。 一方、午後の3分程度の短いトレーニングを習慣化すると、午後のパフォーマンスがさらに上昇し、朝と午後のパフォーマンスの差が大きくなります。つまり、朝のパフォーマンスは悪いけど、午後のパフォーマンスは非常によくなるという事です。  しかしこの結果は、短期的なトレーニングのパフォーマンスおいての結果になります。

 

長い時間の習慣化トレーニングと、朝と午後のパフォーマンス効果の変動

 

 次に、長い時間のトレーニングのルーティン化がもたらすパフォーマンス効果の変動について解説します。  朝に長い時間(15分以上)のトレーニングを習慣化させると、長い間パフォーマンスが向上するのかというと、結果はそうではありませんでした。それは、午後の習慣化トレーニングでも同じ結果でした。  結果は、トレーニング初期はパフォーマンスが向上する結果が見られますがトレーニングが経過するにつれてパフォーマンスの差は減少しました。つまり、最初はパフォーマンスを高く発揮できるけど、時間がたつといつも通りに戻るという事です。

 

考察

 

以上のことを踏まえると、集中力が向上するルーティン化とパフォーマンスの向上は直接的に関係があるとは考えにくいです。 長短期的なトレーニングどちらでも、パフォーマンスの向上が見られたのは、パフォーマンスを始めた直後でした。 このことから、ルーティン化は突発的、または競争時間が短いスポーツにおいて集中力を向上させることができる可能性が高いです。

まとめ

この結果をもとに、時間帯別にトレーニングを習慣化すると得られる効果の可能性をまとめます。

 

【朝のトレーニングの習慣化から得られる効果の可能性】

 

1日を通してパフォーマンス(集中力)の安定化

 

【午後のトレーニングの習慣化から得られる効果の可能性】

 

午後の時間帯のパフォーマンス力を最大限に向上させる

 

【ルーティン化から得られる効果の可能性】

 

短期的な集中力の向上

パフォーマンスの安定化  

 

いかがでしたでしょうか?2つの論文からは、集中力の向上で得られるパフォーマンスの向上は短い期間では有効であるという事がわかったと思います。 たった数分しかパフォーマンスが向上しないのか、とがっかりした方もいらっしゃるかもしれません。しかし、スポーツの世界では特にたった数秒、一本で大きく勝負が変わってくる世界です。ボルダリングや、短距離走、バレーボールの勝負がかかったサーブなど、集中力が必要な場面では非常に効果的だと私は思います。  集中力を向上させるために、練習の時間帯を見直してみるのもいいかもしれないですね。  最後までご覧いただきありがとうございました。この記事が、皆さんのお役に立てれば幸いです。

 

参考文献:

https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/2012/07000/the_effect_of_training_at_a_specific_time_of_day_.33.aspx

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/1750984X.2021.1944271

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プロスポーツメンタルコーチ/一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人

プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

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