メンタルを変えたいなら言葉を変える
メンタルと言葉
年間で1000人以上のスポーツ選手のメンタル面をサポートしてます。選手の中には引退間際だった柔道選手が全日本で優勝したり、引退間際のソフトボール選手が自己最高の結果をだしたり、ある陸上選手はオリンピックの舞台で自己ベストを更新したり、「崖っぷちのメンタルから最高の結果」に引き出すために言葉を大切にするスポーツメンタルコーチングを行なって9年目のキャリアになります。
言葉とメンタル
多くのスポーツ選手がメンタル面において悩みを抱えています。その多くが試合でベストパフォーマンスが出せるか不安であったり、緊張しすぎて実力を発揮できない話であったり、本来の力を素直に出せれば勝てるはずなのにと思っているスポーツ選手は多いと思います。
私自身、彼らの気持ちが凄くわかります。ずっと野球をしていました。野球を通じて多くの経験をさせていただきました。その中でも周りの仲間や指導者、コーチ、監督からは常にメンタルが弱いと揶揄され続けたスポーツ人生でした。そんな私の当時のポジションはピッチャー。
野球の花形のポジションであり、試合の結果を左右する重要なポジションです。調子がいい時は本当にいいのですが、悪い時は本当に悪い状態が続きます。終いにはストライクが入らないような状態になりました。
当時はまだイップスという言葉ありませんが、まさにイップスだったと思います。そんな私をみかねて、周りは「もっとメンタルを鍛えろ!」「お前は根性がない!」最後は「試合前に気合いれてやる!」というビンタをもらって試合に挑む現役時代でした。
そんな結果では当然のように野球というスポーツに対して面白いと思えない気持ちに。次第に野球が嫌いになりかけていた自分がいました。
そんな自分を変える一つのキッカケが臨時コーチの存在です。この臨時コーチは怒ることもなく、叱ることもなく、野球の楽しさを思い出させてくれたコーチでした。ピッチャーに限らず、ファーストや外野を守らせてもらい野球ってこんなに楽しいものだと思い出すキッカケをもらいました。
人との出会いによってここまで自分のメンタルが変わる経験をさせてもらいました。だからこそ、「好きなスポーツを好きなままいたい」「ずっと野球を好きでいたい」という気持ちからピッチャーを辞める決意をしました。その後、野手として活躍することができました。
無意識にメンタルが変わり言葉が変わった
投手というプレッシャーから解放された私は次第に言葉にも変化おきました。その一つに、前向きな言葉を発するようになりました。
気持ちがポジティブになり、メンタル面も充実していたのを今でも覚えてます。嫌いなラントレでも力を出し切るようになり、努力や頑張るという気持ちではなく楽しいからやっている感覚を最後の1年間は過ごせました。
気の充実と体の充実は繋がっていると体験した出来事でもありました。だからこそ気持ちって本当に大事だなと思うのです。そして、その気持ちを作り出すキッカケになる「言葉」こそがメンタルに大きな影響を与えるのです。
否定形の言葉は身を滅ぼす
例えば、私が現役時代に自分に言い聞かせていた言葉の一つに「諦めない」がありました。諦めない限りは夢は続くと思うし、諦めない限りは可能性は残ると思っていたからです。
この考えは多くの人が共感してくれると思います。それに今での時代でも「諦めない」という言葉は良く使われていると思います。
しかし、脳と心の仕組みを勉強する中でどうやらこういった言葉のパターンはメンタル面によくないことがわかりました。その理由の一つに「カリギュラ効果」と呼ばれるものです。人は禁止されるとその先が気になってしまい行動してしまうというものです。
例えば、「お前たちは見るな」と言われると見たくなってしまったり、テレビでピー音が流れるとその時の会話が気になったりするものです。脳は否定形を認識できないので否定形の前の言葉を瞬時に思い浮かべてしまいます。
例えば、「ミッキーマウスを想いださないでください」と呼ばれても勝手にイメージしちゃいますよね?笑 さらに私たちはイメージした通りに身体が勝手に動き出します。目の前で酸っぱそうなレモンを食べてる人を見ただけで私たちは無意識に唾液が出るようにイメージした通りに無意識に体は反応してしまうものです。
なので、「諦めない」と言ったりする人は諦めが早い選手になりやすいです。それを体現したのが私だったと想います。これはスポーツ選手にとってかなり致命的な問題でした。今となってはいい経験ですが、そんな選手を増やさないためにも言葉にもっと敏感になってほしいなと思うばかりです。その為には発信し続けることが大切だと思いTwitterで呟き続けてフォロワー数が15万人を超えました。
きっと多くのスポーツ選手が言葉とメンタルに大きな繋がりがあると無意識に気づいていると思います。けど、それがなんとなくであって、感覚的に大事だと思っている選手が多いと思うのです。
だからこそ、そういった感覚だけでなくシッカリとした理論で理解してもらえるスポーツ選手、オリンピック選手を増やしていきたいです。
そして、心からイキイキと活動できるスポーツ選手を増やしていけたらと思います。