堅実な戦いで掴んだ”無敗での5階級制覇”、メイウェザー選手
目次
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地獄の環境から這い上がってきたメイウェザー選手
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”無敗で5階級制覇”を成し遂げた唯一のボクサー
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”凄まじい練習量と脅威のスタミナ”が強さの秘訣
地獄の環境から這い上がってきたメイウェザー選手
アメリカのミシガン州グランドラピッズ出身のメイウェザー選手。母方のフロイド・ジョイ・シンクレアでしたが、後に父方のフロイド・メイウェザー・ジュニアに名前を改名しています。元2階級制覇王者ロジャー・メイウェザー氏とジェフ・メイウェザー氏の二人の叔父を持ち、父のメイウェザー・シニアも元プロボクサーでボクシング史で名が知られる名トレーナー。ボクシングのエリート一家で生まれたメイウェザー選手がボクシングを始めるのはごく自然な流れでした。
「父とは公園に遊びに行ったり、映画を見たり、アイスクリームを一緒に買いに行くような普通の父子のような記憶が一切無い」と話すことから、幼い頃からボクシング中心の生活だったことが分かります。父親の質の高いトレーニングを受け、巧みなディフェンス技術などボクシングのイロハを叩き込まれたことで現在のボクサーとしての基盤が出来上がったメイウェザー選手。
幼少期は、とても貧しかったそうで家族7人が川の字に並んで一つのベッドで寝ていたと言います。住んでいた場所も治安が悪かったため、自宅の庭にヘロインの使用済み注射針が転がっていることもあったそうです。プロボクサーと兼業し麻薬の売人の仕事もしていた父。神経質になっている時には、暴力を受けることもあったと言います。
そんな父はメイウェザー選手が16歳の時、コカインの密輸で逮捕され刑務所へ服役することになりました。更に母親も薬物中毒であったため、祖母の家で暮らしていたメイウェザー選手。やがて高校を中退し、ボクシングで生計を立てることを決意します。父が服役したことで叔父ロジャー・メイウェザーのトレーニングを受けることになりました。
キャリアの大半のトレーナーを叔父に務めてもらいましたが、その叔父が体調を崩したことで再び父メイウェザー・シニアがトレーナーとして復帰。麻薬がらみで苦しんだ地獄のような環境から這い上がり、強固なメンタルを身につけたのです。
”無敗で5階級制覇”を成し遂げた唯一のボクサー
アマチュア時代の戦績は84勝6敗とされていますが、実は8敗だと言われているメイウェザー選手。この2敗は本人が”負けた”とは認めていません。1993、1994、1996年とゴールデン・グローブ大会で優勝。1996年アトランタで行われたオリンピックでは、フェザー級で出場し、銅メダルを獲得しました。
この時に敗れたのが、ブルガリアのセラフィム・トドロフ選手。どう見てもメイウェザー選手の勝ちで疑惑の判定だったと言われているため、本人も負けだと認めていないのです。しかしこの最後の敗戦が彼に与えた影響は、大きな財産となりました。この年にプロデビューを果たしたメイウェザー選手は、20年以上ボクサーとしてのキャリアを重ねてきました。その戦績は、50戦のうち50勝27KO無敗。スーパーフェザー級からスーパーウェルター級までの5階級を無敗のまま制覇を成し遂げることができました。
5階級以上を制覇したボクサーは他に6人います。トマス・ハーンズ選手、シュガー・レイ・レナード選手、オスカー・デ・ラ・ホーヤ選手、マニー・パッキャオ選手、ホルヘ・アルセ選手、そして井上尚弥選手と対戦したことでも知られるノニト・ドネア選手。どの選手も伝説的な素晴らしいボクサーですが、さすがにこのキャリアを築くまでに敗北経験があります。そんななか無敗のまま5階級制覇を成し遂げたメイウェザー選手が、どれだけ難しいことを達成した貴重な選手であるのかがよく分かります。
また”金の亡者”という異名もあり、1試合で300億円以上のお金を稼いだことでも知られます。ラスベガスに建てた豪邸は、プールやトレーニング施設、映画館まで完備した広大な敷地。フェラーリやポルシェなどの25代以上の高級車、プライベートジェットも所有しています。まさに”二つの拳”で稼ぐアメリカンドリームを掴んだメイウェザー選手。ちなみに日本でも大注目された那須川天心選手との対戦で得たファイトマネーは、10億円だそうです。
この試合2分でKO勝ちしたメイウェザー選手。「2分足らずで10億円!さすが世界一稼ぐアスリートだ」と話題になりました。世界一稼ぐサッカー選手であるメッシやロナウド選手の倍の給料。日本人ファイターの最高額でも1億7,000万だと言われていますので、桁外れのお金が動くアスリートだということが分かります。
”凄まじい練習量と脅威のスタミナ”が強さの秘訣
メンタルの強さもさることながら凄まじい練習量が強さの秘訣のメイウェザー選手。「お前が休んでいる時、俺は練習している。お前が寝てる間、俺は練習している。お前が練習している時、もちろん俺も練習している」という名言を残していますが、この言葉通り自身が思い立ったら夜中の2時や3時であっても急に練習を始めて自分を追い込みます。
ロープスキッピングやパッドワークなど練習動画をYouTubeでアップしていることでも知られています。その練習量で身につけた脅威的なスタミナも彼の強さの秘訣。ボクサーは、試合を想定し通常1ラウンド3分と休憩1分で練習するのが一般的です。しかしメイウェザー選手は、25分ほど通しでミット打ちとボディ打ちを繰り返し、休む間もなくヘビーバックを打ち、ラウンドの時間に関係なく練習。スパークリングであってもラウンドの時間に関係なしに行い、毎日20キロのジョギングも欠かしません。
「熱心な猛練習」という言葉をよく口にするメイウェザー選手のチームですが、まさにメイウェザー選手にぴったりな言葉です。二つの拳で稼いだと言いましたが、もちろん日頃の努力の積み重ねも彼の強さの秘訣なのです。
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