大事なのは”自分がどうなりたいか”夢を持つこと、遠藤航選手
目次
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10代から”キャプテン”の存在感
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2年連続”最多デュエル”達成
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成長の秘訣とメンタルは”客観視して考えること”
10代から”キャプテン”の存在感
神奈川県横浜市出身の遠藤航選手。3歳年下の弟、11歳年下の妹がいる3人兄弟の長男として生まれ、幼稚園の時からボールを蹴ることが大好きな少年でした。小学校1年生の時に南戸塚少年サッカークラブで正式にサッカーを始めます。
当時横浜F・マリノスのファンで、よく父と試合観戦に訪れていたそうです。遠藤航選手が入部すると監督を努めるようになった父もサッカー経験者の1人でした。Jリーグのジュニアユースでプレーする目標を持ち横浜F・マリノスのテストを受けます。のちに日本代表でチームメイトになる伊東純也選手とこのテストを受けていましたが、二人とも不合格でした。
しかし”良い指導者がいる”と聞き、練習に参加させてもらい、チームに好印象を受けたため南戸塚中学校のサッカー部に入部しました。チームとして県大会でベスト8に入り、2年生の時に湘南ベルマーレユースの練習に参加する機会を得た遠藤航選手。
そこで当時ユースで監督を務めていたチョ・グィジェ氏の目に止まり、3年生の時にスカウトされました。高校入学と同時に湘南ベルマーレU18に入団。2年生の時に国民体育大会の神奈川代表に選ばれ、キャプテンとしてチームを優勝に導きました。
湘南ベルマーレでは、2種登録選手として練習に参加しJリーグデビューを果たした遠藤航選手。「ボールを動かせるし、身長は低いのにヘディングが強い」と当時監督を務めていた反町康治氏に評価されていました。サッカー選手以外の将来のことも考えていたのか、神奈川大学人間学部に進学していましたが、湘南ベルマーレのトップチームに昇格したため、大学を中退しプロ1本でやっていくことを決意。
19歳でキャプテンに抜擢された遠藤航選手は、ディフェンダーながらPKキッカーも任されるなどシーズン7得点を記録し攻守で活躍。湘南ベルマーレのJ1昇格に大貢献したのです。
2年連続”最多デュエル”達成
湘南ベルマーレで5シーズン、浦和レッズで3シーズン守備の要としてプレーし、25歳の時にベルギーのジェピラー・プロ・リーグのシント=トロイデンVVに移籍した遠藤航選手。2節目には出場し移籍後初得点も挙げるなど、存在感をアピールしました。
翌年には、ドイツのブンデスリーガ2部VfBシュトゥットガルトへ移籍。このチームでも2シーズン目には、チームの2年ぶり1部リーグ昇格に貢献する活躍で存在感を放ちました。
ドイツのキッカー誌が選ぶ”ブンデスリーガ年間ベストイレブン”にこのチームから唯一選ばれます。同じくキッカー誌が選ぶ”MF部門”でもトップに選ばれ、デュエル(一対一勝利数)リーグ最多も記録。翌シーズンにはキャプテンに就任し2年連続でリーグ最多デュエルを記録。
ベルギーに渡り、海外挑戦から約2年半ほどで欧州トップレベルの選手として名前が挙げられるほどに成長したのです。レギュラー獲得後は、ほぼフル出場の遠藤航選手。怪我をしない強靭な体でケアやメンテナンス、そして試合に出続けるポジティブで強いメンタルを合わせ持ちます。監督やチームメイトからの信頼も得ているそうです。
自信を持ってプレーすることが”デュエル勝利数”にも現れているのでしょう。「このデータがあると知ってから、ここで一番を目指そうと思ってやっています。デュエルで勝つから全て良いというわけではないが、シュツットガルトのサッカーは攻守にアグレッシブなので一対一の回数はすごく多い。その中で勝利数を伸ばして行けるのは、個人にとってもチームにとっても良いこと」と話す遠藤航選手。
デュエルで勝つことは、チームを勢いづけたりチャンスメイクにも繋がり、もちろんピンチを防ぐことにもなります。Jリーグ時代から球際での接戦に強さも特徴であった遠藤航選手ですが、”一対一を重んじるブンデスリーガ”にてデュエルで最多勝に輝いたのは自分でも驚いているそうです。
しかし”日本人でもブンデスの相手選手に、球際やフィジカルで上回れるというのを証明したい”という強い思いを持っていました。それまでは”日本人の良さを活かす”という戦いを目指してきましたが、チームプレーであるサッカーでも一対一を避けることができません。その局面で日本人が競り勝つことができたなら、さらに日本がチームとして強くなると考える遠藤航選手は「自分をきっかけにフィジカル的なものの考え方が変わればいいな」と話します。
成長の秘訣は”客観視して考えること”
”環境が選手を成長させる”と考え、ユースからトップチームそして海外での挑戦、ベルギーからドイツで常に新しい環境に身を置いてきた遠藤航選手。レベルの高いところに身を置くのは想像以上に大変なことですが、その積み重ねでここまで成長してきたのです。
高い壁でレベルに対応し、競り勝ってきた秘訣を「まずは、自分を客観視しながら、どこに目標を置いて、そこに向かって何をしたらいいいのかを考えていくことが大事」だと話しました。
中学ではフォワード、トップ下、ボランチそしてセンターバック。ポジションが変わることに抵抗がなかったのは「サッカーが好きでやっていたので、良い意味で”プライドがない”性格だったからだ」と言います。センターバックになった時もネガティブにはならず”自分がどうやったら上手くやれるのかを考えてやっていたそうです。
「何かが変わった時の対応力やいかにポジティブに考えられるのかは、すごく大事なこと」と話す遠藤航選手。”自分がどうなりたいか”という夢を持つことが大事で、そこから逆算して自分がやるべきこと、目標を設定するのです。
しかし、なんとなくやるのではなく本当に自分が達成できるものを設定しなくてはいけません。高すぎても低すぎてもダメなので難しいです。どういうきっかけで上に行けるか誰にも分からないため、必要となるのは普段の練習から常に努力し続けることとその上で結果を出すことがプロの世界です。
チャンスがきた時に掴めるかどうかもサッカー選手として転機となるポイント。自分が努力してきた過程が全てとなって来るのです。「とにかく純粋にサッカーを楽しむこと、そして諦めないこと、その上で夢と目標に向かってひたむきに周りの雑音を気にせずやること」今まで培ってきたものの全てが活きているのでしょう。
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