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指導者の悩み!選手のモチベーションが上がらなくて困る…

指導者として一番の悩みの1つに選手のモチベーションの低さがあると思います。チームのレベル感の違いや、指導者との関係性、さらには試合に負けてしまいやる気を失ってしまうケースまであると思います。今回はスポーツメンタルコーチとして様々な選手のモチベーションを支えてきた鈴木颯人が綴っていきたいと思います。

 

スポーツメンタルコーチ

 

目次

  • モチベーションの仕組みについて
  • モチベーションは奪われてしまう
  • モチベーションを引き出すためにどんな言葉がけが必要か?
  • モチベーションを高める仕組みを使う
  • 選手のモチベーションを上げるために絶対にやってほしいこと

モチベーションの仕組みについて

書籍「モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術」にも記載がありますがこちら改めて仕組みをご紹介したいと思います。まず心理学の世界でモチベーションは2つあります。

 

・内発的動機付け

・外発的動機付け

 

モチベーションが低いと思った時にこの2つをまずは頭に思い浮かべています。ちなみに、モチベーションの意味は「動機付け」と言われています。つまり、モチベーションが低いということは競技を続けていきたい動機に問題があると疑います。

 

熱しやすく冷めやすい人は外発的動機けを疑います。この外発的動機で自分の行動が支配されている人ほど「?しなければ」という言葉をよく使います。英語では「have to」と言われます。時間に追われている感覚があったり、常に周りの目を気にしている人は外発的動機によるものです。この外発的動機は人からの賞賛や評価などが含まれます。

一方の内発動機付の人は「?したい」と話してくれます。英語で「want to」です。小さな子供はこの内発的動機で心が満たされている典型です。何をしても「?したい」としか話さないと思いませんか?そういった子ほど、モチベーションが常に高く、飽きることなくずっと続けます。一生続くモチベーションを作りたいのであれば内発的動機を作っていくことがポイントになっていきます。

 

モチベーションは奪われてしまう

 

競技を始めた理由の多くが好きで始めた子ばかりです。中には例外もありますが、こういった子供たちの内発的動機が競技年数を続けていくと自然と外発的動機にすり替わってしまうことがあるのです。この状態を「アンダーマイニング現象」と言います。せっかく、心からやりたいと思っていたことに外発的動機(報酬、賞賛など)を結びつけると内発的動機がどんどん失われていきます。

 

例えばAさんという方がいます。趣味で始めた陶芸、作品を褒められて出品してしたらお金になってしまった。これで稼げると思って何度か作り続けていた陶芸が仕事になってしまった。しかし、仕事になってしまった陶芸を今では楽しいとは思えなくなりました。

Bさんは音楽が好きでした。音楽が好きだったので人前で歌うと好評でした。カセットを音楽会社に送ったらデビューが決まりました。しかし、人前に立って踊ったり歌うことに疲れてしまいました。

Cさんという野球選手がいました。プロ野球には興味がなかったのですが、甲子園で大活躍。ふざけた気持ちでプレイしていたら準Vを達成。ドラフト1位で入団。しかし、プロの世界では常に結果を求められるので高校時代のようにふざけてプレイすることができません。今ではとても窮屈な日々を過ごしています。

Dさんというトレーナーがいました。選手と寄り添いながら世界一の選手を育てたいと思っていました。しかし、1時間毎に選手やお客さんをサポートし続ける日々。生活とお金のためと思いながら選手にトレーニングを教えることに疲れてしまい当時の情熱を失いました。

本当は・・・〇〇したかった。これを口癖のように言い出し始めたら注意が必要です。子供たちのモチベーションが一気に奪われ始めている証拠になります。

 

こういった事例から分かるように、モチベーションを高めたいと思うのではなく、どうしたら元々あった動機を引き出してあげることができるか?こういった観点で選手たちと寄り添って頂けると、選手のモチベーションを高めていくために必要な指導者としてのマインドも整っていきます。

モチベーションを引き出すためにどんな言葉がけが必要か?

 

そこで理解したいのが目標に向かってどんな行動パターンがあるか?ということです。そのパターンには主に2つあります。それが、目的志向型と問題回避型です。

 

★目的志向型 (~へ向かって)★

 

 このタイプの人は,目的意識が明確で,ゴールを定めたら迷うことなく一直線に突っ走ります。課題を達成した時の喜びや可能性に目を向けて目標に向かうタイプです。過去を振り向かず,あまり過去の経験や失敗から学ぶということがないために,後で問題を起こすことがあります。

 

一直線に頑張りたいから、目標を常に指導者が選手に思い出してあげるように声かけをすることも効果的だと思います。さらには、1日の練習後に目標までの進捗について必ずフィードバックしてあげると目標に向かっている感覚が味わうことができ、モチベーションを高い状態維持しやすいと思います。

 

★問題回避型 (~しないように)★

 

 このタイプの人は失敗しないように,問題が起きないように慎重によく考えてから行動します。慎重なために迅速な対応が取りづらく,その間により問題を大きくしてしまうことがあります。問題を回避することに集中して目的が不明確になり,さらに深い問題にはまることもあります。問題を想定しすぎて,大きなチャンスを逃がすこともあります。

 

こういったタイプの選手には何が問題になっているのか?常にヒアリングするように努めることがポイントです。多くが、怒られたくないなど外発的動機で努力している可能性もあります。そういった選手は当然モチベーションも低いです。なので、指導者としては選手の前では怒声あげたりしないことがポイントです。余計に選手を萎縮させてしまいやる気を失ってしまいます。

 

モチベーションを高める仕組みを使う

人は達成経験や成功経験を積み重ねると脳内でドーパミンが分泌されます。このドーパミンはやる気や習慣を生み出すために非常に必要なものです。

長期の目標を設定したら、次に短期目標を立ててください。スポーツ心理学などでは、1年、1ヶ月、1週間単位で考えさせています。私は選手の状況や能力、結果を踏まえて1ヶ月おきに目標を決めておくことを推奨してます。

もちろん、人にとって細かく決めた方がやる気が上がる選手もいます。選手と相談して決めてください。ご自身のケースでも色々と試しながら自分に合っている方法を選択してください。

ただ、どんな選手にも日々の目標設定はとても効果的です。その際に、出来るか出来ないかという目標よりも、当たり前に出来ることを淡々と達成し続けることが大事です。

これをチェックリストを使って私は選手のルーティン化に結びつけるように工夫しています。最初は紙に書き出してもらうなどして、日々のルーティンの見えるかをします。出来ないことが悪いのではなく、出来ないことに対してどうやったら出来るようになるのか?難易度を下げたり、そもそもルーティンに相応しくない可能性もあります。

習慣化していきたいのであれば「1つ1つ丁寧に自分の習慣を見直す」という習慣から始めてみるのもいいかもしれません。

 

それ以外にも輪投げの実験があります。

 

めちゃくちゃ近い距離で投げるときに「自分ならできる」って思いますよね。しかし、ちょっとずつ距離を伸ばしていくと「自分なら出来る」と思える数値が下がってきます。どんどん距離を離していくと、「自分にはできない」と思うようになると思います。

 

その時に、出来るかどうかの微妙な距離にすると気持ちが燃え上がってきます。この状態をモチベーションが高まっていると言えます。日常の練習においても出来るか出来ないかのギリギリの目標に設定すると人は嫌でもモチベーションが上がってきます。逆に当たり前のように簡単にできてもダメなのです。

 

その上で、選手のモチベーションを上げたいと思ったら絶対的に観察が必要になっていきます。観察が行き届かないと選手一人一人の状態を見極めるのは大変です。しかし、チーム事情によってなかなか一人一人見れないという声もあると思います。そういった前提条件を踏まえてみても、人の気持ちを高めるのは至難であることは明白です。

 

選手のモチベーションを上げるために絶対にやってほしいこと

ここまで仕組みや事例を交えてお伝えしました。また、現実的に一人一人をしっかりと見切れない現状に困っている指導者の方も多いと思います。だからこそ、選手のモチベーションを上げるために絶対にやってほしいことを最後にお伝えして終わりたいと思います。

 

それが、選手の夢をちゃんと聞いてほしいのです。それは、選手と初めて会った時に聞きやすいと思います。そして、何かあった時に、夢を必ず聞き直して欲しいのです。夢は究極の動機です。競技を続ける理由は夢に沿っている可能性が一番だと思います。

 

そんな選手たちの夢をしっかりと聞いてあげてみてください。特にモチベーションが低い時にこそその効果を実感できると思います。私自身も選手のメンタルコーチとして活動する際に、気持ちが折れそうな時ほど選手の夢を聞くようにしてます。自分して嬉しいことを人にする。それが人のメンタルを支える基本だと思います。

 

ご参考までに。

 

合わせて読みたい記事

1、選手のモチベーションが低い時に指導者としてどうしたらいいのか?

2、選手の自信とメンタルが喪失…指導者としてどうしたらいいのか?

3、試合前、緊張している選手に対してどんな言葉がけが必要か?  

 

さらに学びを深めたい方へ

よりスポーツメンタルについて学んでみたいとお考えの方や、学んだことを実践しながら成長したいとお考えの方はこちらも併せてご覧ください。

 

 

【このコラムの著者】

プロスポーツメンタルコーチ/一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人

プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

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