チームが成長するための「4つの階段」とは?
「なぜ、うちのチームはまとまらないのか?」 その答えは、心理学者ブルース・タックマンが提唱した「タックマンモデル」を知ることで明確になります。
チームが結成されてから機能するまでには、必ず通るべき4つの段階があります。
- 1. 形成期(Forming):出会いの時期 メンバーがお互いを知り、探り合っている段階です。「猫をかぶっている」状態とも言え、表面上は穏やかですが、本音は見えません。
- 2. 混乱期(Storming):本音の衝突 ここが最も重要です。慣れてくると「あいつのやり方はおかしい」「俺はこうしたい」という自我が芽生え、意見が衝突します。多くのチームはここを恐れて避けますが、実はこの「混乱期」を経験しないチームは強くなりません。
- 3. 統一期(Norming):ルールの確立 衝突を乗り越え、お互いの強みや弱みを理解した段階です。「このチームで勝つためにはどうすべきか」という共通のルールや役割が明確になり、信頼関係が生まれます。
- 4. 機能期(Performing):成果が出る 阿吽の呼吸でプレーができ、チームとしてのパフォーマンスが最大化されます。メンバーがお互いを補完し合い、目標達成に向かって自走できる状態です。
「混乱期」を避けるチームは勝てない
私が特に強調したいのが、2番目の「混乱期(Storming)」です。
多くの新チームは、喧嘩や対立を「悪いこと」と捉え、見て見ぬ振りをします。しかし、本音のぶつかり合い(膿を出し切ること)がないまま進むと、表面だけの「仲良しチーム」になり、苦しい試合展開になった瞬間に崩壊します。
弱小チームを脱却するには、この「混乱期」を意図的に作り出し、そして正しく乗り越えることが運命を分けるのです。
新チームになったら意識すべき4つのポイント
では、混乱期を乗り越え、いち早く「機能期」へ進むためには何が必要か?選手たちに意識してほしい4つのポイントがあります。
- ① チーム独自の「文化」を理解する 「うちのチームらしさ」とは何か?勝ち負け以前に大切にしている価値観やルールを全員が理解し、チームの一員としての自覚を持つことから始まります。
- ② ベテランが「リーダーシップ」を示す 経験豊富な選手が、プレーだけでなく「姿勢」で方向性を示すこと。言葉だけでなく背中で語るリーダーの存在が、迷える新入生や若手の指針になります。
- ③ 「量」より「質」のコミュニケーション ただ仲良く喋るだけでなく、プレーに対する厳しい意見交換ができるか。互いの能力を最大限に活かすための「建設的な議論」を恐れないでください。
- ④ 「目標」を解像度高く共有する ただ「優勝したい」ではなく、「そのために今日何をするか」まで落とし込まれた目標が必要です。全員が同じ景色を見ているチームはブレません。
チームビルディングを「自分たち」でやってはいけない理由
これらを実行するために「チームビルディング(合宿やミーティング)」を行うチームは多いです。しかし、自分たちだけでやろうとすると、大抵うまくいきません。なぜなら、「チーム内の人間関係(先輩・後輩、監督・選手)」が邪魔をするからです。
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後輩は先輩に本音を言いにくい
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監督がいると選手は優等生な発言をしてしまう
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特定の影響力が強い選手の意見に流される
これでは、本音を出し合う「混乱期」を正しく乗り越えることはできません。
外部メンタルコーチを入れるメリット
そこで、私たちのような「スポーツメンタルコーチ」の出番となります。 第三者が介入することで、以下のような効果が生まれます。
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中立性の担保: 利害関係がないため、全員がフラットに発言できる場を作れます。
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専門的な視点: 感情論ではなく、組織心理学に基づいた解決策を提示できます。
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安全な「混乱」の演出: ファシリテーションによって、チームが壊れることなく、安全に本音をぶつけ合えるよう導きます。
「混乱期」を恐れず、雨降って地固まる状態を作れるか。 それが、新チームが弱小から脱却し、ジャイアントキリングを起こすための最短ルートなのです。
新チームの運営に不安がある指導者の方は、ぜひ一度、外部の専門家の力を借りることも検討してみてください。