悩み解決の最短ルートはどっち?「どうにかする」か「捉え方を変える」か。アスリートのためのコーピング術
目次
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コーピングとは
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問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピング
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コーピング2つの重要ポイント
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効果的に行うための3つの実践方法
コーピングとは?(心のダメージコントロール)
コーピングとは、「ストレス(ストレッサー)に対して、意図的に対処する行動」のことです。
心理学者のR・S・ラザルス氏が提唱した概念で、無意識の反応ではなく、「自分で選んで行うケア」であることが特徴です。
コーピングには大きく分けて2つの種類があります。 この2つを状況によって使い分けることが、メンタル安定の鍵です。
■武器1:問題焦点型コーピング(攻撃の剣)
これは、「ストレスの原因そのものに働きかけて、事態を解決する方法」です。
しかし、変えられない状況(怪我の治癒期間や、他人の性格など)でこれを使うと、無力感に襲われてしまいます。
■武器2:情動焦点型コーピング(守りの盾)
これは、原因には触れず、「発生したネガティブな感情(辛い、悲しい)を和らげる方法」です。
■多くの選手が陥る「選択ミス」
メンタルが不安定になる選手の多くは、この「武器の選択」を間違えています。
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間違い①:変えられないことを変えようとする 「なんであんな判定をするんだ!」と審判に怒り続ける(問題焦点型)。 → 結果は変わらず、イライラだけが募りパフォーマンスが落ちる。 → 正解: 「不運だったが、次は切り替えよう」と感情を処理する(情動焦点型)。
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間違い②:変えられることから逃げる 「フォームが悪いから打てない」のに、「とりあえずカラオケで忘れよう」とする(情動焦点型)。 → 一時的にはスッキリするが、根本原因は消えていないので、また同じ壁にぶつかる。 → 正解: 動画を分析してフォームを修正する(問題焦点型)。
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■今日からできる「コーピングリスト」
いざパニックになった時に適切な武器を選べるよう、平時のうちに「自分の取扱説明書(コーピングリスト)」を作っておきましょう。
紙を用意して、以下の質問に対する答えを書き出してみてください。
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問題を解決するための行動は? (例:コーチに相談する、本を読む、動画分析をする)
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気分を変えるための行動は? (例:深呼吸、好きなYoutuberを見る、美味しいコーヒーを飲む、サウナに行く)
「イライラしたらコレをやる」と決めておくだけで、脳は「対処法がある」と認識し、それだけでストレス値が下がることがわかっています。
武器は多い方がいい
「メンタルが強い」とは、何も感じないことではありません。 「何が起きても、対処する引き出し(コーピング)を持っていること」です。
「今回は攻める番か?守る番か?」 その見極めができるようになった時、あなたはどんな逆境でも冷静に乗り越えられるアスリートになれるはずです。