10年間トップに立ち続けた「やり続ける力」元オリンピック日本代表体操選手・内村航平さん
"" やるべきことを継続してきたから継続に必要な強い気持ちとモチベーションをもてていたから
そして継続と強い気持ちのほかに、もう一つ大事な要素を挙げるなら、自分がやっていることを”いかに楽しむか”だと思います。
技らしい技が何もできなかった子供の頃から、体操をすることは楽しくてしかたなかった。
楽しめていてこそ、継続もできる。そして、出来ることを普通と考えるのではなく、「できないこと」が普通と考える。何かができるって、本当に特別なことではないでしょうか。""
(「はじめに」より)
基礎を続ける
どんなスポーツでも重要なのは基礎を固めていくこと。基礎を続けれていれば、新しい技を覚えようとしたときにも、すぐに出来るようになるということ。とにかく基礎の反復が大切だと内村航平さんは述べます。
内村航平さんが基礎の力を最初に実感したのは高校での最初の1年間だそうです。1年間本当に基礎練習しかやらせてもらえず、今振り返っても2度とやりたくない。練習は楽しめなかったし、先の目標を考える余裕もなかったと当時を振り返っています。
それでも高校2年になる直前にターニングポイントがありました。コーチ不在時に、これ幸いと基礎の練習をさぼって「やりたい練習」をやってみると、中学生の頃には出来なかった難しい技が簡単に出来るようになっていたそうです。
その後、高校2年になって難しい技を一つひとつ習得していき、その年に出た全日本ジュニアでは3位になり、トップへの階段を登り始めるきっかけとなった出来事でした。
さらに基礎を続けることには技術的な点だけでないメリットがあると言います。できているかどうかを問わず、常に基礎の確認をしておくことで、現状を振り返ることで、コンディションの把握や初心を取り戻す機会にもなり、メンタル面にもつながってきます。
つらい練習や仕事を続ける
多くの人にとってつらい練習や仕事を毎日続けることは簡単ではないはずです。好きでやっていることも例外ではないでしょう。
そういった場面では、まずは心を無にしてやっていく、作業に徹する感覚で行うのが良いと内村航平さんは述べています。
""毎日きつい練習をしていましたが、正直やりたくない日はあった。そういうときは心を無にして、毎日やるべきことを淡々とこなしていったものです。
それでも何も考えずにこなしていると少しずつ心が乗ってくる。いつの間にか嫌だという気持ちは無くなり、練習に集中できていたのです。""
(103~104ページより)
ですがこうしたやり方を導入しようとしても、どうしてもあれこれ考えて、拒否反応を示してしまうという人もいるかもしれません。
そういった方には、真逆の発想で取り組むのもありだと内村航平さんは述べています。
""考えるだけ考えた先に、自分なりの答えが見つかり、”何も考えなくなる境地”がある気がします。""(105ページより)
まとめ
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