アスリートが怪我をした時の過ごし方
スポーツを続けていると、
怪我をすることがあります。
人によっては、
軽度な怪我から競技人生を左右する
大きな怪我を経験する人も様々です。
スポーツメンタルコーチとして選手に携わって来て、
順風満帆で全てが進む選手はそうそういません。
むしろ、
思い通りにいかない時にこそ選手の真価が
問われる瞬間に何度も立ち会ってきました。
それだけ、
スポーツの世界とはシビアであり
諦めない人の未来は明るいと思っています。
しかし、
怪我をした直後や困難にぶち当たっている今、
なかなか前向きに思えないものだと思います。
選手な選手に向けて、
怪我をした時の過ごし方として
メンタル面の在り方をお伝えできればと思います。
目次
- 怪我した直後にして欲しいこと
- 悩みの本質は自分ではどうにもできない
- 感謝を大事にする
- 感謝ノートを作る
- 人に委ねる勇気を持つ
怪我した直後にして欲しいこと
怪我をした直後は、
不安との戦いだと思います。
怪我の程度、怪我の具体、
どんな処置が必要なのか?
安静なのか?手術なのか?
復帰までいつなのか?
すぐなのか?
1年後なのか?
誰もがお医者さんの診察をしない限り、
答えが出ない時間に悶々とすると思います。
人によっては、
狙っていた大会や記録会に出れないことも…
何よりもチームに迷惑をかけてしまった…
応援してくれた人の期待を裏切ってしまった…
そう感じてしまっても、
無理もないと思います。
そう思って、
自然だと思うのです。
怪我した直後は、
コントロールできないことだらけです。
自分の身体すら思うように動かせないのに、
思考すらコントロールするのは大変だと思います。
だからこそ、
ここでしっかりと向き合って欲しいのが
「出来ること」と「出来ないこと」の仕分け作業です。
範囲を考えると、
自分でコントロールできる事とそうでない事になります。
例えば、
怪我はコントロールできるか?と
自問自答してみてください。
きっと、
コントロールは出来ないと思います。
もしコントロールできたら
超人であり医者いらずです。
そんな人はいませんよね。
後は、
人からの評価です。
怪我したことでせっかく掴みかけたレギュラーの座や
大会への出場権など・・・
後悔という気持ちが込み上げるモノの多くは、
コントロールできるのでしょうか?
そんなふうに、
ノートに書き出してみてください。
すると、
あることに気付けると思います。
悩みの本質は自分ではどうにもできない
悩む事って、
それだけ本気の証拠だと思います。
しかし、
悩みの本質って自分ではどうにも
出来ないことばかりです。
例えば、
怪我をした直後に起きる気持ちの一つに、
「早く復帰したい!」という思いです。
しかし、
気持ちとは裏腹に怪我は
少しずつしか良くならなりません。
その時に焦ってリハビリをすると、
怪我を繰り返してしまう前兆になります。
この「早く復帰したい!」という気持ち、
もう自分ではどうにでもできません。
この感情が出てしまうのは仕方がないのです。
この感情に隠されたメッセージを受け取りたいのです。
悩みの本質を辿っていくと、
実は自分のではどうにも出来ないことばかりです。
焦りはなぜ生まれるのか?
他人との比較だったりしませんか?
不安はなぜ生まれるのか?
未来が思ったとおりになると思えないから?
そしてプレッシャーはなぜ生まれるのか?
期待を恩返しなくては思いすぎてないか?
などなど、
他人、未来、期待など・・・
実はどれも自分では
コントロール出来ない事だらけです。
コントロールできないことを悩み始めると、
私たちは自然とストレスを感じるのです。
感謝を大事にする
ストレスを感じる時ほど、
自分の気持ちは自然と内向きです。
矢印がいつも自分に向いているのです。
この状態を内向思考と言います。
この内向状態が悪いとは言いません。
しかし内向状態だけではダメなのです。
つまり、
内向き過ぎた思考の矢印を
外に向けたいのです。
そこで意識して欲しいのが、
「感謝を大事にする思考」です。
辛い時ほど、
自分の当たり前に気付けないものです。
私もそうですし、
多くの人間がそうなりがちです。
ある選手がいました。
原因不明な足のしびれに
ずっと悩まされていました。
その際に、
ずっと自分の不幸を嘆いていました。
こんなはずじゃない。
こんな人生ではなかった。
それをずっとずっと必死に伝えてました。
その言葉一つ一つに耳を傾けるのは至難でした。
しかし、
その言葉の背景に言葉にでない
本気の想いが隠れていました。
それが
「自分は変わりたい!」
という想いでした。
変われない、
このまま終わる・・・
そう言葉で言いながらも、
私はその必死な言葉の背景を大事にしました。
そして、
最後に一言だけ
「ここまで人生ってどれだけ当たり前じゃないと思いますか?」
と聞いたのです。
そこから、選手があれもこれも
当たり前ではないことを伝えくれてました。
日本で生活できていること。
病院に行けること。
支えてくれる仲間や友人、
そして家族の存在。
家があること。
食事がとれること。
当たり前だと思うことは、
世界を見渡すと当たり前ではないのです。
そんなことを気づいてくれました。
そこから選手の足の痺れの原因がわかりました。
様々な病院に通い出して、
可能性を追いかけ続けたのです。
「自分は変われる」
そう本心に気づけたと話してくれました。
「自分が思った通りに人生がある」
と心から気づけたようです。
結局、
自分次第。
怪我しても、
病気になっても、
自分次第なのです。
自分がどうしたいのか?
どうなりたいのか?
どんな人生を歩みたいのか?
その時に感謝に気づけるか?
それが怪我での過ごし方で
最も大事な視点だと思っています。
裏を返せば、
感謝に気付けないと前には進まないものです。
感謝ノートを作る
人間の脳は、特に記憶に関しては
どんどん忘れていく機能を持っています。
忘れていくということは、
いいことなんです。
なぜならば、
忘れられなければ脳がパンクしちゃうから。
あれもこれも、
ずっと頭の中を駆け巡るよりも
忘れてしまうことで脳は心地よい状態を作るのです。
しかし、
本当に大事なことをどんどん忘れてしまったら
何も残らない人生になっていきます。
だからこそ、
覚えることが大事だと言われます。
しかし、
覚えるよりも、
記録を残しておくことの方が大事だと思うのです。
そこで大切にしたいのが、
ノートになります。
スマホのメモアプリもありますが、
個人的にはやはりノートや手帳を大事にして欲しいのです。
デジタルは開かない限りは
絶対に開かないからです。
ふとしたキッカケでノートを見返るようなことを
アプリメモではあまりしないと思うのです。
そこでノートというアナログな方法が
とても効果的だと思っています。
私は起業当初、
スポーツメンタルコーチとして自信がありませんでした。
自信がないのに
スポーツメンタルコーチをする・・・笑
いや、
自信がないけど
スポーツメンタルコーチをしたかった!!
という想いがとても強かったのです。
そこで、
少しでも自分の自信になればと思って
感謝ノートを作りました。
1日1日、
小さな感謝を見つけるのです。
感謝を伝えたり、
感謝されたり。
有難いことを見つけたり、
有難いと思ってもらったり。
その連続を見つける中で、
スポーツメンタルコーチとして自信が
ちょっとずつ芽生えていきました。
そして、
いまでは有難いことに本を出版したり、
資格講座を開催し多くの人と関わるようになりました。
感謝って、
意外と忘れてしまいがちです。
だからこそ、
記録として残しておく習慣が
重要になっていくのです。
人に委ねる勇気をもつ
最後に怪我に関して、
最も大事なことをお伝えします。
それが、
人に委ねる勇気をもつ。
それにつきます。
なぜならば、
怪我の専門家ではない自分が
怪我を判断することができないからです。
なのに、
私たちは自分の感覚を信じ過ぎます。
信じることは大事ですが、
専門外のことを過信するほど
危ないものはありません。
怪我した時こそ、
勇気を持って専門家を信じる事が大事になります。
その際に、
専門家選びが大事になりますよね。
そこでも人に委ねるのです。
「誰かいい人知りませんか?」
トレーナーさんなどに聞いて欲しいのです。
自分で見つけて選んだ人ほど
当たり外れが必ずあります。
自分は怪我の専門家ではないからこそ、
人に委ねる勇気を大事にしましょうね。
すると、
たくさんの感謝にも気付けると思います。
私も怪我を何度もしましたが、
自分で判断してし過ぎた現役時代が懐かしいです。
トップアスリートになると、
チームトレーナーを信頼できないものですよね。
そういう選手は、
チーム以外に信頼できるトレーナーさんとの
関係を作っておくことをお勧めします。
最後になりますが、
怪我は本当に辛いと思います。
手術なんて怖いと思います。
けど1人じゃないからね。
支えてくれる人の存在を
大切にしましょうね。
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