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メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違い

アスリートを支えるためには、メンタル面でのサポートが欠かせません。しかし、メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違いを理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。本記事では、メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違いを詳しく解説し、科学的な根拠を交えてあなたに合ったアスリートの支え方を見つけるためのポイントをご紹介します。

 

【このコラムの著者】

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 幹事会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属

鈴木颯人
プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

メンタルトレーニングとは?

メンタルトレーニングの基本概念

 

メンタルトレーニングは、アスリートの心理的スキルを向上させるための訓練方法です。集中力、リラクゼーション、イメージトレーニング、ポジティブ思考などの技術を使って、競技中の精神状態を最適化します。メンタルトレーニングは、特に試合や練習のプレッシャーに対処するために有効です。

 

メンタルトレーニングは、心理学の理論に基づいています。例えば、イメージトレーニングは、スポーツ心理学で広く研究されており、脳が実際の動作と同じように反応することが確認されています 。このため、アスリートは実際の競技と同じ効果を得ることができるのです。

 

メンタルトレーニングのメリットとデメリット

 

メンタルトレーニングのメリットには、短期間での技術習得が可能であり、即効性があることが挙げられます。また、自己管理能力の向上にも役立ちます。しかし、デメリットとしては、一時的な効果に留まることが多く、継続的なサポートが必要です。また、個々のアスリートのニーズに十分に対応できない場合があります。

 

研究によれば、メンタルトレーニングはアスリートのパフォーマンスを一時的に向上させるが、長期的な効果を維持するためには継続的なトレーニングが必要です 。このため、メンタルトレーニングを単独で行うよりも、他のトレーニングと組み合わせることが推奨されます。

メンタルコーチングとは?

メンタルコーチングの基本概念

 

メンタルコーチングは、アスリートの長期的な成長と成功をサポートするためのアプローチです。メンタルコーチはアスリートと密に連携し、個々の目標設定、モチベーション維持、自己効力感の向上を支援します。メンタルコーチングは、アスリートが自分自身の強みと弱みを理解し、自己改善を続けるための継続的なサポートを提供します。

 

メンタルコーチングの効果は、多くの研究で裏付けられています。例えば、メンタルコーチングを受けたアスリートは、自己効力感が向上し、競技パフォーマンスが持続的に改善されることが報告されています 。これは、コーチがアスリートの心理的ニーズに対応し、個々に適したサポートを提供するためです。

 

メンタルコーチングのメリットとデメリット

 

メンタルコーチングのメリットには、個々のアスリートに合わせたカスタマイズされたサポートが可能であり、長期的な成長を促進することが挙げられます。コーチとアスリートの信頼関係が深まることで、心理的な安心感が得られます。しかし、デメリットとしては、コーチとの関係性に依存する部分が大きく、適切なコーチを見つけるのが難しい場合があることです。

 

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会について

 

日本では、スポーツに特化したメンタルコーチングを提供する機関として、一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会(JSMC)が存在します。同協会は、スポーツメンタルコーチの育成と認定を行っており、信頼性の高いコーチングを提供しています。JSMC認定のコーチは、アスリートの心理的サポートに関する専門知識と技術を持ち、アスリートのパフォーマンス向上をサポートします。

メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違い

人には3つの心の状態がある

スポーツメンタルコーチ

 

人には3つの心の状態があると言われています。マイナス、ゼロ、プラスで分けられます。それぞれの専門領域をスポーツメンタルコーチがカバーしているのが特徴の1つであります。

 

アスリートが抱える問題は試合で最高のパフォーマンスを出し結果を出すだけではありません。人間関係、怪我、病気からの復帰、また、将来の人生設計(セカンドキャリア)まで多岐に渡って相談に乗ることがあります。

 

そこで、現役中のアスリートが心から安心、安全な環境だと思ってもらえるためにクライアントとの守秘義務を大事にしております。

 

メンタルコーチングの具体的な手法(概念)

スポーツメンタルコーチ

 

一般的な考え方としてコーチングとメンタルコーチングには大きな差があります。コーチングでは、その人が持っている知識や経験(リソース)を質問やワークを通じて引き出し新しいアイディアを想像するお手伝いをします。ただ、その人が持っている知識や経験に委ねられるためにコーチングとティーチングを交えた方が選手の成長が加速されると言われます。日本で初めてコーチングを広めたコーチエイ社での定義では以下のようになります。

 

 
「目標達成に必要な知識、スキル、ツールが何であるかを棚卸しし、それをテーラーメイド(個別対応)で備えさせるプロセスである」と定義しています。つまり、コーチングとは「自発的行動を促進するコミュニケーション」です。
引用・コーチエイ
 

 

メンタルコーチングでは、その人にとって心の足枷(ブレーキ)になっている思い込みのフタを取り除くことで目標に向かいやすいい自分になっていただくことを大切にしています。

 

アプローチの違い

 

メンタルトレーニングは具体的な技術を習得することに焦点を当てており、短期的な目標達成に向けたトレーニングが中心です。一方、メンタルコーチングは、アスリートの長期的な成長をサポートするための包括的なアプローチを取ります。コーチはアスリートと継続的に関わり、個々のニーズに合わせたサポートを提供します。

 

研究によれば、メンタルトレーニングは特定の技術向上に効果的である一方で、メンタルコーチングはアスリートの全体的なパフォーマンスと心理的健康を向上させることが確認されています 。これにより、アスリートは持続的な成長を遂げることができます。

 

メンタルトレーナーとメンタルコーチ|具体的な仕事

 
具体的にどんな違いがあるのか?そこで私がやっていることを具体的にお伝えできればと思います。選手をサポートする際に、契約を結んでもらいます。具体的な契約内容は体験コーチングを受けてくれた選手だけにお伝えしてますが、基本的には長期間のサポートをさせて頂いておりおます。そして、月に1回から2回、1時間ほどのスポーツメンタルコーチングの時間を作ってもらいます。

 

また、コーチングしない間は私が選手の結果を見ながら、LINEやメールを通じてコミュニケーションをとらせて頂いております。場合によっては練習や試合にもお邪魔して選手のリアルな空気感をともに共有させてもらっています。

 

ずっとサポートしている選手では6年以上の選手もおります。より具体的なサポートしている様子などは以下の書籍をご覧ください。

 

著書:一流をめざすメンタル術

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目標設定の違い

 

メンタルトレーニングでは、特定の技術や試合に向けた短期的な目標が設定されることが多いです。一方、メンタルコーチングでは、アスリートのキャリア全体を見据えた長期的な目標設定が行われます。コーチはアスリートの成長プロセスをサポートし、自己改善を促進します。

 

継続性の違い

 

メンタルトレーニングは、短期間での技術習得が中心であり、一時的なトレーニングセッションが多いです。対照的に、メンタルコーチングは継続的なサポートを重視し、コーチとアスリートの長期的な関係性を構築します。これにより、アスリートは安定した心理的サポートを受け続けることができます。

自分に合ったアスリートの支え方を選ぶポイント

個々のニーズに合わせた選び方

 

アスリートの個々のニーズに応じて、適切な支え方を選ぶことが重要です。短期的な技術向上を目指す場合はメンタルトレーニングが適していますが、長期的な成長と心理的サポートを求める場合はメンタルコーチングが最適です。

 

効果的な支え方の見つけ方

 

アスリートの特性や目標に応じて、メンタルトレーニングとメンタルコーチングを組み合わせることも効果的です。例えば、試合前の集中力向上にはメンタルトレーニングを、日常の心理的サポートにはメンタルコーチングを活用するなど、状況に応じたサポートが可能です。

まとめ

 

メンタルトレーニングとメンタルコーチングは、アスリートの心理的サポートにおいて異なるアプローチを取ります。それぞれの特性を理解し、自分に合った支え方を選ぶことが重要です。特に、一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会が提供するメンタルコーチングは、アスリートの長期的な成長と成功をサポートするための信頼性の高い選択肢です。自身のニーズに合わせて、効果的な支え方を見つけましょう。

 

引用論文一覧

メンタルトレーニングの引用論文

  1. Feltz, D. L., & Landers, D. M. (1983). The Effects of Mental Practice on Motor Skill Learning and Performance: A Meta-analysis. Journal of Sport and Exercise Psychology, 5(1), 25-57.

    このメタ分析は、メンタルトレーニングが運動技能の学習とパフォーマンスに与える影響を評価し、実際の動作と同様に脳が反応することを確認しています。
  2. Weinberg, R. S., & Gould, D. (2018). Foundations of Sport and Exercise Psychology. Human Kinetics.

    この教科書は、スポーツ心理学の基礎を解説し、メンタルトレーニングの技法やその効果について詳述しています。メンタルコーチングの引用論文
  3. Behncke, L. (2004). Mental Skills Training for Sports: A Brief Review. Athletic Insight, 6(1), 1-19.

    このレビューは、メンタルスキルとそのトレーニング方法に関する研究をまとめ、メンタルコーチングの重要性と効果を説明しています。

メンタルトレーニングとメンタルコーチングの比較に関する引用論文

  1. Bull, S. J., Albinson, J. G., & Shambrook, C. J. (1996). The Mental Game Plan: Getting Psyched for Sport. Sport Psychology Publishing Company.
    この本は、メンタルトレーニングとメンタルコーチングの方法とその効果を比較し、アスリートの心理的サポートについて詳述しています。
  2. Thelwell, R. C., Weston, N. J. V., & Greenlees, I. A. (2005). Defining and understanding mental toughness within soccer. Journal of Applied Sport Psychology, 17(4), 326-332.
    この研究は、サッカーにおけるメンタルタフネスとそれを支えるコーチングの役割を調査しています。

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