目次
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歴代3位の年俸アップ率の宇田川優希選手
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人見知りでも活躍できる理由
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目指すのは”日本の絶対的クローザー”藤川球児選手
歴代3位の年俸アップ率の宇田川優希選手
埼玉県越谷市出身の宇田川優希選手。日本人の父とフィリピン人の母のもと5人兄弟の3番目として生まれ育ちました。野球を始めたのは小学校2年生の時、兄の影響で少年野球チーム”宮本ジャイアンツ”に加入したことがきっかけでした。
埼玉県立八潮南高等学校に入学した際に投手へ転向。高校最後の夏、埼玉県予選1回戦では完封勝利を果たしました。3回戦で延長15回の末に引き分けとなりましたが、強豪校である正智深谷高校を15回2失点に抑える好投します。再試合で敗北し甲子園出場となりませんでしたが、プロスカウトも宇田川優希選手を見に来るほど実力を評価されました。
その後、練習試合で対戦した帝京高校の監督の薦めで仙台大学へ進学。1年生の春からベンチ入り、3年生春の成績は、5試合で2勝1敗、35奪三振、防御率0.64の安定感ある成績を残しました。
秋には規定投球回に到達し、4年生で少し調子を落としながらも大学時代の記録として最速152キロ、平均140キロ台中盤と大きな爪痕を残した宇田川優希選手でした。3年時にはドラフト1位の呼び声も高かったのですが、結果的にオリックス・バファローズから育成ドラフト3位で指名を受けました。
支配下枠指名でない場合はプロに入団ではなく社会人野球に進むことも考えましたが、同じ仙台大学の先輩にあたる佐藤優悟選手からチーム環境が良いことを聞き、年俸240万円の支配下登録でオリックス・バファローズに入団することを決意しました。翌年には450万円アップ、3年目には1250万円アップの1700万円と、入団から3年で年俸が7倍になりました。
オリックスの大先輩でメジャーリーグでも活躍したイチロー選手、埼玉西武ライオンズの平井克典選手に次ぐ日本球団歴代3位の凄まじい年俸アップ率を記録したのです。
人見知りでも活躍できる理由
育成ドラフト3位で指名され、オリックスバッファローズでスタートした宇田川優希選手のプロ野球人生。同じハーフで投手であるダルビッシュ有選手から多くのことを学び、影響を受けてきました。
2023年に開催されたWBCの合宿初日には、ロッカールームに1人でいたという宇田川優希選手。大人しい性格だと知っていたオリックスのチームメイトである山本由伸選手が「キャッチボールやろう」と声をかけるとそのまま”由伸にくっつく作戦”で人見知りっぷりを発揮していたのだそうです。
そんななか合宿と共にスタートさせたのが課題の減量でした。投手としてパフォーマンスを落とさないための重要な計画をチームから課されていました。しかし、食べることが大好きでオリックス・バッファローズでも屈指の大食漢と言われる宇田川優希選手にとって最大の難所とも言える大きな試練でした。減量のためには、大好きな揚げ物やケーキを控えるしかありません。
そんな時、初ブルペンで一人だけ顔を見ていなかったことを心配して声をかけてくれたのがダルビッシュ有選手でした。減量メニューの確認があったことを話すとそのメニューも見てくれたそうです。そして掛けられた言葉は「あまり自分をいじめすぎないように優しくね」というものでした。決して”頑張れよ”などのようにありふれた言葉ではなく、逆の意味のように聞こえたその言葉がとても響いたと言います。
「どうしていいかわからない時期でもあったので少し気持ちが楽になりました」と心が救われたことを話した宇田川優希選手。練習中にもお腹を触って「別に太ってないやん」と軽いスキンシップと笑いも交え、気持ちを和ませてくれたこともありました。
厳しい減量の試練中に宇田川優希選手が楽しみにしていたのが、ダイエット中でも好きなものを自由に食べれる日”チートデイ”。投手陣の食事会でしたが、これをダルビッシュ有選手が”宇田川会”や”宇田川さんを囲む会”と命名しSNSに投稿しました。
減量中の後輩を勇気づける粋な優しさが溢れているようでした。宇田川優希選手もせっかくのチートデイだからと胃袋を解放し、特にデザートのバニラアイスが美味しくおかわりまで頂きました。1個目、2個目と食べ、さすがに3個目は恥ずかしいという思いから隠しながら食べていたそうです。
ダルビッシュ有選手から「宇田川くん、デザートおかわり大丈夫?」と聞かれ「あ、持ってます」と応えるとその場には笑いが起きました。先輩のアシストにより、食事会を機に他の皆の心を鷲掴みにできたのです。宇田川優希選手のみならず、他の投手陣たちをも和ませたダルビッシュ有選手。どの競技であっても安心できるものは、経験者である指導者や先輩からの言葉です。
アスリートにとって気持ちが重く気乗りしないような時期でも場の雰囲気を和ませてくれるような存在は、何よりも救われるもの。自他共に人見知りで大人しい性格だという宇田川優希選手でも気持ちが前向きになれることで野球でも活躍することができているのです。
目指すのは”日本の絶対的クローザー”藤川球児選手
「あいつは努力をしていない。ハーフだから球が速い」と陰口を言われてきた宇田川優希選手。もちろん生まれ持った身体的なメリットはありながらも精一杯努力もしていたため「自分はそうじゃない」と腹が立ちました。しかし「そう言われても自分の特長を活かそう」と強いメンタルで乗り越えてきました。
入団1年後には、最速158キロ、防御率0.81を記録。240万円だった年俸も入団3年後には7倍にアップしました。全日本にも選ばれ、投手陣のムードメーカーとしても存在感を発揮しています。
ダルビッシュ有選手からも「手の届かないところに行ってしまった」と褒められるほど仕上がった投球には本人も自信を持つことができました。山本由伸選手が先発で日本のエースならば、自身はクローザー。目指すのは、”絶対的クローザー”と呼ばれた藤川球児選手だそうです。
「いつかは日本のクローザーと呼ばれる投手になりたいと思います」そう話した宇田川優希選手。天性の素質と潜在能力を持ち合わせ、160キロのストレートと落差の大きいフォークが武器の投手です。将来日本に欠かせない絶対的な守護神として成長することが期待されています。
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