笑顔でプレーするチームの精神的支柱、古賀紗理那選手
目次
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”長身”を武器に大活躍の古賀紗里奈選手
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”笑顔”がプレーに与える影響
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”チームの軸”に成長したメンタル
”長身”を武器に大活躍の古賀紗理那選手
佐賀県出身ですが、6歳の時に父の転勤で熊本県に移り住んだ古賀紗理那選手。中学時代に野球をしていた父、ママさんのバレー経験者の母とアスリートの両親のDNAを受け継ぎました。ちなみに2歳年上の姉もバレーボール選手です。母と姉に影響を受け、古賀紗理那選手がバレーボールを始めたのは小学校2年生の時。実写版”アタックNO.1”に憧れたのも始めたキッカケの一つだそうです。
元々地元のバレーボール教室でバレーをしていましたが、強豪チームの大津ジュニアとの対戦で完敗し悔しい経験をしました。これがきっかけで大津ジュニアに移籍します。週6日強豪チームの厳しい練習を耐え抜いた古賀紗理那選手は、小学校5、6年の2年連続で全国大会に出場。外見も小学校卒業時には、女子平均よりも高い166センチに成長します。
地元の大津町立大津中学に進学し、3年生の時に全国大会に出場。チームを3位入賞に導き、個人としても最優秀選手に選ばれました。この年に開催されたJOCジュニアオリンピックカップでもオリンピック有望選手に選ばれ、全国でその名を知られる選手に成長しました。身長も更に伸び中学卒業時には身長180センチ、古賀紗理那選手の日本人離れした長身も大きな武器の一つです。
全国の強豪校から推薦のオファーを受けましたが、”姉と一緒にバレーがしたい”という理由から熊本のバレー強豪校、信愛女学院高校へ入学しました。
姉が3年生、古賀紗理那選手は1年生で春高バレーに出場、姉妹の活躍でベスト4の成績を残します。その年のアジアユース選手権に出場すると最多得点を記録、ベストスコアラーとして大会MVPを獲得し日本の優勝に大きく貢献した古賀紗里奈選手。
インターハイで準優勝し優秀選手を獲得。2年生の時にはU23女子日本代表として世界選手権に出場しチームを3位に導き、3年生で東京オリンピックの強化指定選手に選ばれるなど高校時代でも大成長を遂げた古賀紗理那選手。
高校卒業後は、日本バレーボールセミプロのVリーグ8チームからオファーを受け、NECレッドロケッツに入団が決まりました。1年目から大活躍し、チーム10年ぶりのリーグ制覇に大きく貢献したのです。
”笑顔”がプレーに与える影響
2022年のシーズンを通してNECレッドロケッツをセミファイナルまで導いたエース、古賀紗理那選手。個人としても総得点ランキング3位、サーブレシーブ成功率63%で5位と安定した成績を残しました。サーブレシーブの成功率が高いということは、相手からすると崩そうとしても崩しきれないという厄介な敵であることを意味します。
周囲に「頑張った」と言われても自身は”後悔しかない”と感じると言います。自身のミスはもちろん、チームメイトのミスも”自分がこうアドバイスしていれば避けられたかもしれない。もっとこうすれば良かった”など色々考えてしまう性分の古賀紗理那選手。言葉だけ聞くとかなり神経質でネガティブに物事を考えているように感じます。
しかし後悔でさえも明るいトーンで話す彼女は、とても楽しそうに次々表情を変え、時には顔をクシャっとさせる笑顔を見せます。「バレーボールが本当に面白くていくらでも喋りたいんです」と話しました。歯の矯正をしている古賀紗理那選手。最近矯正具の種類が変わったため”喋りにくいので外してきたい”というほどバレーボールの話をしたくて仕方がないようです。
”どう足を運んで動けば良いのか”また”どんな角度でボールに当てれば良いのか”とにかく頭を使っていろんな角度から考える古賀紗里奈選手。ただ”これだけやった”と漠然に満足しないのが彼女の素晴らしいところです。考えながら繰り返し”崩れることのないポイント”を掴み、しっかりと守備を身につけることで技術はもちろん自信までつけることができました。
次に相手を”崩す”攻撃について考えました。最も重視したのはスピードを高めることです。スピードと言ってもただ闇雲に速さを求めるわけではありません。彼女の求める”スピード(速さ)”とは、”自分の決定力”だけではなく、(自分だけではなく)周りを活かすスピードなのです。個人的な技術も確かに大切ですが、組織的に攻撃して決める方が面白く感じるという古賀紗理那選手。
考えて(自分が)動く、そして(仲間を)動かすことが楽しいと感じる彼女は、リーダーとしての素質も抜群です。”人を助けているように見えて自分も助けられている”まさにチーム競技の醍醐味。
これを理解し実践できている古賀紗理那選手。その楽しさから溢れる笑顔が、良いプレーを生み出しチームにとっても素晴らしい好影響を与えているのです。
”チームの軸”に成長したメンタル
16歳で日本代表候補として選ばれ、次世代の日本代表エースと期待された古賀紗理那選手。W杯の日本代表に選ばれ、ベストスコアラー5位、ベストサーバー4位、ベストレシーバー賞(1位)と輝かしい成績を残しました。V・プレミアリーグの最優秀新人賞にも選ばれた古賀紗理那選手は、最も旬で勢いのある選手と言っても過言ではない活躍でした。
しかしリオデジャネイロオリンピックで最終まで残りながら代表落選。かなり落ち込んだという古賀紗理那選手。その翌年W杯でも控え選手として試合に出場できな日々が続きました。1本や2本のスパイクが決まらないと変えられてしまう厳しいレギュラー争い。そんな時に勇気づけられたのは、憧れの存在である木村沙織選手からの言葉でした。
「ここで埋もれる選手じゃないよ」と声をかけられ、強い気持ちを取り戻すことができたそうです。”やるべきことをやって勝ちたい”という思い、そして自分が活きるためではなく、チームが勝つために考えてプレーするようになりました。”やるだけやって外されるなら仕方ない”そう思えるまで日々の練習で多くのものを出し切り、言葉でも仲間に伝えるようになった古賀紗理那選手。
例えば、セッターに要求する時には「このテンポで私に持ってきてくれたら絶対に決めます」と言い、スパイクを決めると信頼を得ることができました。言葉にして話すようになり、だんだん自身の良さもチームの良さも出ることが増えてきました。
幼少期から華やかな道を歩いてきた彼女が、代表落選や控え選手として挫折を経験したことで”勝つために大切なこと”を考えるようになり、揺るぎない強いメンタルも手に入れたのです。
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