団体競技と個人競技でのメンタル違い
団体競技と個人競技。
サポートしている中で
その違いを感じることがあります。
その一方で、
個人競技は団体競技にはない
ものがあると思いがちです。
それが、
「チームワーク」です。
しかし、
多くの選手のサポートを通じて
どうやら個人競技も団体競技も
あまり差がないと感じる事があります。
もちろん、
試合における差はありますが
試合までの過程には差を感じません。
だからこそ、
個人競技だから・・・とか、
団体競技だから・・・ではなく
互いの共通したメンタル面について
綴っていこうと思います。
目次
- 個人競技と団体競技の違いはない
- 関係性の質が結果の質に影響する
- 関係性の質を高めるには?
- 信頼関係が何よりも大事になる
- まとめ
個人競技と団体競技の違いはない
細かな点を言えば、
個人競技と団体競技に違いはあると思います。
しかし、
本質的なところを言えば、
双方に違いはないと思います。
ただ、
チームワークが必要な
サッカーやラグビーは1人1人の差の積み重ねが
結果に繋がってくることはあります。
それはあくまでも技術や体力の差の話であり、
メンタル面では差はないと思っています。
なぜ違いがないか?
その理由の一つに個人競技も
団体で動いているからです。
皆さんにとって馴染みがあるのが、
チームケイです。
テニスの錦織圭戦選手を支えるコーチ陣を
チームケイと言われます。
錦織圭選手を支える人たちの中には
マイケル・チャンを筆頭にフィジカルコーチ、
栄養士、ヒッティングパートナー、マネージャー。
さらにはご家族や奥様もいると思います。
個人競技であっても、
個人を支える人たちはたくさんいます。
私自身、
個人競技の選手を支える際に、
チームケイのような形でフォローしてます。
オリンピックの個人競技選手もサポートして
感じることがあります。
それは、
個人競技であっても団体競技であっても
求められるメンタルは一緒なのです。
その中でも相手を思いやる気持ちが
あるかないかでチームの結果は変わると思っています。
関係性の質が結果の質に影響する
そこでご紹介したいのが、
ダニエルキムの組織の成功循環モデルです。
マサチューセッツ工科大学の
ダニエル・キム教授が提唱していたものです。
成功循環モデルとは、
組織に成功をもたらす基本的な考え方です。
組織の循環モデルには、
グッドサイクルとバッドサイクルがあります。
バッドサイクルは、
結果だけを求め「結果の質」を
向上させようとすることから始めます。
しかし、
なかなか成果が上がらず
「結果の質」が低下します。
対立や押し付け、
命令が横行するようになり
「関係の質」が低下します。
「関係の質」が悪化すると、
考えず受け身になってしまいます。
仕事がつまらないと感じてしまい
「思考の質」が低下してしまいます。
受け身なので、
積極的に行動しなくなります。
そして「行動の質」が
低下して成果が上がらなくなります。
だから「結果の質」が
さらに低下してしまいます。
停滞していたりなかなか
成果の上がらない組織は、
バッドサイクルに陥ってしまうのです。
なので、
関係性の質を高めていきたいのです。
この関係性の質については、
団体競技だけでなく個人競技も必要なのです。
関係性の質を高めるには?
結果を高めるためには、
関係性の質の向上が必要です。
ではこの関係性の質を高めるには
どのような方法があるのでしょうか?
そこでご紹介したいのが、
「褒める」ことです。
しかし、
嫌われる勇気で人気を博したアドラー心理学では
人を褒めない方がいいと言われています。
アドラー心理学では、
「褒める」ことを徹底的に否定しています。
それどころか「叱る」ことも、
そして「教える」ことさえいけないといいます。
なぜ、
人を褒めてはいけないのでしょうか?
褒めることは
相手の自律心を阻害します。
褒められることで依存する人間をつくり
出してしまうことになるからだとアドラーは主張します。
「もう一度褒められたい」と願うことは、
すなわち褒められることへの依存です。
褒められることばかりやろうとする姿は
自律性を欠いた状態にほかならないからです。
しかし、
それは私から言わせたら「正しい褒め方」を
知らないだけだと思っています。
というのも、
人は結果だけ褒められるアドラーの言う通り、
褒められることへの依存が生まれます。
しかし、
褒め方を知っているとそうならず、
むしろ成長を促すことがわかっています。
ではどんな褒め方が効果的かというと、
「過程を褒める」ことだと言われています。
つまり、
上手くいく人は結果ではなく、
過程を認めることができます。
逆に結果が出ない人ほど、
過程すら褒められないので自尊心が
まったく芽生えることがありません。
つまり、
なかなか自信が生まれないし
チャレンジもしません。
チャレンジもしないから、
成長もありません。
成長もないから、
成長に相応しい結果も生まれません。
過程を認めることができなけば、
結果は生まれないのです。
信頼関係が何よりも大事になる
関係性の質を高めるためには
どうしたら良いのでしょうか?
そこで私が実際にチームに
携わる時に意識していることをお伝えします。
その一つにあるのが、
信頼関係の構築になります。
チームには私以上に実績や年齢が
上の人がいたります。
毎回、
チームを結成する時には
ドキドキする瞬間です。
チームによっては
選手の次に最年少になることも・・・
メンタルコーチが最年少・・・
舐められてはいけない!と思いがちですが
そこは素直に実績や目上の人の意見に
ちゃんと耳を傾ける自分がいます。
どれだけ科学的に知ってることがあっても、
現場の経験ほど価値あるものはありません。
だから、
意地を張って科学的にどうこうの前に、
素直に先輩の意見を大事にしています。
正しいか正しくないかの前に、
お互いがちゃんと意見を述べることが
出来る環境作りに徹した方がいいと思っています。
そのために、
私がチーム結成時に必ず行うのが
「クレド作り」になります。
クレドとは「信条」という意味です。
わかりやすく言えば、約束事です。
部訓や社訓、ルール、で
言い表すことができます。
実はこのルール作りが
めちゃくちゃ肝になります。
なぜならば、
必ずといっていいほど
チームは混乱期があるからです。
穏やかな波があるとは限らないように
荒波だってあります。
チーム内でギクシャクした関係が
起きるのは普通です。
むしろ、
平静を装って何事もないような組織ほど
怖いものはないと思っています。
だからこそ、
言い合える環境だけでなく
言い合ってもちゃんと仲直りできるような
ルールを事前に作っておくことが大事になります。
これが出来てないと、
混乱期に修正不可能なまでにバラバラになってしまいます。
信頼関係があればあるほど、
本音で喋れるのです。
そのためにも、
関係性の質はとても大事になってきます。
まとめ
団体競技も個人競技も
求められるメンタルは大差ないことを
お伝えしてまいりました。
求められるスキルやフィジカルは
当然違ってくると思います。
しかし、
どの競技であっても
本質的なところは変わりません。
私自身が野球という競技を通じて、
団体競技にみえて個人競技であったことを
痛感していきてきました。
野球ではピッチャーをしてました。
ピッチャーほど特殊なポジションはないと思います。
なぜならば、
ピッチャーの出来次第で勝敗に
大きく影響を与えるからです。
しかし、
ピッチャーの出来を左右するのは
守ってる野手ではありません。
野手の影響なんて
あまりないと言っても過言ではないです。
これは投手を経験した事がある人ほど
共感してくれると思います。
それだけ団体競技なのに
孤独なポジションであったのです。
だからこそ、
個人競技であっても団体競技であっても
大差がないと思ってしまう自分がいます。
それぞれの違いを思う以前に、
どの競技であっても大切なのは
相手とのコミュニケーション能力です。
そして、
信頼関係をしっかりと構築できれば
結果の質は自然と変化してくると思います。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。