アスリートに瞑想を長期的に行うメリットとは?スポーツパフォーマンスとの関係
瞑想とは
瞑想とは心を休めて無心になることやリラックスすることです。マインドフルネスとも呼ばれ、2000年代からのアメリカを発端とした東洋文化思想への興味の高まりからブームとなり今では世界中で実践されています。
瞑想の種類
瞑想には多様な種類が存在します。ただ座って気持ちを落ち着けるものやヨガのような動きをつけたフィットネスに近いものまで多彩です。また、それぞれの目的もことなり、自己の思考の整理や心の淀みの解消など多岐に渡ります。
「座禅」を経験したことのある方は多いのではないでしょうか。瞑想と聞くと「なんだか難しそう」「考えの深い人でなければできないのではないか」と思われがちです。ただし、実は座禅は瞑想の一種であるとされることもあります。
瞑想に興味のある方は、まずは身近な座禅から始めてみると良いのではないでしょうか。
瞑想を実践する著名人
瞑想は多くのプロスポーツ選手、トップアスリートに実践されています。そこで、ここでは瞑想を実践する著名なスポーツ選手、アスリートを紹介します。
- イチロー(元プロ野球選手)
- タイガー・ウッズ(プロゴルファー)
- ノバク・ジョコビッチ(プロテニス選手)
- 長嶋茂雄(元プロ野球選手・プロ野球監督)
- 長谷部誠(プロサッカー選手)
- 本田圭佑(サッカー選手・指導者、実業家)
このように、瞑想はさまざまなスポーツの第一線で活躍した経験のある多くのスポーツ選手、アスリートによって実践されています。
特定のスキルの求められる競技ではなく、多岐にわたる分野の競技をされる方に実践されていることからも瞑想の本質的なスポーツパフォーマンス向上に寄与しているのかもしれませんね。
アスリートはなぜ瞑想を好むのか
瞑想は多くのアスリート・スポーツ選手に好まれていますが、背景には三位一体である「心技体」の調和を行うことができるという点と密接な結びつきがあるようです。
「心技体」とはそれぞれのバランスの整った状態を「良好な状態」と捉えることができます。
邪心が介在しない状態で技体を十分に活用して発揮することが重要であり、これを実現することのできることから瞑想は注目を浴びているのです。
瞑想を長期的に続けると安静時呼吸が安定する?
瞑想の効果を科学的に証明しようという取り組みは長年にわたって続けられてきました。
Long-term mindfulness training is associated with reliable differences in resting respiration rate(Wielgosz et al.2016)では、長期的な瞑想の経験者は安静時の呼吸に低下がみられたとしています。この論文では、瞑想の経験者と非経験者に対して安静時における呼吸数の計測を行いました。
この結果、長期的な瞑想の経験者は1分間で平均1.6呼吸分遅く、非経験者との間で呼吸数に有意な差がみられたそうです。
また、被験者ごとの「身長」「体重」「肥満度」「ウエスト・ヒップ比」は影響因子とならなかったとされています。
この実験を通して、瞑想が呼吸パターンの感知と調節を介して生理的覚醒を感知し、それに反応する能力を高めることにつながる可能性があるのではないかと指摘しました。
同グループによる研究では、瞑想が「睡眠中の神経活動」「ストレス反応性と炎症反応」「炎症関連遺伝子発現」など、さまざまな神経・生理的プロセスに変化を与えるとする証拠が発見されているとしています。
この研究は瞑想が心技体を整えることを証明する第一歩であり、今後も瞑想に関する科学的なアプローチは続くようです。
瞑想を長期的に続けることでスポーツパフォーマンスを向上させよう
瞑想は気軽に始めることができる上、長期的に続けることで呼吸の効率向上といった効果も期待できます。従来のトレーニングだけで心技体の調和を取ることが難しい、と感じている方はぜひ瞑想にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
参照論文・Long-term mindfulness training is associated with reliable differences in resting respiration rate(Wielgosz et al.2016)
さらに学びを深めたい方へ
よりスポーツメンタルについて学んでみたいとお考えの方や、学んだことを実践しながら成長したいとお考えの方はこちらも併せてご覧ください。
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【このコラムの著者】