「心と身体の両方をケアできる柔道整復師に」今國智彦さんのスポーツメンタルコーチングへの想い
スポーツメンタルコーチ資格講座卒業生インタビュー第42弾
バレーボールを頑張る娘の力になりたかった。スポーツメンタルコーチになるきっかけとは
-今國さんがスポーツメンタルコーチングに興味を持ったきっかけを聞かせてください。
本業とは全く関係ないのですが、小学校からずっとバレーボールを続けている自分の娘がきっかけでした。
現在娘は高校3年生なのですが小学校の頃の監督がよく怒鳴っては休みなく練習させるすごい怖い人だったんです。練習の様子を見ていても子どもたちが萎縮して無理矢理やらされているような感じだったので、自分が娘に対して何か協力できることはないかと考えるようになりました。
またそんな環境にいたことから娘も毎日練習がある生活だったので、学校のクラスで孤立してしまい友達がなかなか作れず少しコミュ障みたいな感じになってしまいました。それが娘が小学5年生くらいの頃なので7年前になるのですがこの出来事がきっかけにメンタルに興味を持つようになりました。
それから色々なメンタル関連の本を読むようになって、その中で颯人さんの「モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術」という本をたまたま読んでスポーツメンタルコーチの資格講座の存在を知りました。そこで自分もスポーツメンタルコーチとしての資格を取って娘をサポートしたいと思うようになり受講しました。
-改めて当資格講座の受講に至った経緯を聞かせてください。
颯人さんの本を読み進める中で、この資格講座がいいなと思いました。他のメンタル関連の本を読んだり他の団体さんの講座を探したりもしましたが自分にはピンと来なかったので、直感的に受けたいと感じたこの資格講座を受講することを決めて迷わず申し込みました。
実際に資格講座を受けてみて感じたこと
-実際に資格講座を受けてみてどうでしたか?
この講座で他の受講生と一緒にワークを進めていく中で関心する部分は多くありました。特に「相手に耳を傾ける」ことだったり、自分が普段仕事でもやっているようなことがスポーツメンタルコーチングにおいても大切ということも知りました。そして色々な手法を使いながら、スポーツ選手たちが納得して次のアクションに向けて自ら動き出せるきっかけを気づかせてあげることがスポーツメンタルコーチングなんだと学びました。
またこのコーチングの技術はスポーツをやっていない人に対しても、話の聞き方だったり癖を読み取る方法を通して活用できることが知れたのも大きな学びでした。何から何までこの講座を通して学ぶ内容が新鮮で、かつ自分の本業にもリンクしているのでスポーツメンタルコーチングを学ぶ上で多方面に活かされることが知れて良かったです。
-資格講座の中で印象に残っているワークやお話はありましたか?
ありますね!一番最初に取り組んだワークだったと思うのですが、颯人さんに一枚の紙を渡されて「目をつぶって縦に半分、横に半分折って、その端を丸く切ってください」と指示されるワークがありました。受講生はみんな同じ指示の下でやっているのにも関わらず、目を開けると全員の紙の形がバラバラになっていることには驚きましたね。
このワークで伝えたいことは、同じ説明でも一人一人捉え方が違うということでした。本当にこのワークが個人的には衝撃的だったのでそれからどんどん講座にのめり込んでいきましたね。その時はスポーツメンタルコーチングに関係あるのかなという疑問もありながらもとてもおもしろいワークが多く学びやすさを感じました。
-資格講座ではそういったおもしろいワークを含め、自分自身と向き合う内容も多いかと思います。その点に関してどんな印象がありましたか?
「思い込みの蓋を外す」という話は自分と向き合う内容の中で印象的なものの一つでした。この話では自分自身と向き合う中で自分の弱い部分を作り出す発端となった出来事はいつなのかとか、また人間関係や自分の過去の環境を振り返りながらいつから思い込みを持つようになったのかを探る時間がありました。
そのプロセスも受講生同士で質問し合って深掘りしていったりと、自分が今まで考えてこなかったアプローチで自分自身と向き合うのでハッと思わされることも多かったですし、自分のことを深く知るきっかけになったので良かったなと感じています。
-ちなみにその思い込みや自分の人格形成のきっかけは具体的にどんなことだったのか聞かせてもらえますか?
私は小学5年生の頃から母子家庭になったのですが、当時は周りに同じ境遇の子があまりいなかったので「自分はみんなと違うんだな」って感じることは多かったと思います。そんな環境から無意識のうちに劣等感を感じて負けず嫌いになったのかなって思っています。
また高校ではラグビー部に入っていたのですが、1年生の時に足を怪我して選手とマネージャーを兼任するようになりました。当時の監督が厳しい人だったのでうまくやらないといけないという思いから、世渡り上手な性格になっていった部分はあったんだろうと自分を深掘りしていく中で気づきましたね。
-この講座で出会った同期の方は今國さんにとってどんな存在になっていますか?
同期には私にとって刺激的ですごいなと思う方はたくさんいます。例えば、資格講座を受けてからすぐスポーツメンタルコーチの仕事をして新聞に載ったりした方もいましたし、講座中にたまたま僕の隣にいてよく話していた方がラグビー好きで自分と共通のベクトルを持っていて親しみ深かったです。しかもその方はたまたま僕の通っていた高校の隣の学校出身で、今ではスポーツメンタルコーチとしてラグビー関係の方をコーチングしていたり、夏合宿の時には菅平というラグビーのメッカの場所があるのですが、そこの「藤田塾」というところで講演しているのでその方の色々なお話を聞く中で勉強させてもらっています。
またコロナ禍の間でもZoomなどを活用して何名かの同期の方と進捗報告の場を持って色々な情報共有させて頂いたので、たくさん刺激をくださる方々と出会えて本当に嬉しく思っています。
スポーツメンタルコーチングのおかげで心と身体の両面からケアができるように。
-スポーツメンタルコーチの資格取得後の活動状況についても聞かせてもらえますか?
スポーツメンタルコーチングが本業の柔道整復師にも活きていて患者さんの話を深く聞けるようになりました。また本来の目的でもあったバレーボールをやっている娘にもより寄り添ってサポートできるようになりましたね。娘には自分で考えて気づいていくことの大切さや、小さな成功体験を重ねること、そして何より周りの人に感謝していくことをやんわり伝えるように常に意識しています。
またスポーツ選手のケアとしては去年の夏の甲子園に出た市立船橋高校の野球選手や、様々なスポーツの中高生のジュニア選手をメインに当院で診ております。スポーツメンタルコーチとしてではないんですが、施術の中で雑談も交えながら色々話を聞いてコーチングしています。大体15分くらいの施術になるのですが、身体の悩みから競技中のメンタル関連の悩みなどをこちらから問いかけながら自分で気づかせることを意識して対話しています。
最近はご縁があって母校の高校のラグビーチームのセーフティアシスタントを任されるようになり、毎週怪我の治療もさせてもらっているのでこの資格講座をきっかけに元々夢だったスポーツトレーナーのような仕事にも繋がってきました。
-一般の患者さんにはどのようにスポーツメンタルコーチングの技術を活かしていますか?
当院に来る一般の患者さんはメンタルヘルスについて耳にしている方も多いので、スポーツメンタルコーチの資格を持っていることも伝えると話を聞いてもらいやすくなります。最近は腰痛等も病院ではレントゲンで撮っても異常がなくて「おそらく精神的なものが原因だと医師に言われた」と言って当院に来る方もいらっしゃいます。
そういう方を治療していくためには原因を深く聞いて精神的な痛みもケアしていく必要があります。病院では診察時間が2から3分しかないので深く話が聞けないのですが、接骨院であれば15分の中でしっかり話を聞いてあげることができます。患者さんも納得して帰っていただけるのでそういう意味でもスポーツメンタルコーチングがすごく役に立っています。
特にそういった患者さんは話を聞いてもらいたい人も多いので、しっかり時間をかけて傾聴してあげることが心と身体の両方からの治療に繋がるんだなと感じています。
-ちなみにコーチングをする時に対話で意識していることはありますか?
「自分の意見は言わない」ということを常に意識していて、必ず相手に考えさせるようにしています。こっちから原因を伝えてしまうのは簡単なのですが、患者さん自身が自分で気づけないと何が原因だったのか忘れてしまうのでしつこいくらいに質問して原因から解決策まで患者さんに自分で考えてもらうようにしています。
-本来の目的だった娘さんのサポートについても詳しく聞かせてもらえますか?
娘とは犬の散歩へ週に1から2回ほど一緒に行くのですが、その時に会話を通してちょっと質問を投げかけています。私としてはその時答えが返ってこなくてもいいかなというスタンスで、どこかでふと考えてもらえたらと思って接しています。あまり言い過ぎちゃうと一緒に犬の散歩をしてくれなくなるので(笑)
また先日、高校三年生でシーズン最後になる大会があり東京都ベスト16になったのですが、ちょうどその大会が学生最後になると思っていたのでその日の朝に手紙を書いて渡しました。手紙には「小学校から続けてきたこのバレーボールは小学校の監督や中学校のコーチ、また今まで一緒に戦ってきたチームメイトたちがいたから今日があるので、今まで関わってくれた周りの人たちみんなに感謝して自分らしくプレーしてね」と書きました。
-そういった声かけを通して娘さんの変化はありましたか?
はい。その甲斐もあってか娘も少しづつ変わってきたなと感じています。小中学生の時は本当にクラスに友達がいなくて隣の人に「友達になってください」って言わないと友達ができないような感じだったんですが、高校生になってからはクラスの友達も増えてきたのできっと意識が変わって人付き合いも上手くなってきたのかなと感じます。
また責任感も強くなりバレーボール部のキャプテンも任されるようになったので、人として着実に成長しているなと思います。娘の成長からも改めてこの資格講座を受けて、子どもに対しての接し方や答えが返ってこなくても投げかけてあげることの大切さに気づかされました。
-スポーツメンタルコーチングを学んだことで起きた自分の変化はありますか?
相手の目線で対話できるようになったことが一つ大きいかと思います。資格講座後もスポーツメンタルコーチのオンラインコミュニティ「Space」に入って颯人さんの話を聞いたりイベントにも参加しています。このように学びを深めて色々な方との繋がりも継続しながら刺激を受けていくうちに自分自身もしっかり人と向き合えるようになってきました。また学んだ手法をしっかり取り入れて対話できるようになったことで自信もついてきました。
今後の目標と資格講座を検討している方へ一言
-スポーツメンタルコーチとして今後の目標を聞かせてください。
今の目標はスポーツメンタルコーチとしてサポートしていくことで母校の高校ラグビー部が十数年ぶりに全国大会に出場できるようにすることです。また選手たちが怪我をしたら当院にも来ますし、私自身も週に一度選手たちと顔を合わせるのでその都度治療する際にこの資格講座で学んだことを活かしながらしっかり向き合って彼らのパフォーマンスを伸ばしてあげたいです。
また元々スポーツトレーナーになりたかったという思いもあるので、柔道整復師とスポーツメンタルコーチの両方の技術を使ってスポーツ選手の心と身体のケアをしてあげられる接骨院づくりをしていきたいなと思っております。
-最後に資格講座を検討している方へ一言お願いいたします。
私は本当にこの講座を受けてよかったなと思っていますし、知らないことが多かったのでとても勉強になりました。また講座内のワークは実際に肌で体感することが多く、自分自身と向き合うこともありますが一人ではなく同期の受講生たちとグループで一緒に取り組めるのでとてもやりやすかったです。
あとは正直やっぱり受けてみないとこの資格講座の良さは分からないと思います。個人的には悩んでいるなら是非受けてみて欲しいと思っておりますし、講座中も颯人さんや卒業生のサポートメンバーが優しく教えてくれるので安心して受けられる内容になっています。
また一緒に受講される方々も色々な職種の人たちが集まっていますし、同じスポーツメンタルコーチングというものを学ぶ同士になってくれます。そのため学びが深まるだけではなく横の繋がりや自分の可能性がどんどん広がっていく講座の内容以上のものが得られる機会になっているので是非受講してもらえたらと思います。
今國智彦プロフィール
東京都在住の柔道整復師兼スポーツメンタルコーチ。学生時代は野球、バレーボール、ラグビー、柔道に取り組んできた経験を持つ。高校卒業後は大学へ進学するも中退。その後スポーツジムでインストラクターの仕事を通してスポーツトレーナーを目指すようになり高校の恩師にも相談したところ、国家資格が取れてスポーツにも関われる柔道整復師や鍼灸師の仕事を勧められる。その恩師のアドバイスを受けて柔道整復師の道を選び、資格取得後は紹介を受けた接骨院で12年ほど住み込みで修行。その後2000年に東京都墨田区で「いまくに接骨院」を開院し今に至る。またバレーボールをしている娘のサポートがしたいと思いからスポーツメンタルコーチングにも興味を持ち本資格講座を受講。現在は柔道整復師としてスポーツメンタルコーチングの手法を用いながらスポーツ選手や一般の患者さんの心と身体の両面からの治療に携わっている。
Interview and Edit by 畠山 大樹
次回のスポーツメンタルコーチ資格講座のご紹介
スポーツメンタルコーチ資格講座は「日本スポーツメンタルコーチ協会(R)」にて発行されている資格です。One Athlete,One Mentale coachの理念を掲げスポーツメンタルコーチの普及に力を入れております。
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