スポーツで自信がない時にどうしたらいいか?
「自信がない!」
どれだけ自信があっても、
突如襲ってくる気持ち、それが
「自信がない」です。
大事な試合、
進路が決まる試合、
そして、
夢が叶うかどうかの試合・・・
スポーツメンタルコーチとして
多くの選手をサポートしてきました。
自分に自信が持てない!
という話は必ずでてきます。
私が現役時代も
同じ悩みを持っていました。
自信を持てと毎日のように
監督、コーチ、仲間に言われてきました。
しかし、
「自信を持て!」と言われて自信が持てたら
これだけ楽なことはないと何度も思いました。
少しでも自信がないことで悩んでいる人に
お役に立てればと思って綴りたいと思います。
1、自信ってなんなんだ?
2、試合で結果を出すために自信は必要なのか?
3、自信がある人は自信があるとは言わない
4、自信よりも大事なこと
5、自己効力感を理解する
自信ってなんなんだ?
よく、
根拠のない自信を持てと言われます。
自信とは文字通りに読めば、
「自分を信じる」です。
自分を信じることができれば、
試合でブレることなく挑めます。
しかし、
自分に少しでも疑いがあると、
試合に挑める状態ではなくなります。
だからこそ、
自信が欲しいと思う人が多いのです。
自信があれば、
試合でもいいパフォーマンスを発揮できると
信じている人が多いのです。
そもそも自信とは何か?
自信に囚われていならが、
自信を正しく人に伝える事ができないものです。
自信は自信!けど、人が求める自信は必ずしも一致しないものです。
そもそもの言葉の意味ですが、
自信とは「自分の能力や価値などを信じること」という意味になります。
この自信について、
心理学や自己啓発では2つの意味合いで語られます。
1つ目が自己肯定感と
2つ目が自己効力感です。
とても似たような言葉ですが、
自己肯定感については心理学では記載がないです。
それに代わる言葉として、
自尊感情という言葉で称されています。
自尊感情(self-esteem:セルフ・エスティーム)とは、自分自身を価値ある者だと感じる感覚です。一方で、自己効力感(Self-efficacy:セルフ・エフィカシー)とは、ある状況下で結果を出すために適切な行動を選択し、かつ遂行するための能力を自らが持っているかどうか認知するための言葉のことです。
両方とも大切な「自信の感覚」です。その中でも、私は「自己効力感」を皆さんに学んで欲しいと思っています。
この自己効力感を提唱したのがアルバート・バンデューラ(Albert Bandura)氏です。「自己効力感」や「社会的学習理論」を提唱した、20世紀を代表する心理学者です。
バンデューラ氏は、社会的学習理論をはじめとした多くの業績で知られています。
学術雑誌や教科書での引用数などをもとに作成された「20世紀の著名な心理学者」(2002年)というランキングでは、スキナー、ピアジェ、フロイトに次いで第4位を占めました。
社会的学習理論の研究および心理学の発展に対する功績を評価され、バンデューラ氏は2014年度のアメリカ国家科学賞を受賞。2015年にオバマ大統領(当時)からメダルを授与されました。
そんな氏が提唱した自己効力感を一言で表すと「自分ならできる!」という自信に満ちた感覚です。心から湧き出た感情です。
勘違いしてほしくないのが、
「自信がある!=自分ならできる!」ではないのです。
試合で結果を出すために自信は必要なのか?
私がさまざまな選手をサポートしてきて、
1番記憶に残っているのが空手の植草さんです。
世界選手権に挑む前のコーチングで、
こんな話をしてくれました。
「勝てるとしか思えない」
正直、
コーチング開始5分での発言に、
面をくらいました。
内心、
「ここまで仕上がった人は初めて!」
「俺の存在意義は一体あるのか!?」
「残り55分どうしたらいんだ!?」
などなど・・・
当時の植草さんはそれくらい、
いい状態で試合を控えていました。
案の定、
世界選手権では圧倒的強さで優勝。
初めての優勝にしては、
まったく喜ぶこともなく
淡々と優勝されていました。
それから長いこと世界ランキング1位に。
全日本でもずっと優勝し続けます。
東京オリンピックにも出場し、
選手としては最高のキャリアを歩んだと思います。
そんな植草さんの活躍をみながら、
自信ってなんだろう・・・と思うように。
「勝てるとしか思えない」
という発言には自信という意味よりも
違った意味を私は感じました。
自信がある人は自信があるとは言わない
結局、
自信の有無で試合の結果が左右されると思う人は
自信に囚われていると言っても過言ではないです。
つまり、
自信=結果にならないのです。
その事実を何度も何度も
選手の結果で痛感しました。
というのも、
自信がなくても結果が出る人は出るんです。
逆に、
自信があっても負ける人は負けます。
辛いことですが、
これが事実です。
そして、
この事実に向き合う必要があります。
あれだけ自信を持てと言われたのに、
自信がなくても勝つことがあるのです。
有名な心理学的な理由として、
ダニング・クルーガー効果があります。
能力が高い人ほど自分に謙虚になり、
能力が低い人ほど自分に過信してしまう話です。
このことから、
自信があると思う人ほど
自分の能力に過信しているのかもしれせん。
逆に、
自分に謙虚になれる人は、
自分の能力をちゃんと理解できている人です。
そういう人ほど。
自分のやるべきことが理解できているのです。
だから、
気持ちに左右されることなく、
結果をだすための適切な行動が取れます。
自信よりも大事なこと
それでも、
自信を持ちたい人は多いと思います。
そこで私が伝えたいのが、
自信よりも大事なことになります。
世の中には、
自信以上に大事な気持ちがあるのです。
自信の最上級の気持ちがあるのです。
それに気づかずに自信だけを追い求める人がいます。
それはあまりにも勿体ないのです。
逆に気付いてない人は伸びしろがある証拠です。
この伸び代の正体は、
「覚悟」になります。
自信以上の状態になりたいなら、
「覚悟」を持つ方が早いです。
覚悟をもつには、
退路をたつ勇気が必要になります。
退路を断つとは、
逃げもちを無くすことになります。
退路が立てないと持てないのが
覚悟という気持ちです。
シンプルに伝えると、
退路を断つくらいの気持ちがなければ
競技で結果なんて簡単には出ません。
自信を持とうとするよりも、
退路を断つ方が簡単です。
人は追い込まれた時の方が
強くなります。
正直、
自信という脆い気持ちよりも
覚悟という気持ちが最強です。
しかし、
世の中的には覚悟よりも自信なのです。
そして自信に囚われ自分を見失うのです。
自己効力感を理解する
冒頭で、
自信を2種類あるとお伝えしました。
その中でも、
自己効力感は覚えておいて損はありません。
自己効力を高めるためには。
以下がポイントであると言われます。
達成経験……自分自身で目標を達成した経験
代理経験……自分以外誰かの目標達成を観察した経験
言語的説得……スキルや能力がある事を言語的に説明・説得される事
生理的情緒的高揚……モチベーションがアップする生理現象
想像的体験……自分自身で目標達成することを想像すること
パンデュラーの考え方でいくと、
効力予期が関係してきます。
自己効力感(自分ならできそう)を感じる際にはこの効力予期と呼ばれる「自分の能力を信じること」と、結果予期と呼ばれる、外的な要因による予測で「結果は出るだろう」が関係していきます。
その中でも、効力予期はとても重要で得たい結果に対して自分の能力が相応しいかどうか?がポイントになります。
これが、私が著書や資格講座で伝える「結果に相応しい〇〇」になります。
どんな人間も、結果に相応しい能力、メンタルが備わっていたら結果は自然とやってくるものです。
しかし、それらの能力やメンタルが本番までに備わっていないと自分を疑い出すわけです。この疑った状態を、「自信がない」と形容されます。
そうならないためにも、結果に相応しいメンタルを常に意識して欲しいなと思います。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。