落ち着くための”ネガティブシンキング”、ローリー・マキロイ選手
目次
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”地元ハリウッド”がゴルフの原点
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更新される”輝かしい記録”
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”ネガティブシンキング”は悪いことではない
”地元ハリウッド”がゴルフの原点
ローリー・マキロイ選手は、北アイルランドの自然に囲まれた小さな港町ハリウッド出身です。アマチュアゴルファーが目標とするものの非常に難しいとされるスクラッチプレイヤーの腕前を持つ父のもとで、生後18ヶ月の頃からゴルフを教わりました。2歳の頃には40ヤード(約36mほど)を既に飛ばしていたという父譲りの才能を発揮。練習に対してとても熱心な性格でほぼ毎日のようにゴルフ場に行きたいと父におねだりしていたと言います。
新しいグラブをプレゼントされるとそのクラブを握ったまま眠ってしまうほどゴルフ漬けの幼少時代を過ごしていたローリー・マキロイ選手。地元ハリウッドのゴルフクラブで過去最年少の7歳でメンバー入りしました。全長6000ヤード超、バックティーからのパースコア69打のパーグランドのコースです。
年々その才能が花開く息子のため仕事を掛け持ちする父、そして地元の工場で夜勤の仕事を行う母と両親の支援でローリー・マキロイ選手は、ゴルフに打ち込むための費用の心配はいりませんでした。両親の支えもあり、同年代の大会では負けなし。そしてフロリダ州マイアミのゴルフリゾート&スパで行われた9歳から10歳グループの世界大会に出場すると初優勝を果たしました。
現在もこのコース所属の元プロゴルファーであるマイケル・バノンコーチに依頼していて彼がローリー・マキロイ選手の献身的な支えとなっています。このゴルフクラブでは「トップのゴルフプレイヤーになるための全てを地元ハリウッドのゴルフクラブで学んだ」と話しているローリーマキロイ選手。
地元ハリウッドの大自然と長年連れ添った信頼できるコーチが、今でも大切なゴルフの原点なのでしょう。ちなみにアメリカ以外で最高のコースと評価されているロイヤルカントリーダウン・ゴルフクラブなどの素晴らしいゴルフクラブがハリウッドにはいくつもあります。このハリウッドに対して地元愛を感じてやまないゴルファーは、ローリー・マキロイ選手だけではないのかもしれません。
メンタル的な話から少しずれますが、活躍する選手とそうでない選手の違いはコーチとの出会いと言っても過言ではないです。しかし、必ずしも良いコーチが自分にとって適任のコーチとも限りません。こればかりは運ですが、運を引き寄せるほどの魅力がないといけません。まさに運も実力のうちと言われる所以です。
更新される”輝かしい記録”
17歳で世界アマチュアランキング1位に輝いたローリー・マキロイ選手は、2007年18歳でプロデビューしました。初めての大会は、欧州PGAツアー『ブリティッシュ・マスターズ』でトータル290打42位の成績。翌年の2008年ゴルフランキングでは、初めてトップ200に入り欧州賞金ランクでも36位でした。さらには後に石川遼選手、マッテオ・マナセロ選手に破られるまで、19歳6ヶ月でワールドゴルフランキングのトップ50に入る39位という最年少記録を保持しました。
この成績が評価され、プロ転向後18ヶ月にしてマスターズから招待状が届きました。ゴルフに関心がない人でも、耳にする機会が多いこの『マスターズ』。世界的に最も権威があると言っても過言ではないゴルフトーナメントで、認知されブランド化されている大会です。
2009年ドバイ・デザートクラシックでプロ初優勝したローリー・マキロイ選手。そして迎えたマスターズ初出場で最終的に20位に入ったのでした。飛距離ランキングでも3位に入るほどの成績を残し、世界ランキングでも初のトップ10入りとなる9位。タイガー・ウッズ選手の記録を塗り替えることもあり何かと比べられることも出てきたローリー・マキロイ選手。
2010年5月に行われたクエイル・ホロー選手権でPGAツアー初優勝を果たしました。タイガー・ウッズ選手の21歳を抜く史上最年少のPGAツアー優勝でした。2011年「全米オープン」では16アンダー大会新記録でメジャー初優勝、2012年「全米プロ選手権」も制しメジャー2勝目。22歳10ヶ月で輝いた世界ランキング1位は、21歳5ヶ月のタイガー・ウッズ選手につぐ史上2位の年少記録です。2014年「全英オープン」を制しメジャー3勝目は、ジャック・ニクラウス選手、タイガー・ウッズ選手につぐ史上3人目の年少記録でした。
「全米プロ選手権」で2度目の優勝、メジャー4勝目。「WGCキャデラック・マッチプレー」「ザ・ツアーチャンピオンシップ」「ザ・プレーヤーズ選手権」なども制覇、年間王者にも2度輝いたローリー・マキロイ選手。112年ぶりにリオデジャネイロオリンピックからオリンピック競技としても追加されましたゴルフ競技でしたが、ジカ熱の流行により出場を見合わせることになりました。2021年東京オリンピックには出場。
新型コロナウイルスで欠場した選手も多いなか、ローリー・マキロイ選手の出場にゴルフファンは喜んだことでしょう。メダルをかけて戦うことは、世界のトップ選手たちにはとても新鮮な気持ちだったそうです。「お金のためにプレーしていない」古き良き時代に戻った気分だよ」と話しました。強いメンタルで数多くの大会を制覇してきたローリー・マキロイ選手。楽しんでプレーする気持ちは何より良い結果を導きそうです。
”ネガティブシンキング”は悪いことではない
ティーショットまでの1、2時間は緊張や不安などいろんなことが思い浮かぶというローリー・マキロイ選手。数多くの大会を制覇してきたトップ選手でも緊張するのは仕方ないことです。しかし、そんな時こそ逆に”ネガティブシンキング”が大切なのだと言います。
「正直いうと1番のティーショットで一番悪いところはどこだろうと思い描くんだ。そこから4打でいけるかもしれない。そうやって自分を落ち着かせるんだ。」と話しました。あえて最悪な状況を思い浮かべることで、そこから逆算して方法を考えるのです。こうすることで落ち着けますし、不安を消し去ることもできるのだそうです。
確かにどんなにポジティブに考えたところで解決法がないなら根本的な解決にはならないことが多いです。ただ気持ちが明るくなれますので、悪いことではありません。これに対してネガティブに考えてもローリー・マキロイ選手のように解決方法を導くためなら良いことなのかもしれません。あえてネガティブに考えるのなら結果的にポジティブに変わるのです。
ゴルフは相手を物理的に倒したり、ゴールやヒットなど得点を取る競技ではなく、相手がいながら自分自身の中の勝負となる孤独で特殊なものです。そのためよりメンタル面でタフさや精神的な落ち着きが必要となる競技なのはいうまでもありません。その上で、一般的な常識とはちょっと違った考え方を持つマキロイ選手の思考は多くのスポーツ選手の励みになると思いますし、参考になると思います。
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