スポーツメンタルコーチとして大切にしていること

2005年7月7日
あの日、
私はロンドンにいた。
いつも使っていた電車が爆破された。
いつも乗っていたバスが爆破された。
しかも同時に、街のあちこちで。
21歳だった。
生きてきた中で、
もっとも「命」を意識した瞬間だった。
電車もバスも止まり、
街は混乱していた。
ロンドン中心部から、
徒歩で5時間かけてウエストハムの自宅へ帰った。
歩きながら何度も考えた。
生きている。
ただそれだけで十分なのではないかと。
日常は突然壊れる。
当たり前は、
当たり前ではない。
あの体験は、
私の中に一つの感覚を残した。
結果より先に、
命があるという感覚だ。
どんな結果になろうが、
命があることで次につながる。
だから、
どんな結果になろうが大丈夫だと思える。
スポーツがすべてだとは心からは思わない。
けれど、
スポーツに全力を傾けられる時間が「今」しかないことも知っている。
時間は戻らない。
だからこそ、
今この一瞬一瞬を味わってほしいと思う。
結果のために生きるのではなく、
この瞬間を生きた先に結果があるのだと思う。
命があるから挑戦できる。
失敗しても、生きていれば次がある。
この感覚は、
楽観ではない。
命の不確かさを知った上での
確信だと思ってる。
そして、
この体験は私のメンタル観の土台になった。
人は結果で評価される世界にいる。
スポーツは特にそうだ。
しかし、
本当に支えになる言葉は結果の言葉ではない。
存在を肯定する言葉だ。
生きている。
挑戦している。
それだけで価値がある。
だから私は、
結果よりも挑戦できた事実を大切にしたいと思っている。
スポーツメンタルコーチとしてだけではなく、
一人の人間として、
今この瞬間は尊いと心から思っている。
そう思えるからこそできるサポートがある。
そして、
この思想は個人の体験で終わらせたいものではない。
あの日、
私は強く感じた。
人は一人では生きられないということを。
不安の中で歩いた5時間は、
支え合う人の存在を何度も感じた時間でもあった。
だから掲げている。
One athlete, One mental coach
1人のアスリートに、1人のメンタルコーチを。
これは職業を増やすための言葉ではない。
支える関係を当たり前にするための言葉だ。
誰もが誰かのメンタルコーチになり得る。
挑戦する人のそばに、
支える人がいる世界をつくりたい。
命を起点に挑戦を考える文化。
結果だけで人を評価しない文化。
今を生きることを肯定する文化。
あの日の体験が、
この思想の出発点になっている。
【このコラムの著者】
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