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瞑想は怪しい!?アスリートに与える瞑想の影響とメンタルコーチングとの併用の重要性

現代のアスリートにとって、身体の鍛錬だけでなく、心の健康も極めて重要です。瞑想は、心を落ち着かせ、内面の平静を保つための古くからの実践法です。多くのトップアスリートが瞑想を取り入れ、試合前の緊張やプレッシャーを軽減し、集中力を高める効果を実感しています。瞑想は、ただ静かに座るだけではなく、心のトレーニングとして科学的にも多くの効果が証明されています。

しかし、中には瞑想に対して悪いイメージを持っている方も少なからずいます。瞑想はどうしても怪しい側面が際立ってしまいます。私も、大きな声で瞑想を取り扱っていると言えないのはそういった理由があります。そこで少しでも瞑想に対して正しい知識を養ってもらえたらと思ってこちらの記事を綴りました。

【このコラムの著者】

一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会 代表理事
慶應義塾大学健康情報コンソーシアム 幹事会員
メンタルトレーニング推進国会議員連盟 所属

鈴木颯人
プロ野球選手、オリンピック選手などのトップアスリートだけでなく、アマチュア競技のアスリートのメンタル面もサポート。全日本優勝、世界大会優勝など圧倒的な結果を生み出すメンタルコーチングを提供中。>> 今も増え続ける実績はこちら

【プロフィール】フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれました。生まれた国はイギリス。当時から国際色豊かな環境で育って来ました。1歳になる頃には、日本に移住しました・・・。>>続きはこちらから

瞑想の概要とアスリトへ

瞑想とは何か?

瞑想は、古代インドや東アジアの宗教や哲学に深く根ざしています。ヨガの一部として始まり、仏教や道教でも重要な実践となっています。現代においては、宗教的な背景を持たずに実践されることが多く、特に西洋ではストレス管理やメンタルヘルスの一環として広く受け入れられています。瞑想の基本的な目的は、心を静め、現在の瞬間に集中することです。これにより、心の中の雑念を取り除き、内面の平和を感じることができます。

アスリートが瞑想を行うメリット

瞑想がアスリートにもたらす具体的なメリットは多岐にわたります。以下に、その主要なポイントを詳述します。

 

メンタルの強化

 

瞑想を通じて自己の内面を見つめ直すことで、アスリートは自分の弱点や強みをより深く理解することができます。この内省的なプロセスは、メンタルの強化に繋がります。試合中の緊張やプレッシャーに対する耐性が向上し、逆境に立ち向かう力が強化されます。

 

集中力の向上

 

瞑想は、現在の瞬間に集中することを促します。アスリートにとって、これは非常に重要です。試合中に集中力を欠くことは致命的なミスにつながりますが、瞑想を習慣化することで、注意力散漫を防ぎ、最高のパフォーマンスを発揮するための集中力を維持できます。

 

ストレスやプレッシャーの軽減

 

競技スポーツには常にストレスとプレッシャーが伴います。そのメカニズムの背景には自律神経系が大きく左右していると言われております。この自立神経を調整をする上で効果的なのが瞑想で、ストレスやプレッシャーなどの負担を軽減する強力なツールとなります。その結果、定期的に瞑想を行うことで、心の平静を保ち、試合前の不安を和らげることができます。ストレスに対する耐性が向上し、パフォーマンスが安定します。

 

パフォーマンスの向上事例

 

瞑想を取り入れて成功を収めたアスリートの事例は数多くあります。例えば、NBAのマイケル・ジョーダンは瞑想を実践し、その結果、試合中の集中力とメンタルの強さを向上させました。また、サッカーのクリスティアーノ・ロナウドも瞑想を取り入れ、その効果を実感しています。

 

瞑想に対する誤解とその真実

 

瞑想に対する誤解や偏見は依然として存在します。多くの人が瞑想を怪しいと感じる理由と、それに対する科学的な裏付けを以下に示します。

 

瞑想が怪しいと思われる理由

 

瞑想はしばしば宗教的な儀式や神秘主義と関連付けられることがあります。このため、瞑想に対して懐疑的な見方をする人も少なくありません。また、瞑想が即効性のある解決策ではなく、継続的な実践が必要であることも、誤解を生む原因となっています。今でこそ、マインドフルネスなど名称を変えることでイメージは変わってきたと言われています。

 

科学的な裏付けや研究結果

 

多くの研究が瞑想の効果を証明しています。例えば、ハーバード大学の研究では、瞑想がストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを低下させることが確認されています。また、脳の構造に変化をもたらし、記憶や学習能力を向上させることが示されています。これらの科学的な証拠は、瞑想が単なる精神的な儀式ではなく、実際に心身の健康に有益であることを裏付けています。

 

瞑想を継続できない人が多い

 

どれだけ素晴らしいツールであっても、継続できなければ意味がありません。瞑想の効果を実感できない人ほど、瞑想を継続的に取り組むことが出来てない現状があります。その結果、効果を実感できないだけでなく、瞑想は怪しいと語られてしまう現状があると思っています。

 

メンタルコーチングとの併用

 

継続が1番の課題である瞑想にとってメンタルコーチングとの併用は効果をより実感しやすいと考えています。個人の裁量に任せるよりは、こういったメンタルコーチの存在がいることで継続し続けることができるからです。

 

コーチングとは?

 

英語で書くと『coaching』となります。日本語では馬車という意味になります。


つまり馬車が人を目的地に運ぶ事から転じて、クライントさんの目標や夢を実現するために正しい道に導くという事でコーチという言葉が使われるようになりました。元々はイギリスでの大学受験を控えた子どもの家庭教師のことをコーチと呼んだのが最初だと言われています。

 

コーチの言葉は英語のcoachという単語から来ています。この言葉の語源はハンガリー語のKocsi(馬車)ハンガリーの街Kocs(コッチ)で、15世紀後半に大型の4輪馬車が開発されて「コッチの馬車」という意味だったようです。

 

その上で我々はメンタルコーチング時に以下の3つを大切にしております。

  1. 自分(他人)の現在地を知る
  2. 目標設定
  3. 結果に相応しいメンタルに導く

教えるはティーチング

 

よくコーチの存在を「教える人」だと思う方がいますが、「教える人」は英語で「teaching」となります。教えることと、導くことではアプローチが全く異なっていきます。この点を理解されずにコーチという言葉を使われる方が多い印象があります。一般的に、コーチは「気付きを与える存在」ということで広く認知されるようになってきました。

 

スポーツメンタルコーチングの具体的な手法(概念)

スポーツメンタルコーチ

 

一般的な考え方としてコーチングとメンタルコーチングには大きな差があります。コーチングでは、その人が持っている知識や経験(リソース)を質問やワークを通じて引き出し新しいアイディアを想像するお手伝いをします。ただ、その人が持っている知識や経験に委ねられるためにコーチングとティーチングを交えた方が選手の成長が加速されると言われます。日本で初めてコーチングを広めたコーチエイ社での定義では以下のようになります。

 

 
「目標達成に必要な知識、スキル、ツールが何であるかを棚卸しし、それをテーラーメイド(個別対応)で備えさせるプロセスである」と定義しています。つまり、コーチングとは「自発的行動を促進するコミュニケーション」です。
引用・コーチエイ
 

 

瞑想とメンタルコーチングの違い

 

瞑想は内面的な平静を保つための自己主導の実践であるのに対し、メンタルコーチングでは、その人にとって心の足枷(ブレーキ)になっている思い込みのフタを取り除くことで目標に向かいやすいい自分になっていただくことを大切にしています。

 

瞑想が心の静寂と集中力を促進するのに対し、メンタルコーチングではより深いセルフイメージ、ビリーフなどの信念レベルの変容を促すことを主体しております。なので、頭でわかっていてもなかなか行動に移せないようなアスリートにとっては無意識レベルでの変容を必要とするメンタルコーチングが効果的と言われております。

 

「思い込み」によって潜在能力に制限を掛けている

 

このような思い込みをアスリートたちは無意識に持っています。自分自身が思っていなくても、周りの家族、コーチ、監督、仲間、さらには世間一般論によって私たちは無意識に自分の可能性にフタをしているのです。

 

思い込みのフタをセルフイメージと言ったり、心のサングラスと言ったりします。私たちが見ている世界は心のフィルターを通じて見ているだけなのです。この心のフィルターや心のサングラスを掛けている以上は自分の世界観で物事を判断してしまうのです。

 

心理学的に説明をすると「認知的歪み」が私たちの可能性にフタをすることになります。バイアスといったりします。その中でも特に多いバイアスが「自分には無理かもしれない」というアンコンシャス・バイアスが挙げられます。世の中の「普通だと?」「一般的に」「?すべき」や「絶対に〇〇」などの考え方によって飛び抜けた結果を生み出す上で弊害になっているのです。

 

代表例としてメジャーリーグで活躍したイチロー選手や、二刀流で活躍している大谷翔平選手。多くの人のその活躍を疑問視していましたが、先行事例が生まれたことによって今では多くの人が追従するようになりました。

 

その上で、「メンタルが弱い」と思っていることも思い込みです。さらには弱いからと言って「心を強くしよう」と思うのも思い込みです。大事なのは心のブレーキをしっかりと緩めることです。自分で自分の可能性に制限を掛けていることに気付けると、もっと楽に結果を残すことができる自分に気付けます。

 

瞑想とメンタルコーチングを併用するメリット

 

瞑想とメンタルコーチングを併用することで、アスリートは内面の平静を保ちながら、具体的なメンタルスキルを向上させることができます。この組み合わせにより、試合中のパフォーマンスが大幅に向上し、メンタルの強さと安定性が強化されます。例えば、テニスのノバク・ジョコビッチは、瞑想とメンタルコーチングを取り入れることで、世界ランキング1位に輝きました。

 

実際の成功事例

 

瞑想とメンタルコーチングを併用して成功を収めたアスリートは数多く存在します。例えば、オリンピックの金メダリストであるマイケル・フェルプスは、瞑想とメンタルコーチングを併用することで、競技中の集中力とパフォーマンスを向上させました。このような事例は、瞑想とメンタルコーチングの併用がいかに効果的であるかを示しています。

 

瞑想を始めるためのステップ

 

瞑想を始めるための具体的なステップを以下に示します。

 

初心者向けの簡単な瞑想方法

 

瞑想は初心者でも簡単に始められます。例えば、1日5分間、静かな場所で目を閉じて深呼吸をするだけでも効果があります。呼吸に集中し、心の中の雑念を取り除くことに意識を向けましょう。

 

継続するためのコツ

 

瞑想を継続することが重要です。毎日少しずつ行うことで、徐々に効果を実感できます。また、日常のルーティンに組み込むことで継続しやすくなります。例えば、朝起きたときや寝る前、運動後など、自分に合ったタイミングで行うと良いでしょう。

 

瞑想を日常生活に取り入れる方法

 

瞑想は特別な時間だけでなく、日常生活の中でも取り入れることができます。例えば、仕事の合間に数分間の瞑想を行うことで、集中力をリセットすることができます。また、ランニングやウォーキングの際に自然の中で行うことも効果的です。

 

まとめ

 

瞑想はアスリートにとって、心身の健康を維持し、パフォーマンスを向上させるための強力なツールです。メンタルコーチングと併用することで、さらに高いレベルのメンタル強化が期待できます。瞑想を日常生活に取り入れ、継続することで、その効果を最大限に引き出すことができます。アスリートの皆さんには、ぜひ瞑想を取り入れて、心の強さを育んでいただきたいと思います。

 

 

より科学的に瞑想を理解したい人は以下をご覧ください

 

1、アスリートに瞑想を長期的に行うメリットとは?スポーツパフォーマンスとの関係

2、アスリートに瞑想って脳科学的に効いているの?科学的な裏付けを解説

 

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