”伸び幅”という才能と、メンタルで前進する二刀流、大谷翔平選手
目次
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”平泉から世界へ翔んだ”才能
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大谷翔平選手のマンダラチャート
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追求するのは”自分ができること”
”平泉から世界へ翔んだ”才能
岩手県出身の大谷翔平選手。社会人野球の選手だった父とバトミントン選手だったスポーツマンの両親のもとに三人兄弟の末っ子として生まれました。ちなみに兄も社会人野球でトヨタ自動車東日本公式野球部所属の選手。翔平という名前は、地元奥州平泉にゆかりのある源義経の飛んで戦うイメージにちなんで”翔”の字、そして平泉の”平”の字をとって名づけられたそうです。
その名の通り運動神経抜群に成長。そんな大谷翔平選手が野球を始めたのは小学校3年生の時、水沢リトルリーグというチームで全国大会に出場。既に当時からキャッチャーが恐怖を感じてしまうほどの球速のピッチャーだったそうです。小学校5年生の時には球速110キロ、1試合で17奪三振も記録。
一関リトルシニアに所属した中学校時代にも全国大会に出場しました。大谷翔平選手が少年時代に憧れていた選手は、打者では松井秀喜氏、投手ではダルビッシュ有投手。そして中学3年生の時に選抜大会決勝に進出した菊池雄星投手に強い憧れを持ったため、進学先に花巻東高校を選んだそうです。
花巻東高校在学中は寮生活をしていましたが、その環境が大きく成長できる良いきっかけになったと話しています。家で過ごすよりも生活や娯楽にある程度の制限がかかることで、何が正しいのかを考えて行動することの重要性を学んだ大谷翔平選手。少年時代から父に野球指導を受けてきた大谷翔平選手にとって他の指導者から野球を教わったのも良い経験となったのでしょう。
大谷翔平選手のマンダラチャート
アメリカに渡り、メジャーリーグで活躍している今も「僕にとって雄星さんは特別な存在」と話している大谷翔平選手。菊池雄星投手に憧れて花巻東高校に入学した1年生の時に”マンダラチャート(目標シート)”を作成しました。
”日本一になる、日本最速160キロを記録する、ドラフトで菊池雄星を超える8球団から1位指名を受ける選手になる”を目標に掲げ、達成するために何が必要なのか、体格の向上から人間性の磨き方まで大谷翔平選手が考え抜いた必要要素を1枚の紙にびっしりと書き込んでいるのです。”ドラフトで8球団から1位指名を受ける”という目標を真ん中に描き、この目標を達成するために必要な要素8つを周りに書き出しました。
大谷翔平選手が書いたのは、”体づくり、メンタル、人間性、運、変化球、スピード160キロ、キレ、コントロール。そして8つの言葉の周りには、さらに掘り下げて8つの要素を書き出しました。体つくりの周りに書いたのは、”体のケア、サプリメント、FSQ90キロ、RSQ130キロ、食事 夜7杯 朝3杯、可動域、スタミナ、柔軟性。メンタルの周りに書いたのは、”はっきりとした目標 目的を持つ、一喜一憂しない、頭は冷静に心は熱く、雰囲気に流されない、仲間を思いやる気持ち、勝利への執念、波を作らない、ピンチに強い''です。
人間性の周りに書いたのは、”感性、愛される人間、計画性、感謝、継続力、信頼される人間、礼儀、思いやり。運の周りに書いたのは、”あいさつ、ゴミ拾い、部屋そうじ、審判さんへの態度、本を読む、応援される人間になる、プラス思考、道具を大切に扱う''です。変化球の周りに書いたのは、”カウントボールを増やす、遅く落差のあるカーブ、ストレートと同じフォームで投げる、ストライクからボールに投げるコントロール、奥行きをイメージ、左打者への決め球、スライダーのキレ、フォークの完成”。
スピード160キロの周りに書いたのは、”軸で回る、体幹強化、可動域、ライナーキャッチボール、ピッチングを増やす、肩周りの強化、体重増加、下肢の強化”です。キレの周りに書いたのは、”角度をつける、かまない、ボールを前でリリース、回転数アップ、可動域、下半身主導、リストの強化、上からボールを叩く''。
コントロールの周りに書いたのは、”インステップ改造、リリースポイントの安定、下肢の強化、体を開かない、メンタルコントロールをする、不安をなくす、軸をぶらさない、体幹強化”です。このようにドラフトで8球団から1位指名を受ける目標を達成するために、自身が取るべき手段や行動が明確になります。
一つずつ実践、達成していくことで大きな目標に一歩ずつでも確実に近づくのです。もちろんアスリートだけでなく一般の人でも仕事や夢を達成するために使用できます。大谷翔平選手も当時この文字を毎日見ながら目標達成を目指し、現在のように一流アスリートの仲間入りを果たす夢を思い描いていたのでしょう。
追求するのは”自分ができること”
「自分はこれができる、自信があるということをチームのために必要なポジションで発揮すれば十分使ってもらえる」と話す大谷翔平選手。”成果”と”結果”似たような言葉ですが、成果とは、自分自身の行動から直接導かれるものになります。それに対し結果とは、他者からの影響も加えて最終的な状況を示すものになります。
プロの世界で生きていく以上、もちろん結果は求められますが、最終的に各選手の成果の積み重ねでチームは勝利できるものです。”自分ができること”を追求し、良い成果を上げることができればチームが勝利する結果に繋がると考えた大谷翔平選手。怪我をするたびに、多くの野球関係者が「投打のどちらかに絞るべきだ」と発言してきました。
確かに、どちらかに絞った方が身体にかかる負担は減るでしょう。しかし「もしかしたら片方をやっていた方がいいのかもしれない。でもやっぱり二つやっていた方がいいのかもしれない。そこに正解はなくて、僕としては”やったことが正解”というだけなんです」と話した大谷翔平選手。
全くブレることなく自分自身の道を突き進む信念とメンタルの強さは、高校時代に作成したマンダラシートで身についたものなのなのかもしれません。「成績を残すかどうかは”他人の関心事”であり、”自身の目標”ではない。自らで選んだ道だけが唯一の”正解”」だと話す大谷翔平選手。自らの才能を”伸び幅”だと話しています。
まだ”自分の能力は伸び続けることができる”そう信じて進化を遂げてきました。「いくつかのパターンでこれがいいのか、あれがいいのかを毎日1日に一つだけ試していく。一気に二つはやらない。これで良かった。こっちはどうだったと毎回試していく感じです」と話し、毎日一つずつ積み重ねながらも前へ進んでいます。
「去年より後退することはあり得ないし、してはいけない。まずは去年の成績より前身することが目標です」と話した大谷翔平選手、文字として書かなくても常にアップデートされた最新のマンダラチャートが頭の中にあるのでしょう。
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