試合で結果が出ない焦りを消すトレーニングとは?結果が出ないときこそ試したい1つの質問

スポーツメンタルコーチの鈴木颯人です。

結果を手に入れたい! 望む成果を手に入れたい! そして、夢に近づきたい!

そう強く願いながら、毎日血の滲むような努力をしているアスリートやコーチと接する機会が、私には数多くあります。

しかし、スポーツの世界は非情なものです。 あれだけ過酷な練習を積み重ねたにも関わらず、結果を残せない。自分のすべてを懸けて努力したにも関わらず、成果を出すことができなかった。そういった残酷な現実が、どんなトップレベルの選手にも必ず起こり得ます。

「あんなに頑張ったのに、試合で結果が出ない……」

この世の終わりのように絶望感に浸り、涙を流す選手たちと接すると、私自身も胸がギュッと締め付けられる思いがします。なぜなら、その行き場のない悔しさや、自分を責めてしまう気持ちが、私には痛いほどよく分かるからです。

私自身、高校野球に打ち込んでいた頃、どれだけ練習しても結果が出せないという挫折を何度も経験しました。さらには、社会人になってからも結果を出せずに、メンタルが何度もボロボロになりました。パイロットになるという幼い頃からの夢に挫折し、24歳で突然のリストラを経験。そして25歳で鬱病を患うなど、人生のどん底を味わったのです。

だからこそ、壁にぶつかるたびに、私はこんな言葉を吐き出していました。

  • 「こんなに頑張ったのに……」
  • 「なんで誰も俺の努力を認めてくれないんだ……」

本当に死に物狂いで頑張ったと思えたからこそ、結果が出ない つらい現実に直面したときの絶望は計り知れません。

「これ以上、一体何をどうしたらいいんだ……」 思考が停止する寸前まで追い込まれた自分が、再び前を向いて歩き出すためには、数ヶ月という長い時間が必要でした。

【コラムの著者】鈴木颯人

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属

プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

【著書】
・弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉(三五館シンシャ)
・一流をめざすメンタル術(三五館シンシャ)
・モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術(KADOKAWA)
・最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす(KADOKAWA)
・メンタルコーチが教える潜在能力を100%発揮する方法(KADOKAWA)
・親が変われば子どもが変わる(三五館シンシャ)
・うちの子のやる気スイッチを押す方法教えてください(かんき出版)
・アスリートの心を磨く言葉と魂を揺さぶる絶景(PIE International) 他多数

CONTENTS

なぜ「頑張った分だけ」心は折れてしまうのか?

何をしていいのか分からない。それはある意味、当然のことです。 目標に向かって全てを注ぎ込んできたからこそ、結果が出なかった瞬間に「目標を失う」ことになります。人間は、目指すべき明確な目標を失うと、これほどまでに脆く、弱くなってしまう生き物なのだと身をもって感じました。

心理学において、この「努力したのに報われない」という状態は、「認知不協和」という強いストレス状態を引き起こします。 「自分はこれだけ過酷なトレーニングに耐えてきた」という自己認識と、「それなのに結果が出なかった」という現実との間に生じる矛盾が、脳に強烈な不快感をもたらすのです。この不快感を解消しようとするあまり、多くのアスリートは「自分には才能がないんだ」と自己否定に走ったり、競技に対するモチベーションを完全に失ってしまったりします。

結果が出ないとき、心が折れてしまうのは、決してあなたが弱いからではなく、人間の脳の仕組みとしてごく自然な反応なのです。

無理なポジティブシンキングが引き起こす罠

では、打ちひしがれた状態から抜け出すために、すぐに新しい目標を立てられたかというと、そうではありませんでした。心身ともに疲弊しきっている状態で、無理矢理に目標を立て直すことは、当時の私にとって非常にキツい作業でした。

多くの人は、落ち込んだときに「俺なら出来る!」「諦めなければ絶対に大丈夫!」と、無理にでもポジティブな言葉を自分に言い聞かせようとします。 しかし、スランプに陥っているアスリートに対して、私はこの無理なポジティブ思考をあまりおすすめしていません。

なぜなら、心理学における「皮肉なリバウンド効果」が働くからです。人は「ポジティブに考えよう」とすればするほど、無意識下にある「ネガティブな現実」に焦点が当たってしまいます。

「俺なら出来る」と言い聞かせれば言い聞かせるほど、本当の自分は「でも、試合で負けたじゃないか」「本当は自信がないんだ」と反発し、自分自身に嘘をついているような不快な感覚に陥ってしまいます。自己効力感や自己肯定感など自信が低下している状態での強引なポジティブ思考は、かえってメンタルを追い詰める毒になりかねないのです。

スランプを抜け出すための、たった1つの「質問」

そこで私は、自分を変えるためにある工夫をしました。 それは、「自分に言い聞かせること」をやめて、「自分に質問すること」に変えたのです。

具体的には、考え方を少しだけ変えて、こう自分に問いかけました。

『この試練を乗り越えた時に、私はどんな自分になれるだろうか?』

実は、脳科学や心理学の観点から見ても、「質問」には絶大な力があります。人間の脳は「空白」を嫌う性質を持っており、質問を投げかけられると、無意識のうちにその答えを探し始めます。

「俺なら出来る!」と断言すると脳は反発しますが、「この困難を乗り越えたら、どんな成長が待っているだろう?」と質問の形にすることで、脳は自然とポジティブな未来のビジョンを描き、そこに向かうための解決策を探し始めるのです。

この「質問」に変えたことで、私は不思議と目の前の困難から逃げるのではなく、困難に立ち向かおうという意欲が湧いてきました。

困難を避けない人が最終的に勝つ理由

事実として、人間は困難に立ち向かってそれを乗り越えようとするプロセスを経るだけで、成長するスピードが劇的に加速することが心理学の研究でも分かっています。

これを心理学では「ポスト・トラウマティック・グロース(PTG:心的外傷後成長)」と呼びます。大きな挫折や困難な経験を乗り越えた後、人は以前よりも精神的に強く、豊かな人生観を持つようになるという概念です。

例えば、これまでの人生で困難をいつも避けて生きてきた人と、困難から逃げずにいつも立ち向かってきた人とでは、将来的にどちらの方がより良い人生になっていると思いますか?

困難そのものは、一時的に人を傷つけ、弱く見せる出来事かもしれません。しかし、長い競技人生、そして人生全体を俯瞰して考えたときには、「必ずあの辛い経験があったからこそ、今の自分がある!」と心から思える時期が誰にでも訪れます。

興味深いことに、NASA・アメリカ航空宇宙局の宇宙飛行士選抜や、アメリカの有名証券会社の厳しい採用試験でも、「これまでの人生で最も困難な状況に陥り、それをどう乗り越えたか」を非常に重視する傾向があります。 少し考えれば、誰でもその理由は分かるはずです。未知のトラブルが起きたとき、困難に立ち向かえない人に、重要な任務など任せたいとは誰も思いませんよね。

目の前の壁は、あなたがより魅力的になるための試練

もし今、あなたが「私はメンタルが弱いな……」と思い悩んでいるのだとしたら、少し言い方はキツくなってしまいますが、それは性格の問題ではありません。 ただ単に「困難に立ち向かって乗り越えた経験の数が少ない」、それだけなのです。

また、もし「いま、本当に辛いな……」と思うことがあれば、それはあなたが次のステージへ進むために、どうしても必要な出来事なのだと捉えることが大事になってきます。

私自身も、数え切れないほどの失敗と困難を経験してきました。その瞬間は、胃が本当に痛くなるような、逃げ出したくなるような経験もたくさんしました。 けれど、「あの暗闇の中でもがいた経験があったから……」と心から言える自分が今ここにいます。

今、あなたの目の前に立ちはだかっている大きな壁は、あなた自身がより強く、より魅力的なアスリートになるための「試練」でしかありません。

その試練を乗り越えるための勇気がもし足りなければ、ぜひ体験コーチングを受けに来てください。 スポーツメンタルの専門家として、そして同じように苦しみから這い上がってきた経験者として、「絶対に大丈夫!」と心からお話しできる自信があります。

皆さんのご参加を、心よりお待ちしております。

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