選手のメンタルをサポートしたい方へ。カウンセリングから実践まで学べる講座・通信の活用法

こんにちは、スポーツメンタルコーチの鈴木颯人です。

私がこの道を歩み始めてから、今年で12年のキャリアを積むことができました。アスリートのメンタルを支えるという仕事は、非常に奥深く、そして大きなやりがいに満ちています。今回は、これからアスリートの心を支えたい、メンタルサポートの分野で活動したいと考えている方に向けて、私が大切にしている想いと、現場で必要とされる本質的なアプローチについてお話しします。

【コラムの著者】鈴木颯人

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属

プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

【著書】
・弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉(三五館シンシャ)
・一流をめざすメンタル術(三五館シンシャ)
・モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術(KADOKAWA)
・最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす(KADOKAWA)
・メンタルコーチが教える潜在能力を100%発揮する方法(KADOKAWA)
・親が変われば子どもが変わる(三五館シンシャ)
・うちの子のやる気スイッチを押す方法教えてください(かんき出版)
・アスリートの心を磨く言葉と魂を揺さぶる絶景(PIE International) 他多数

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「怪しい」と言われたメンタルトレーニングの過去

私が活動を始めた2011年頃、日本ではまだメンタルを専門にサポートする人は少なく、周りの人に話しても「怪しい」と警戒されることがほとんどでした。当時のメンタルトレーニングという言葉には、どこか科学的な根拠がなく、気功や精神論、あるいは指導者の個人的な理屈だけを選手に押し付けるようなイメージが先行していたのです。

正直に言えば、私自身もそうしたアプローチを怪しいと感じており、従来型のメンタルトレーニングには強い抵抗がありました。根性論だけで人の心が強くなるわけがないと知っていたからです。

私は過去にうつ病を経験し、精神科や心療内科に通ってカウンセリングを受けた経験があります。その時の辛い実体験から、「もっと人の心に深く寄り添い、本質的な変化を促す方法はないか?」と真剣に模索するようになりました。そこで行き着いたのが、一方的な指導ではなく、選手の「自発性」や「主体性」を促すコミュニケーションでした。

心理学が証明する「主体性」とコーチングの力

心理学における「自己決定理論」では、人間のモチベーションは「自律性」「有能性」「関係性」の3つが満たされることで、最も高く、かつ持続するとされています。

つまり、指導者が「こうしなさい」と答えを与えるような一方的なアプローチでは、選手の自律性が育たず、本当の意味でのモチベーションやプレッシャーに打ち勝つ精神力は養われないのです。

だからこそ私は、選手自身が内省し、自分の中にある答えを見つけていく「コーチング」の手法を取り入れました。様々な試行錯誤を繰り返す中で、2011年に自らを「スポーツメンタルコーチ」と名乗り始めました。「思い描いた職業や役割がないのであれば、自分で創り出してしまえばいい」。当時はそんな強い気概を持っていました。

正しい知識を広めるための活動と協会の設立

現在では多くの人が「スポーツメンタルコーチ」と名乗ってくれるようになり、社会にも少しずつこの概念が浸透してきたと感じています。しかし同時に、私が意図していない解釈や、表面的なスキルだけで選手に接してしまうケースも目立つようになり、深く悩む時期もありました。

アスリートの心は非常に繊細です。間違ったアプローチは、選手の心を壊してしまう危険性すらあります。だからこそ、想いを正しく伝えられる場所を作りたい、そして1人1人のアスリートを本当に大事にしたいという強い決意のもと、2019年に「一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会」を設立しました。

最盛期には、私自身が月間50人のトップアスリートを担当し、年間のセッション数は500回を超えていました。しかし、私一人で救える選手の数には物理的な限界があります。そこで、私一人が頑張るのではなく、想いに共感し、正しい知識を持ってアスリートを支えてくれる仲間を増やす活動こそが重要だと気づいたのです。

現在は、これからスポーツメンタルコーチを目指す方に向けて、専門的な理論を体系的に学べる講座やセミナーを定期的に開催しています。また、遠方の方や忙しい方でも自分のペースで学べるように通信のプログラムも整備し、しっかりと実力を証明できる資格制度も導入しました。全国各地での講演などを通じて、一人でも多くの指導者やサポーターに、この本質的なアプローチを届ける活動に尽力しています。

「1人のアスリートに1人のメンタルコーチを!」

私たちの協会が掲げるビジョンは、「1人のアスリートに1人のメンタルコーチを!」というものです。

本気で結果を求め、プレッシャーと戦っているアスリートほど、自分がメンタル面のサポートを受けていることを、周囲には言いづらいと感じる傾向があります。弱みを見せることへの恐怖や、「メンタルが弱い選手だ」と評価されることへの不安があるからです。

心理学の分野では「心理的安全性」という概念が注目されていますが、アスリートが自分の弱さや本音を曝け出せる安全な場所を提供することは、サポートの第一歩です。そのため、私たちは現役アスリートとの守秘義務を徹底しています。自身の活動をアピールするために、SNSなどを通じてサポートしている選手を安易に紹介するようなことは決してしません。アスリートのプライバシーと心理的安全性を守り抜くことが、信頼関係の絶対的な基礎となるからです。

理論よりも、まずは心に寄り添う姿勢を

メンタルとは、機械の部品のように簡単に修理できるものではありません。常に前向きで「ごきげん」になりたくてもなれない時期があります。スポーツを心から楽しみたいのに、結果への重圧からどうしても楽しめない選手もいます。

そのような苦しみの渦中にいる選手に対して、結果を出すための理論を先行させたり、「もっとポジティブになろう」と無理に励ましたりするのは逆効果です。カール・ロジャーズが提唱した「来談者中心療法」における「無条件の肯定的関心」と「共感的理解」のように、まずはアスリートのありのままの感情を受け入れ、その声に深く耳を傾けること。それこそが、私たちが最も大切にしている姿勢です。

心から選手に寄り添い、安全な対話の場を提供することで、選手は少しずつ自分自身と向き合い、自分なりの答えを導き出していきます。そのプロセスの先にこそ、最高の結果を生み出すための「相応しいメンタル」が自然と宿り、結果も後からついてくるのだと確信しています。

1人1人のアスリートが、結果のプレッシャーに押しつぶされることなく、心からスポーツを愉しめる世界を作ること。そのために、想いを共にしてくれる仲間を育成し、協会としての活動をさらに広げていくことが、私の次のステージだと感じています。

もしあなたが、本気でアスリートのメンタルを支えたいと願うなら、ぜひ一緒に学び、その一歩を踏み出してみませんか。選手たちの豊かな競技人生を、そしてスポーツ界の未来を共に創っていきましょう。

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