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メンタルはスキルなのか?

スポーツメンタルコーチの鈴木颯人です。

 
「メンタルはスキルですか?」
という質問を受けることがあります。
 
スポーツメンタルコーチ
 
本当にメンタルがスキルだとしたら
この世の中に「メンタルダウン」を
する人がいないはずだと思うのです。
 
うつ病などの精神疾患の人に
スキルを学ばせれば世の中の精神
疾患患者は減っていくはずです。
 
それがなぜ減らずに増えるのか?
その私なりの理由をお伝えしたい
と思います。
 

メンタルスキルを持っていてもメンタルダウンする人がいるのは何故か?

 
2011年からスポーツメンタルコーチ
として活動してきました。
 
昔は「メンタル」と言っても
ピンとこない人が多かったです。
 
ここ最近では
数多くの場面でメンタルコーチや
メンタルトレーナーの活躍が
報じられるようになりました。
 
その中で
様々なメンタル面における考え方
がある事に気付きました。
 
その上で、
「メンタルはスキルなのか?」と
お問い合わせを頂くことがあります。
 
私としては数多くのアスリートを支え、
科学的にも言えることが一つあります。
 
それは、
「メンタルはスキルとは言い切れない」
です。
 
つまり、
「メンタルスキル」として捉える事で
メンタルをよくしていける人もいれば、
 
「メンタルスキル」を伝えても
メンタルがどうにもならない人が
一定数はいるからです。
 
その最大の理由の一つに、
「同じ人はいない」になります。
 
例えば、
私たち日本人と欧米人では
身体の作りが違ってきます。
 
骨格に限らず筋肉も違います。
速筋繊維と遅筋繊維の割合が
違うそうです。
 
さらには考え方も違います。
個人主義の欧米人に対して
全体の輪を重んじる傾向が
日本人にはあります。
 
考え方の差は文化的背景や
地政学的な背景もあります。
 
しかし、
その中でも特に着目すべきは
「遺伝子情報」です。
 
遺伝的な要素を抜きにして
語れないことが多いのです。
 
例えば、
一卵性双生児は一つの卵から
2人の胎児が生まれます。
 
なので、
遺伝子情報は限りなく
似たものになるからです。
 
しかし、
双子の性格は必ずしも
一致するのでしょうか?
 
この分野について研究しているのが
遺伝子学やパーソナリティー心理学
になります。
 
遺伝的な要素も大切なのですが、
それ以上にどんな環境で過ごしてきたか?
 
共有環境と非共有環境が
重要になることがわかっています。
 
つまり、
どんな環境で育ってきたのか?
どんな人達が周りにいたのか?
どんな気候で過ごしたのか?
などが性格に影響してくるのです。
 
なので、
環境面を無視したら
メンタルはスキルだと言えます。
 
しかし、
メンタルがスキルにならないのは
環境から私たちは少なからず影響を
無意識に受けるからです。
 
その環境に適応する為に
私たち日本人が進化の過程で得たのが
セロトニントランスポーターです。
 
脳科学的にとても重要なのが
セロトニンです。
 
このセロトニンを届けるセロトニン
トランスポーターが日本人は遺伝的に
欧米人との違いがあると考えられています。
 

セロトニントランスポーターとは?

 

”セロトニントランスポーター(serotonin transporter)遺伝子(SLC6A4遺伝子)において、日本人と欧米人の間には特定の遺伝的な違いが存在します。この遺伝子には、セロトニンの再取り込みを担うタンスポーターの遺伝子型に関連した多型があります。この多型は、セロトニンシステムの機能に影響を与える可能性があります。

 

最もよく研究されている多型は、5-HTTLPR(セロトニントランスポーター長/短多型)と呼ばれるものです。この多型は、5-HTTLPR遺伝子座のアレルの長さによって定義されます。長いアレル(Lアレル)と短いアレル(Sアレル)の2つがあります。

 

研究によると、一部の報告では日本人集団においてSアレルの頻度が比較的高いとされています。これに対して、欧米人集団ではLアレルがより一般的であるという報告もあります。

 

この5-HTTLPR多型は、セロトニンシステムの活性やセロトニンの再取り込みに関与するため、個人の行動、情緒、および精神的な特性に影響を及ぼす可能性があります。ただし、この遺伝子多型と個人の特性との関連性は複雑であり、他の遺伝子や環境要因も重要な役割を果たすことが示唆されています。”

 

メンタルをスキルで補う別の形を求めて

 

現代社会においては食生活などの
急激なライフスタイルの変化に
よってメンタルダウンする人が
増えました。
 
環境の変化によってうつ病になどの
精神疾患に罹る確率が高くなっています。
 
また私たちを取り巻く環境においては
発展途上国よりも日本を含む先進国に
おける精神疾患も多いと言われます。
 
自殺者だって先進国が
圧倒的に多いのです。
 
だからこそメンタルをスキルとした
場合に個人ではどうにもならない
環境からの影響を私たちは少なからず
受けることがわかっています。
 
その上で、
メンタルはスキルだと捉えることが
できる人は比較的に遺伝的にも環境的
にも恵まれメンタルのスキルを学べる
人たちに限られるのではないのか?
思うのです。
 
では、
環境的にも遺伝的にも恵まれていない
人はどうしたらいいのでしょうか?
 
そこで必要になるのが、メンタル面を
改善に導く指導者、親御さんへの普及、
さらにはメンタルコーチを増やしていく
必要があると私は思っています。
 
私自身、
うつ病を経験してます。
 
母親も
うつ病を経験してます。
 
スキルではどうにでもならない
世界を身をもって感じてきました。
 
知識を知っていても、
変われない人はいます。
 
だからこそ、
知識を伝えるのではなく
寄り添える人を増やして
いきたいのです。
 

メンタルスキルを必要としない

そんな社会を私は目指したいのです。

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プロスポーツメンタルコーチ/一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人

プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

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