TOP CONTACT

「自分の夢を重ねて、選手たちと共に世界を目指す」相沢裕樹さんのスポーツメンタルコーチングへの想い

スポーツメンタルコーチ資格講座卒業生インタビュー第34弾

 

??今回の主役は当資格講座第14期の卒業生であり、現在は鍼灸師兼スポーツメンタルコーチとして活動している相沢裕樹さん。学生時代は陸上競技の道に進み、将来はオリンピック選手になるという夢を胸に競技に励んできましたが高校2年生の時に筋断裂という大きな怪我から挫折し競技を引退。それから一時期スポーツを嫌いになったもののオリンピック出場の夢を持ち幼少期から関わってきたスポーツから離れられることができず、自身の経験を活かして身体面から選手をサポートをしようと決めて専門学校に進学し鍼灸師の資格を取得しました。

 

専門学校卒業後は千葉県にある整骨院グループでの勤務を通して修行を積み2018年に独立。地元の茨城県で治療院を開業しました。そして多くのトップスポーツ選手を治療していく中で身体面のみでのサポートでは限界を感じたことをきっかけに当資格講座を受講しました。講座卒業後の現在はスポーツメンタルコーチングと身体のケアの両軸で、陸上選手を中心にサポートしている彼にスポーツメンタルコーチングへの想いと資格講座の経験談を尋ねました。


 

身体面だけではなくメンタル面でも辛い思いをしている選手をサポートしたい。スポーツメンタルコーチになるきっかけとは

-相沢さんがスポーツメンタルコーチングに興味を持ったきっかけを聞かせてください。

以前整骨院グループに勤めていた頃の話に遡るのですが、整骨院で働き始めた翌年に支店を立ち上げることが決まり突然その新店舗の代表を任されることになりました。当時まだ23-24歳で経験も乏しい中での出来事だったので「これはやばい!」ということになり、店舗を経営していくためにどうしたらお客さんに「また来たい!」と思ってもらえるのかを突き詰めていきました。そんな中でお客さんの思考の部分へのアプローチから心理学に興味を持つようになりました。

 

その後数年経ってトレーナーとしても学生選手をサポートする機会が増えていく中で選手たちのメンタル面の苦労をよく目にするようになりました。また自分がサポートしていた選手は主に陸上競技で個人競技であるため、選手たちが個人で対処しないといけないことも多くメンタル面での辛い思いをしている選手も多かったんです。そんな彼らの姿を見ている中で、なんとか自分がメンタル面でのサポートをできないかと考えるようになりスポーツメンタルトレーナーやスポーツメンタルコーチに興味を持つようになりました。

 

そのような思いになり始めたタイミングでたまたまTwitterのタイムラインに颯人さんのツイートが上がってきたのでそれからフォローするようになりました。2017年頃に颯人さんの最初の著書が上がるとツイートで知った時はその場で即買いしたこともよく覚えています。

 

-当資格講座への受講を決めたきっかけは何だったのでしょうか?

颯人さんの本を購入した時は資格講座を受けようとは思っていなくて、自分の知識をつけるために読書の一環として本を利用していました。ただ2021年頃から治療院にトップ選手も来てくれるようになり彼らをサポートをしている中で身体面だけでは限界があると感じるようになっていきました。

 

それがきっかけになり、本格的にメンタル面でのサポートができるように資格を取り学びを深めようと決めました。そしてスポーツメンタル関連の協会について調べていく中でたまたま颯人さんホームページが出てきて資格講座を開いていると知りました。元々Twitterや本で颯人さんについて知っていたこともあり受講したいと思ったので、もう体験セミナーも受けずにその場で資格講座に申し込みました。
 

僕が突然申し込んだことには颯人さんも驚いていたようで、申込み後に「少しお話ししませんか?」と颯人さんから連絡があり「どこかで会ったことありますか?」や「面識の無い方から直接資格講座に応募されるのは珍しいのですがどうしたのですか?」みたいな話をしたのが颯人さんとの出会いでしたね。

実際に資格講座を受けてみて感じたこと

-実際に資格講座を受けてみてどうでしたか?

僕が元々イメージしていたスポーツメンタルコーチングは、試合で緊張してしまう選手に対してその緊張してしまう状況をイメージしたさせた上で「私ならできる!」ということを伝える半ば根性論的なことを行うものだと思っており、そのような内容に関する方法を学ぶ場だと思っていました。そう思っていたところ颯人さんが開口一番「そのようなことを続けていたら選手がそのうち潰れます。」と仰られたので自分の想像していたことと大きなギャップがあることに驚きました。

 

そして実際に講座を受けていく中でこんなに自分に向き合う講座なんだと実感しました。今までここまで自分に向き合う機会もなかったので、自分の人生で起きた今までの出来事についても良い振り返りになりましたし、自分の中の色んな情報が整理された印象がありました。

 

-資格講座のワークや颯人さんの話で印象に残っているものはありますか?

「ろうそくと画鋲とマッチの入ったケースを使ったワーク」がとても印象に残っています。このワークでは自分の中にバイアスがあることを理解した上で、そのバイアスを一度クリアにして物事を俯瞰して見ることの大切さを学ばされました。自分の凝り固まった考え方を変えるきっかけをくれたワークになりました。

 

また颯人さんのお話では、スポーツメンタルコーチとして活動していく中で「まずは自分が成長して相手のお手本になれるような人間にならないといけない」と教えて頂いて、コーチである以前に一人の人間としてどうあるべきかが大事ということを学ぶことができたので、その一言がすごく心に刺さっています。

 

-そのような講座の中で相沢さん自身の成長に繋がったことはありましたか?

講座云々以前の話になってしまいますが、僕は元々新しいコミュニティに入ることがとても苦手だったんです。学生時代の飲み会にもほぼ行ったことないくらい集団自体がすごく嫌いでした。そういう意味では講座という人が大勢いる空間に行くこと自体がチャレンジでした。
 

そして資格講座の内容で「思い込みの蓋を外す」というペアワークがあり、改めて自分が嫌なことだと思っていた「新しい人たちの集団に入ることへの苦手意識」にフォーカスしたコーチングを同期の受講者にして頂いて、自分の過去の経験や思い込みに向き合わせられた中で何が原因かが見えてきました。

 

同時にこのままではいけないという思いにもなりそのワーク内で自分のことを発言する機会も相まって、そのワーク以降は自主的にそういう集団がいる場にも参加できるようになったので自分の成長を感じることができた内容でした。
 

-そんな集団が苦手だった相沢さんが資格講座受講を決めた時はそこに苦手意識はなかったのでしょうか?

正直勢いでした(笑) 講座の申し込みをしてから「あ、そういえば他の受講生もいるんだよな」と気づきました。あの時の自分の背中を押したのは興味本位と勢い、そして何よりこの講座の内容が僕のサポートしている選手たちのために絶対なるという自信でした。そういう意味では集団ということを忘れるくらいの興味や思いがあれば踏み出せることも経験しましたね。

 

 

-ちなみに一緒に講座を受けられた同期の受講生は相沢さんにとってどのような存在ですか?

正直最初はただ会場にいる別の受講生という感じで関わりはあまりなかったのですが、最初のワークから他のメンバーとグループになったり、一対一でコーチングをしたりと時間を過ごしていく中で最初はただ同じ空間を共有する受講生だったのが一緒に学んで成長していける仲間のような存在に変わっていきました。
 

卒業後はLINEグループに招待してくれたり定期的な勉強会やセッションも行ってくれていますが、なかなか本業との関係上参加できないことが多いのが残念です。ただFacebookなどのSNSは繋がらせて頂いていて、彼らの投稿内容を見ていると勉強になることや新しい考えをもらえるきっかけがたくさんあるので自分の新しい世界を広げてくれる貴重な存在になっています。


 

自身が挫折を経験しているからこそできる。本当の意味で選手たちへに寄り添ったサポート

-最近の実績や活動状況についても聞かせてもらえますか?

現状は変わらず治療院での業務を本業として活動していますが、2021年から選手のサポートが増えてきて大会会場へ帯同することが多くなりました。最近ではサポートしている陸上選手の中から日本記録を出した選手がいたり、今月(2023年2月)のアジア室内陸上に参加する選手が出るようになって目に見えるような形で彼らの結果に繋がっていて非常に嬉しいです。

 

ただ陸上競技では目標がタイムだったり設定しやすい明確な指標で出すことができる一方で、選手たちがどう設定しているかを聞いてみるとコーチや監督と2~3分で決めていることが多いんです。そこで深掘りしながらそのタイムや目標について話を聞いていくと、選手自身はあまり乗り気じゃなかったり本心で立てた目標ではない、ある意味いい加減に決めた目標である場合が非常に多いことに気が付きました。

 

そこで特に役に立ったのが資格講座で行った「目標設定のワーク」です。改めてこのワークの内容を使って選手たちの本当に目指しているゴールに向けた目標設定を一緒にできたことが彼らの結果に繋がっているんだと考えています。

 

-選手たちと向き合う上で意識していることはありますか?

選手たちの心理として自分たちの目標に不安を持っている場合が多く、まだ実績のない自分がこんなに高い目標を持っていて良いのかだったり、モチベーションが低いから目標も低めに設定しているという選手が結構います。

 

そういった不安に思っていることを僕に相談して来てくれるのですが、自分としては絶対に彼らを否定しないということを意識しています。当然否定から入ると本心のことを話しにくくなりますし、彼らの考えていることや自分自身で決めた目標設定の全てが彼らのオリジナルなもので素晴らしいということを伝えながら全部どんなことでも受け止めるようにしています。

 

-その後サポート選手たちに何か変化は現れていますか?

選手たちから「相沢さんのおかげで自分としっかり向き合えるようになってちゃんと練習が積めるようになりました。」という声も頂きますし、治療院には大学チームの選手も大勢来てくれているので彼らの進捗を伺いながら常に向き合っています。またコーチングを受けて一緒に目標設定した選手については周りの人からも「最近変わったね」と声をかけられることが多いと良く耳にします。

 

-ちなみに陸上競技以外の選手もサポートされていますか?

メインは陸上競技なのですが、昨年からアルペンスキーの高校生と大学生の選手をサポートするようになりました。彼らは元々治療院に来てくださる患者さんつながりで紹介して頂き、身体の治療からさせてもらっていたのですが、話を聞いていく中でメンタルサポートもして欲しいという話になりコーチングもするようになりました。

 

そんなアルペンスキー選手をコーチングする中で僕が感じたことは、陸上競技と一緒の個人種目という点に加えて外傷が他のスポーツに比べて大きいことでした。そのため一度怪我をすると長い期間競技から離脱しないといけない一方で、目標としていた大会がどんどん迫ってくるというプレッシャーが選手のメンタル面に大きな負荷があります。僕は怪我をしてしまった選手には現状にどう向き合うのが自分にとって良いことなのかを気づいてもらえるようなコーチングを意識しています。

 

-そんな様々な選手をコーチングをサポートしている相沢さんの強みはどこにあると思いますか?

僕自身が選手として挫折と失敗を経験していることが自分の強みだと思っています。特に僕は身体を診る立場の人間である一方で、当時は怪我が原因でメンタルが疲弊し挫折してしまいました。

 

そういう意味でも自分自身が怪我を通した挫折を経験していることは選手にも寄り添う上で強みだと思いますし、今の知識を持って当時に戻れていたら挫折せずに立ち直ってトップを目指せただろうなと思っているので、今同じように辛い思いをしている選手に対して適切なサポートができる自信があります。

 

-コーチングは治療院にいらっしゃる一般のお客様にも活用されていますか?

最近は経営者の方も治療院によく来ていただくのですが、「プレゼンでどうしても緊張してしまうのですがどうしたら良いですか?」という相談は受けることもあります。とりわけ社員や社員のご家族の運命も左右するほどの大きな商談のプレゼンでは心臓がバクバクになってしまうという内容だった時はまさに選手のコーチングと同じ方法でお伝えさせて頂いたところ、無事に良い緊張感を持ってプレゼンに挑めたというお言葉も頂けました。

 

-資格講座でスポーツメンタルコーチングを学んだことで相沢さんが感じた自分の変化はありましたか?

コーチングをする以前に人の話を聞くことが上手になりました。今までは上辺だけの薄い内容だった会話が、どんどん深掘りして聞いていけるようになったので講座の内容をしっかり活用できているのではないかなと思っています。

 

また会話の中でいろんな考え方を肯定できるようになりました。以前は自分の考えと違うものに対して壁を作っては否定して「違うでしょ!」って反論しがちだったんですが、今では自分のバイアスを外して一歩引いたところから客観的に相手の話や考えを受け入れることができるようになりました。

 

あとは物事のバックグラウンドを少し考えられるようになりました。例えばニュースでとある事件があった時にどうしてそのようなことが起きたのかを考えてみたり、物事に対して「なぜ?」ということを意識するようになりました。こういったことが自分の中で変化したことだと思います。

今後の目標と資格講座を検討している方へ一言

-相沢さんの今後の目標を聞かせてください。

スポーツは「心・技・体」のそれぞれをレベルアップさせていくことが競技力の向上に必要となります。そのためのサポートについての話になりますが、「技」の部分では僕自身競技歴も短ければ、そこに対しての知識も学んできていないのでこの分野は他の専門家に任せたいと思っています。

 

その一方で「体」の部分はプロフェッショナルなので自信を持ってサポートし続けたいと思いますし、「心」の部分もスポーツメンタルコーチをプロとして活動できている方はまだまだ少ないと思っているので、自分自身がレベルアップしていきながら「身体とメンタルの両方」を専門的にサポートできる特殊なスポーツトレーナーになりたいと思っています。

 

その活動の中でまずは日本のトップを目指していてその後世界に出ていきたい選手たちをサポートしたいと思っています。なぜなら僕自身が元々オリンピックや世界陸上を目指して競技に取り組んできた経験もあるので、当時の自分と同じような思いを持った選手をサポートできたらとても幸せだなと思っているからです。現時点でも既に世界に出ている選手をサポートできているので嬉しいのですが、今後も1人でも多くの選手が世界に出ていってくれたら嬉しいなと思います。

 

-最後に資格講座を検討している方へ一言お願いいたします。

一言でまとめるのであれば「善は急げ。」ということを伝えたいです。

 

僕が陸上選手をサポートしている中で、彼らがよく悩むこととして「最後の一本を走るかどうかどうしよう」という悩みがあります。僕に対してそんな時に走るべきか止めるべきかをよく質問されることもあるんですが、僕は「もしもう一本走ろうと思っているなら行きなさい」でも「やめようかなって思っているなら怪我をするからやめなさい」って伝えています。なぜなら実際にやめようと思っている時に最後の一本を走る選手は大体怪我するのでネガティブな思いを持っている時には良いことがないんです。

 

でも逆にポジティブな思いを持っている場合にはその思いに従って進んだほうが良いことが陸上競技の場合は多いので資格講座に関しても同じことが言えると思っています。なのでもし自分が良かれと思っている上で迷っているなら悩む前に行動に移して欲しいです。

相沢裕樹さんのプロフィール

 

茨城県出身の鍼灸師兼スポーツメンタルコーチ。学生時代は子どもの頃から足が速かったことをきっかけに陸上競技の道に進み、将来はオリンピック選手になるという夢を胸に競技に励んできたが高校2年生の時に筋断裂という大きな怪我から挫折し競技を引退。それから一時期スポーツを嫌いになるもののオリンピック出場の夢を持ち幼少期から関わってきたスポーツから離れられることができず、自身の経験を活かして身体面から選手をサポートをしようと決めて専門学校に進学し鍼灸師の資格を取得。卒業後は千葉県にある整骨院グループでの勤務を通して修行を積み2018年に独立し地元の茨城県で治療院を開業。そして多くのトップスポーツ選手を治療していく中で身体面のみでのサポートでは限界を感じたことをきっかけに当資格講座を受講。講座卒業後は陸上選手を中心に様々な選手と治療院に来る患者さんをスポーツメンタルコーチングと身体のケアの両面からサポートしている。

 

Interview and Edit by 畠山 大樹

 

 

次回のスポーツメンタルコーチ資格講座のご紹介

 

スポーツメンタルコーチ

 

スポーツメンタルコーチ資格講座は「日本スポーツメンタルコーチ協会(R)」にて発行されている資格です。One Athlete,One Mentale coachの理念を掲げスポーツメンタルコーチの普及に力を入れております。
 

 

 

 

その他のおすすめ記事

「スポーツメンタルコーチとしてゴルフ界の火付け役に」寺嶋慶介さんのスポーツメンタルコーチングへの想い スポーツメンタルコーチ資格講座‥ 続きを読む
「世界最高のスポーツメンタルコーチになり、スポーツで地元を活性化させたい」柳澤涼さんのスポーツメンタルコーチングへの想い スポーツメ‥ 続きを読む
「スポーツメンタルコーチングで子どもたちの可能性を引き出す指導者に」赤石祐加さんのスポーツメンタルコーチングへの想い スポーツメ‥ 続きを読む