勝ちたい気持ちが強すぎる時に考えること

プレッシャーの押し潰されそう
今自分が置かれている立場を考えたときに、
どうしても勝たなきゃいけない・・・
結果をすぐに残さなくてはいけない・・・
というかたちで、
自分が追い込まれている選手について
お伝えしたいと思います。
私が見ている選手の中で、
とくにプロアスリートが陥りがちな感情の一つです。
例えばプロ野球選手やプロサッカー選手は
活躍が収入に比例する世界です。
また活躍や将来性がなくなると、
契約が切られる厳しい世界です。
つまり、戦力外として
プロアスリートとしての道が絶たれます。
だからこそ絶対に勝たなくてはいけない・・・
この気持ちが強くなるのです。
そこで勝ちたい気持ちが強すぎる時に
スポーツメンタルコーチとしてお伝えできることは何か?
コラムにまとめてみました。
目次
1、空回りするのは当たり前。
2、勝ちたい理由を整理する
3、プレッシャーを作り出しているのは自分
4、準備を極めることが優先
5、まとめ

空回りするのは当たり前。
自分自身、今追い込まれている、勝たなきゃいけない、すぐに結果を残さなきゃいけない。なんだけれども、気持ちが強くなればなるほど、「勝ちたい、勝ちたい」という気持ちが強くなればなるほど空回りしてしまう選手は多いんじゃないかなと思います。
追い込まれたり、プレッシャーを感じるときに空回りするのは当たり前なんです。脳の仕組みでも追い込まれるということは自分の生存が脅かされている状況に似ています。生きるか死ぬか・・・そこで私たちは無意識に身体の機能を高める為に力が入るように設計されています。
勝ちたい理由を整理する
どうして勝ちたいという気持ちが強くなるのか?別の角度から考えることもできます。個人差はありますが、こんな事例があります。ある剣道の選手に聞いたところ、勝ちたい理由の一つに「指導者から褒められたい」という気持ちがあったとはなしてくれました。
そこで私はさらに質問しました。「どうして勝ちたいのか?」という話を聞いていくと、「自分自身を認めてもらうためには勝つしかない」ということを信じていたからだと気付きました。このような思い込みのフタを持っている選手はけっこう多いかと思います。
このように、すぐに結果を残さなきゃいけない!すぐに試合で活躍しなくてはいけない!そして活躍すること、結果を残すことによってまわりの評価を高め、認めてもらいたいという気持ちが強い人ほど、空回りしてしまう最大の理由になっていることがわかります。
プレッシャーは自分で作り出していることに気付くことが大切
そういう選手ほど、やはり試合に挑むときにどんな気持ちを持つかといったら、当然「勝ちたい」という気持ちなんです。「どうしたら目の前の選手に勝てるかな?」というよりも、「勝ちたい、勝ちたい」と、自分自身にプレッシャーをかけ続けてしまうような、そんな選手ほど、けっこう練習と違って結果が試合では残せないのかなと思います。
では、そうやって自分にあえてプレッシャーをかけすぎてしまって空回りする選手ほど、どんなことを意識してもらったらいいか。そこで重要になってくる考え方が、勝ちたい意欲よりも、勝つための準備を徹底するという考え方です。
準備を極めることが優先
どんな選手であっても、勝ちたいという気持ちが強くなると勝つためにやるべきことを忘れてしまいがちです。例えば、試合前の準備、アップもあるかもしれないですし、対戦相手の研究もあるかもしれません。いろんなことが考えられるんですけれども、試合に勝つために必要な準備という様々な行動を疎かにしてしまうのです。その準備の質が隙を生み出し、心の甘さや空回りを作っていくのです。
では、どうしたら気持ちに支配されないで良い準備が出来るのか?そこで私が提案したい方法があります。それは、試合前日に試合で意識すること、準備が必要なことなどを紙に書き出してほしいのです。例えば、試合の日にどんな行動をとったらいいか、試合のときにどんな気持ちを持っていったらいいか。そして、どんな準備が本当に必要なのか?そういったところを、抜け目なく考えておいてほしいわけなんです。実はそういった考えをしているか、していないかによって、試合中における気持ちの持ち方というのが大きく変わっていきます。

最後に・・・
ある意味、それはメンタル以前の問題と感じる人もいると思います。しかし、メンタルって、そういう小さな行動の積み重ねの土台の上に成り立つものなのです。そういったところが自然とできている人ほど、自然と良いメンタルを保ち大きな結果を手に入れているわけなんです。
今日みなさんにお伝えしたかったこと、勝ちたい気持ちが強すぎる方ほど空回りするというお話をさせていただきました。その時に大事なことは、勝つ意欲ではなく、勝つために必要な準備、そこを徹底していただければなと思います。