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メンタルはスキルなのか?

スポーツメンタルの世界では、

メンタルスキルという言葉があります。

スポーツメンタルコーチ

簡単にお伝えすると、

最高のパフォーマンスを発揮するために

メンタルを整える技術を手に入れる事になります。

 

メンタルトレーニングの世界で、

よく使われる言葉になります。

 

私自身が取り組んでいる方法は、

このメンタルトレーニングではなく

メンタルコーチングを採用しています。

 

似てひなる両者の違いを通じて、

メンタルはスキル(技術)なのか?

について綴っていきたいと思います。

 

メンタルトレーニングとメンタルコーチングの違いは何か?

 

結論から伝えると、

全く違うアプローチです。

 

そして、

メンタルトレーニングで得られる結果以上に

メンタルコーチングの方が効果的だと言わざるおえません。

 

その理由をお伝えする際に、

私の経験が強く影響しています。

 

2011年にうつ病を発症したからです。

そして自力で治す事になります。

 

精神科に通っていた時期もあるのですが、

薬物療法での怖さを知ったからです。

 

母親も何年も鬱で苦しんでいました。

そういった環境からこう思うようになります。

 

それが、

「メンタルはとても繊細なもの」です。

 

メンタルとは、

人の気持ちだと思っています。

 

凄く繊細であるからこそ、

丁寧に接していく必要があると思っています。

 

そして、

日本人は遺伝的にも気持ちを整える上で欠かせない

セロトニンの分泌が欧米人に比べて少ないと言われます。

 

もともとメンタルが不安定な遺伝を持ちながら、

技術でカバーする事って限界があリます。

 

つまり、

本当に追い込まれた選手ほど

ドツボにハマって抜け出せないのです。

 

そんな時に、

スキルでカバーできないのです。

 

そして、

メンタルスキルでカバーできない箇所を

スポーツメンタルコーチングでカバーできます。

 

では、

スポーツメンタルコーチングではどんなことをするか?

その一つに自分自身と向き合う時間があります。

 

これを内省と言ったり、

自己理解と言ったりします。

 

そして、

コーチングを通じて思い込みや

囚われていることから解放されることを目的にします。

 

思い込みとは一体何か?

 

例えば、

コップに黒い液体が入っています。

この液体はなんだと思いますか?

 

と聞かれた時に、

皆さんはどのように答えますか?

 

ある方はコーヒーと答え、

ある方は麺つゆと答えます。

 

他には墨汁、コーラー、イカ墨まで・・・

 

黒い液体という単純な情報だけで、

ここまで回答が増えるのです。

 

では、

この情報をさらに付け加えます。

 

それが、

「シュワシュワとした黒い液体」

 

すると、

ほとんどの人がコーラだと答えると思います。

 

それくらい、

私たちは物事を判断する際に

自分の持っている記憶に照らし合わせて判断します。

 

思い込みとは、

皆さんが物事を何か断定した瞬間に

生まれるものだと思ってください。

 

逆に言えば、

何か思い込んで生きていかないと

判断ができず行動できないことも意味します。

 

その典型が占いです。

占いがダメとは言いませんが、

心理学ではバーナム効果と言います。

 

占いによって決めてもらうことで

無意識に安心するのが人間なのです。

 

これも一種の思い込みの力です。

思い込む事は人間の持っている力でもあり、

思い込みによって間違った選択もします。

 

だからこそ、

私たちは普段から

どんなことを思い込んでいるのか?

どんな事を信じているのか?

どんな価値観を大事にしているのか?

 

常にセルフチェックする

必要があるのです。

 

これは、

もうスキルという次元を超えます。

 

「AをするとBになる」

そんな単純なことではないのです。

 

「スクワットすると大腿四頭筋が強くなる」

そんな簡単理屈でもないのです。

 

だからこそ、

メンタルトレーニングで

息詰まってしまう選手がいます。

 

もちろん、

丁寧に教えてくれる方が近くにいれば

違った結果になるのかもしれません。

 

しかし、

心の奥底にある価値観や信念、

さらにはその人にしかない思い込みがあると

なかなか行動は変わらないのです。

 

うつ病を経験し、

自力で治した経験があるからこそ強く感じます。

 

スキルでは

どうにもならない世界がある事を。

 

そして、

本当に大事なのは一人一人に寄り添える人が

この世の中にもっと増える事だと思っています。

 

アスリートの世界で置き換えて考えると、

こんな事例があります。

 

それが、

「メンタルトレーニングの限界を感じた話」です。

 

そういう選手ほど、

アスリートとして成熟している方が多いです。

 

長年競技を続けてきたアスリートに

多く見受けます。

 

トレーニングをやってもやっても、

結果が出なくなる感覚や変化を感じない自分自身がいました。

 

解説すると、

脳は順化することがわかっています。

 

ある特定の刺激を続けると

脳が慣れてしまう事を言います。

 

トレーニングも、

目に見えるような数値で管理されていればいいのですが

メンタルほど目に見えないものはありません。

 

選手に数値で表してもらうこともできますが、

選手の主観ほどあてにならないものはありません。

 

うつ病も、

主治医の問診などで診断されます。

最近だと血液検査でもわかってきてるそうです。

 

それだけ、

主観とはとても曖昧なものです。

メンタルとは数値化できそうで無理です。

 

メンタルトレーニングで一定の変化があっても、

メンタルトレーニングでの限界を感じます。

 

限界を感じるという事は、

選手自身が抱える思い込みが原因として考えられます。

 

この点をスポーツメンタルコーチングでは

徹底的にやっていくのです。

 

ここまでお話ししてきて、

メンタルトレーニングがダメだとはおもいません。

 

ただ、

メンタルトレーニングで上手くいかない人もいるのです。

 

その点を理解する上で、

メンタルとはスキルではない事を理解してもらえると幸いです。

 

最後までお読みいただきまして

ありがとうございます。

 

 

【このコラムの著者】

プロスポーツメンタルコーチ
一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人

 プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

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