アスリートの望む結果をメンタル面からサポートする、スポーツメンタルコーチの鈴木颯人です。
私が起業したのが2011年のことでした。当時、誰1人としてスポーツメンタルコーチとして名乗る人がいない中、手探り状態からのスタートでしたが、この業界のトップランナーとして無我夢中で走り続けてきました。
その後、スポーツメンタルコーチ資格講座を始めたのが2014年からになります。数多くの卒業生を生み出すことや規模を拡大することよりも、まずは私自身の想いをシッカリと伝えられるようにと、細々と、しかし情熱を持ってやってきました。
私が掲げている大切な理念があります。それは、
「One athlete, One mental coach 1人のアスリートに、1人のメンタルコーチを」
という言葉です。すべての選手が、自分専用の心のよりどころを持てるような世界を作りたいと本気で願っています。
年月が経ち、卒業生が増える中で、実際に現場で活躍してくれる人が着実に増えました。名前をあげるとすれば、石井コーチ、杉村コーチ、加藤コーチ、橋本コーチ、増田コーチは、初代プラチナライセンス保持者として全国で活躍の場を広げてくれています。他にも名前をあげたらキリが無いのですが、選手に寄り添い、結果に貢献して活躍してくれるメンタルコーチが増えてきたことに、日々大きな喜びを感じてます。
【コラムの著者】鈴木颯人

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属
プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら
【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから
【著書】
・弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉(三五館シンシャ)
・一流をめざすメンタル術(三五館シンシャ)
・モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術(KADOKAWA)
・最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす(KADOKAWA)
・メンタルコーチが教える潜在能力を100%発揮する方法(KADOKAWA)
・親が変われば子どもが変わる(三五館シンシャ)
・うちの子のやる気スイッチを押す方法教えてください(かんき出版)
・アスリートの心を磨く言葉と魂を揺さぶる絶景(PIE International) 他多数

【絶対に】活躍できるメンタルコーチの決定的な特徴
多くの講座生や卒業生を見てきた中で、私には「この人は【絶対に】現場で活躍できる」と思えるメンタルコーチの特徴があると思っています。
それが「素直さ」です。
知識が豊富なことや、話が上手いことももちろん武器にはなりますが、現場で本当に伸びる人、活躍する人は、何かを感じ取り一味違う行動をします。
その行動こそが「質問」です。
本当に素直な人は、日常の中で「質問」をします。疑問を疑問のままに放置しないのです。分からないことや引っかかることがあれば、すぐに確認をしてきます。それは決して、最初から的確で高度な質問である必要はありません。的確な質問というより、単純に疑問に感じたらとにかく聞いてくる、その純粋な姿勢が重要なのです。
私が伝えたい「素直さ」とは、言い換えれば自分の心に生じた違和感に「忠実」であるとも言えます。自分自身の感覚をごまかさず、そのまま受け止めることができる力です。
そして、これはスポーツをサポートするメンタルコーチに限らず、実際に競技を行うアスリートにも全く同じことが言えるのです。
違和感に気づき、そのままにしない力
トップレベルで戦うアスリートの中には、違和感を感じられなくなるくらい、あるいはちょっとした違いに気づけない、ケガや不調の予兆を察することができないくらい、強烈に自分を信じてガンガンに前に突き進める人もいます。競技人生においては、迷いを捨ててそうやって猪突猛進する時期もあっていいと思います。
しかし同時に、ふとした瞬間に違和感を感じた時、それをそのままにしない気持ちも兼ね備えることが出来たら、まさに鬼に金棒だと思うのです。
そういった点を踏まえて、スポーツメンタルコーチとして活躍できる人も、サポートする選手に対して抱いた違和感を決してそのままにしないと思うのです。
コーチング中のちょっとした気掛かりや、言葉の端々に表れる微妙なニュアンスの違い。そうした小さな違和感を素直に受け止め、選手に問いかけることで、選手の思いもよらぬ成長や前向きな変化に繋がったりすることが多々あります。
心理学から見る「謙虚」と「素直」の重要性
選手の違和感に気づき、それを適切に扱うためには、コーチ自身の心理的な土台が非常に重要になってきます。そこで求められるのが、素直さとともに「謙虚」であるという姿勢です。
心理学において「ダニング=クルーガー効果」という認知バイアスがありますが、これは能力の低い人ほど自分の能力を過大評価し、逆に能力の高い人ほど自分を過小評価(あるいは正確に評価し、まだ足りないと感じる)する傾向があるというものです。スポーツのサポート現場において、コーチが「自分は相手のメンタルを全て理解している」と思い上がってしまうと、そこで成長と観察は止まってしまいます。
自分の知識や経験を過信せず、「私はまだこの選手の本当の心の奥底を知らないかもしれない」と自分を客観視できる謙虚な姿勢があるからこそ、相手の些細な変化に対して素直な疑問を持つことができます。
また、著名な心理学者カール・ロジャーズが提唱したカウンセリングの基本条件に「共感的理解」と「自己一致(純粋性)」があります。これは、相手の世界をありのままに理解しようと努め、同時に支援者自身も自分の感情に対して素直であり、偽りがない状態を指します。自分の心の動き(違和感や疑問)に対して謙虚に向き合い、素直に表現できるコーチだからこそ、アスリートも心を開き、本音で語り合える深い信頼関係を築くことができるのです。
トップアスリートの名言が教える「素直な心」
この「素直さ」がいかに重要かについては、歴史に名を刻む偉大なスポーツ選手や指導者たちも言葉を残しています。
例えば、プロ野球界で名将として知られた故・野村克也氏は、選手が成長するための第一条件として次のような言葉を残しています。
「伸びる人間の条件は、第一に素直であること」
野村氏は、自分の弱さや現状を謙虚に受け入れ、他者からの助言や自分の内なる疑問に素直に耳を傾けられる人間だけが、壁を越えて成長できると説きました。
また、メジャーリーグで数々の記録を打ち立てたイチロー選手も、自分自身と向き合うことについて深い洞察を持っています。 「自分がわからないということを認めることが、わかるための第一歩です」という趣旨の発言をしているように、トップに立つ人間ほど、自分の無知や弱さを謙虚に認め、素直に学ぼうとする姿勢を生涯にわたって持ち続けています。
アスリート自身がそうであるように、彼らを支えるメンタルコーチもまた、自分の感覚に対して素直であり、選手から常に学ばせてもらうという謙虚な姿勢を忘れてはならないのです。
日常の観察から生まれる圧倒的な信頼
そういったアスリートの内面の変化や、言葉にされないサインに気付けるためにも、コーチには普段からの観察、視察、ヒアリングがとても大切になっていきます。
小まめに試合をみたり、練習をみに行ったり、さらには選手が発信するSNSもチェックしてみたりと、日々の接点を大切にします。もちろん、その都度、毎回何か劇的な変化を感じることはないかもしれません。
しかし、継続的にみ続けることで、ふとした瞬間に選手が発した言葉に対して、より深いところで理解できたり、「あれ、いつもと何かが違うな」と気づけたりすることもあります。その気づきの答えは、選手によって本当に様々です。
そういった微細な変化を絶対に見逃さない人は、自分の先入観を捨て、常に「素直」な気持ちで相手と接することができる人だと思っています。ありのままの選手を受け入れ、自分自身の心のアンテナに素直に従う。
だからこそ、素直さを兼ね備え、学び続ける謙虚さを持った人は、必ずスポーツメンタルコーチとして活躍できると私は信じているのです。アスリートのメンタルを支えたいと願うなら、まずはあなた自身の心と素直に向き合ってみてください。
「One athlete, One mental coach 1人のアスリートに、1人のメンタルコーチを」
このビジョンを共に実現していく仲間が、これからも増えていくことを楽しみにしています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。



