努力が結果に結びつかない本当の理由
こんにちは、スポーツメンタルコーチの鈴木颯人です。
- 「絶対に日本一になりたい!」
- 「絶対に次の大会で勝ちたい!」
- 「絶対にプロの世界で通用する結果を残したい!」
あなたは今、そうやって強い意志を持ち、次の目標に向けて日々の過酷なトレーニングに汗を流していることと思います。プロを目指すアスリートであれ、青春のすべてを懸けている部活であれ、スポーツに向き合うその熱量に変わりはありません。
しかし、どれほど強い気持ちを持っていても、時には気持ちが上がらない日や、モチベーションが極端に下がってしまう日が必ずやってきます。監督やコーチに厳しく怒られたり、自分自身の超えられない実力の壁にぶち当たったりと、様々な理由で心が折れそうになる瞬間があるはずです。
「だけど、ここで練習を休めば当然能力は落ちてしまう……」
そんな恐怖心や焦りから、無理をして体を動かすこともあるでしょう。練習が思うようにいかない日々が続くと、それはそのまま自分の自信を失うキッカケになりがちです。効果的な練習こそが、自分の得たい最高の結果へと導いてくれることは、頭では誰もが理解していることなのです。
だからこそ、大きな夢や目標を掲げていればいるほど、練習には人一倍の力が入ります。
- 「もっと効果的な練習方法はないかな?」
- 「もっと自分が劇的に成長出来る方法はないかな?」
と、向上心がある選手であればあるほど、練習の質や方法論論にも熱心になります。
なぜ、一生懸命やっているのに報われないのか?
そうやって練習方法にもこだわり、誰よりも時間を費やして力を入れているのにも関わらず、残念ながらスポーツの世界には結果が残せない人が数多く存在します。特に、不器用なまでに一生懸命やっている真面目な選手であればあるほど、その傾向が強く表れることがあります。
結果を残したいと強く願い、練習を頑張っている。 誰よりも練習を頑張っているのに、試合で結果が出ない。 どれだけ工夫を凝らしても、練習の成果が出ない。
このような「頑張っても結果が出ない」という強烈なジレンマを抱えながら、それでも歯を食いしばって日々の練習を続けている選手にとって、今の状況は非常に辛く、苦しい時間だと思います。
では、なぜ努力をしているのに結果が残せないのでしょうか? 練習量をこなしているのに、練習内容を自分なりに工夫しているのに、なぜ望むような結果が手に入らないのでしょうか?
その大きな理由があるとしたら、それはメンタル面の弱さなのでしょうか?それとも、単純に技術的な問題なのでしょうか?
正直にお伝えすると、その正解は選手の数だけあり、人それぞれ異なります。しかし、これまで数多くのアスリートをサポートしてきた中で、結果を出せない大多数の選手に共通して当てはまる「ある1つの決定的な要因」があります。
それが、『目標設定』とその後のプロセスです。
努力を無駄にする「心理学的な罠」とは
少し酷な言い方になってしまいますが、厳しいスポーツの世界において「ただ頑張ること」は誰にでもできます。しかし、「計画的に、かつ脳の仕組みを理解して頑張れている人」は本当に一握りしかいません。
心理学の視点から見ると、練習しても結果が出ない状態が長く続くと、アスリートは「学習性無力感」という状態に陥りやすくなります。これは「自分がいくら努力しても、結果を変えることはできない」と脳が誤って学習してしまい、無意識のうちにパフォーマンスやモチベーションを低下させてしまう恐ろしい心理状態です。
さらに、「こんなに練習しているのに結果が出ない」という現実と、「自分はこれだけやっているんだから報われるべきだ」という思いの間で、「認知的不協和」という強い心理的ストレスが生まれます。このストレスから逃れるために、脳は無意識のうちに「自分には才能がないからだ」「指導者の教え方が悪いからだ」といった言い訳を作り出し、成長の歩みを止めてしまうのです。
これを防ぎ、努力を確実に結果へと結びつけるために必要になるのが、正しい「目標設定」と「振り返り」のサイクルなのです。
目標設定理論とメタ認知の重要性
なぜ計画性と目標設定がそれほどまでに大事になるのか? 一流のアスリートであれば、多くの人がその重要性に気付いているはずです。一方で、実際にやってみると計画通りにいかないというジレンマが必ず発生します。成功する選手とそうでない選手の違いの根底にあるのは、一番最初に掲げる目標設定の質と、その後の運用方法にあります。
実は多くの人が、正しい目標設定の方法を専門的に学ぶ機会を持っていません。もちろん、近年はネットのコラムや自己啓発本などで、目標の立て方を学ぶ機会は飛躍的に増えました。心理学者のエドウィン・ロックが提唱した「目標設定理論」によれば、目標は具体的で、かつ少し難易度の高いもの(困難度)であるほど、人のモチベーションとパフォーマンスを高めるとされています。多くの選手は、ここまでなら本を読んで実践できます。
しかし、最も重要である「目標を設定した後に、現状と照らし合わせて振り返る作業」までを徹底的に指導してくれるネット記事や本はほとんどありません。
目標設定において本当に大事になるのは、次の2つのステップです。 1つ目が、「脳がクリアに認識できる正しい目標設定」。 2つ目が、「定期的な振り返り(フィードバック)の実行」です。
当たり前すぎることに聞こえるかもしれませんが、この「当たり前」が継続できている選手は驚くほど少ないのです。心理学的には、この振り返りの作業は「メタ認知(自分自身の思考や行動を客観的に認知する能力)」を鍛えることと同義です。メタ認知が高まることで、自分の練習のどこが間違っているのか、なぜ成果が出ないのかを冷静に分析し、軌道修正を図ることができるようになります。
二人三脚で夢を掴んだある野球選手のエピソード
以前、私がサポートしていた中学生で、熱心に野球を頑張る選手がいました。彼の将来の夢は、プロ野球選手になることでした。
彼は非常に真面目で、プロ野球選手になるために、独自のノートを使って細かく計画を立てていました。中学生としては非常に素晴らしい行動だと思う反面、スポーツメンタルコーチの私の目から見ると、彼は「計画を立てて満足して終わっている」状態でした。これでは、いずれ壁にぶつかった時に軌道修正ができず、挫折してしまう危険性がありました。
そこで私は、彼の立てた計画通りにいっている部分を客観的に評価し、同時に修正が必要なところを2人でじっくりと相談し合う時間を設けました。毎月のコーチングセッションを通じて、彼が一生懸命作った計画を、メタ認知を働かせながら二人三脚で振り返ったのです。
彼自身が自分の現在地を正確に把握し、練習の意図を脳に再認識させることで、彼の努力は圧倒的なスピードで結果へと結びつき始めました。
そんな彼は今年で18歳を迎えました。プロ野球選手という大きな夢を叶えるために、まずは強豪大学を経由するという道を選びました。もちろん、これも彼が中学生の時に修正し、立て直した計画通りのステップです。彼は見事、意中であった名門大学にスポーツ推薦で入学することができました。
あなたの努力を正しい方向へ導くために
目標はアスリートにとって、暗闇を照らすコンパスのようにとても大事なものです。しかし、大事なコンパスを持っているからこそ、現在地を確認し、正しい方向に進んでいるかを「ちゃんと振り返る時間」を作っていくことが、その目標をさらに素晴らしい、実現可能なものにしてくれます。
スポーツメンタルコーチという存在は、試合本番での緊張をほぐすといった一時的なメンタル面のサポートだけでなく、あなたの人生を左右する「目標設定」と「振り返り」のプロセスを、心理学的な根拠に基づいて根本からサポートしています。
もしあなたが今、どれだけ汗を流しても望む未来に近づけていないと感じているのなら、一人で抱え込まずに環境を変えることもひとつの勇気です。興味がある方は、ぜひ一度、私の体験コーチングにお越しください。あなたのその尊い努力が、最高の結果として花開くよう、全力でサポートさせていただきます。
【コラムの著者】鈴木颯人

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属
プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら
【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから
【著書】
・弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉(三五館シンシャ)
・一流をめざすメンタル術(三五館シンシャ)
・モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術(KADOKAWA)
・最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす(KADOKAWA)
・メンタルコーチが教える潜在能力を100%発揮する方法(KADOKAWA)
・親が変われば子どもが変わる(三五館シンシャ)
・うちの子のやる気スイッチを押す方法教えてください(かんき出版)
・アスリートの心を磨く言葉と魂を揺さぶる絶景(PIE International) 他多数





