怪我をした後の最初の試合でのメンタルは誰だって不安
どんなスポーツであっても、
怪我はあります。
ちょっとした怪我から、
1年を棒に振る怪我まで・・・
選手を支えてきて、
怪我の知らせはいい気持ちではありません。
しかし、
即座に切り替えて次の手を考えます。
最速での復帰。
最速での活躍。
最速での貢献。
怪我=ピンチではないのです。
かつて本田圭佑さんがこう言ってます。
「怪我はチャンス」
数々の困難を乗り越え、
活躍し続ける本田圭佑さん。
怪我によって成長してきたからこ
感じられる境地かもしれません。
しかし、
怪我からの復帰ほど怖いものはありません。
今まで通りの感覚に戻れるか。
今まで通り結果を残せるか。
そして、
今まで通りの気持ちで挑めるか。
復帰1戦目ほど緊張する試合は
ないと思います。
そういった選手の気持ちに
少しでも寄り添いたくて綴りました。
目次
1、復帰前の試合はなぜナーバスになるのか?
2、不安に思うことの8割は起きない
3、「○○」にするとパフォーマンスが3割増す
4、復帰後の試合で大切にして欲しい考え方
5、長期的な視点を持つ
復帰前の試合はなぜナーバスになるのか?
スポーツメンタルコーチとして活動していて、
怪我した選手を支えることがよくあります。
大小問わず怪我がない選手は
本当に少ないと思います。
チームに怪我を申告せずに、
プレイをしている選手もいます。
試合に出れるかどうかで未来が決まる選手にとって
怪我を理由に休みたくないのが本音です。
それでも、
休まなくてはならない怪我もあります。
前十字靭帯断裂・・・
半月板損傷・・・
TFCC(三角繊維軟骨複合体)
アキレス腱断裂・・・
骨折・・・
鎖骨、手の骨、足の骨・・・
脱臼、捻挫・・・
そして、
手術が必要な肉離れ・・・
私が見ていた選手での怪我の事例です。
どれも大きな怪我でした。
大事な試合を目の前にして、
怪我で何もできなくなりました。
それでも、
懸命なリハビリとトレーニングで
練習に復帰することができます。
「怪我前に戻りたい・・・」
そう思いながら練習に挑みながらも
「また怪我をしたら・・・」
そんな気持ちが過ぎる日々です。
その複雑な過程を乗り越えて、
やっとの思いで試合にたどり着きます。
長い選手で、
2年を要します。
ものすごい旅だと思います。
復帰できるかどうかは本人次第です。
気持ちが途切れたら終わりです。
しかし、復帰してからも戦いは続きます。
復帰しただけでなく、
結果を求められるからです。
だからこそ、
不安になるしナーバスになって当然です。
この試合の結果だけで、
選手としての価値を決められてしまう。
そんな気持ちになってしまうと思います。
不安に思うことの8割は起きない
ペンシルバニア大学の
ボルコヴェックらの研究によると、
心配事の79%は起こらないと言われます。
しかも、
残りの21%のうち16%の
出来事は準備をしていれば対処が可能なんです。
心配していたことが現実になるのは、
たった5%程度の確率にすぎません。
つまり、
僕が伝えたいことは1つだけです。
準備を徹底するしかないのです。
試合に向けて十分すぎるくらい
準備をするしかないのです。
不安に押しつぶされずに、
結果を残す人は必ず準備が得意です。
冒頭の本田圭佑選手もその1人です。
怪我はチャンスと思えるのに、
怪我からもっと成長した自分を知っているからです。
怪我前よりも成長できたのは、
徹底した準備があったからです。
準備が徹底できれば、
復帰後の試合はワクワクした気持ちに変わるでしょう。
そうでない場合は、
怪我を十分に治せずに復帰した場合だと思います。
時間があればいいのですが、
時間がない選手もいると思います。
徹底した準備ができずいたら
不安を抱えても不思議はありません。
だからこそ、
不安を抱えていたらある言葉に
変えることをおすすめしています。
「○○」にするとパフォーマンスが3割増す
脳はリラックスよりも興奮してるほうが、
ポジティブな状態だということがわかっています。
不安からリラックスした状態にするよりも、
不安な状態から興奮状態にした方がいいと言われます。
不安があるからリラックスモードではなく
興奮状態にしたほうが強い力を発揮できます。
100人以上の被験者に
対してある実験でを行いました。
見知らぬ人の前で歌わせ、
ビデオカメラの前でスピーチをさせ、
計算問題を解かせることを行いました。
その際、
3つのグループでの差を調べました。
1 「興奮している!」と声に出す
2 「不安だ!」と声に出す
3 何も言わなかった
なんど、
実験前に「興奮している!」と述べたグループは
いいパフォーマンスを出したのです。
不安に感じるけれども、
「興奮している!」と言葉を変えるだけで
不安が逆に力に変えてくれるのです。
復帰後の試合で大切にして欲しい考え方
そこで、
復帰後に行って欲しいことが1つあります。
その一つが、
結果を求めないことです。
結果が欲しいのに、
結果を求めないなんておかしな話ですよね。
しかし、
復帰後だからこそ結果以上に
大事なことを目標にしたいのです。
それが
「過程にフォーカスする」のです。
どれだけ準備しても、
どれだけ言葉を変えても、
全ては結果次第です。
しかし、
復帰後の試合ほど簡単なものはありません。
ましてや未知数のパフォーマンスだからこそ
結果すら予想がつかないと思います。
だからこそ、
結果にフォーカスするのは時期早々。
結果にフォーカスして結果がでなければ、
自分自身がショックになってしまします。
そこで、
過程に目を向けたいのです。
試合で結果を求めない代わりに、
どんな過程が出来たらOKとするか?
事前に考えておきたいのです。
私が見ている野球選手で、
鎖骨を骨折した選手がいます。
彼は過程に目を向けて、
試合では150kmでたらOKとしました。
復帰登板でなんと1回3失点。
しかし過程に目を向けると150kmオーバーが
全体の50%を超えていたのです。
結果だけみたらとても残念ですが、
過程をみたら満足いく結果でした。
長期的な視点を持つ
ここまでお読み頂きまして
ありがとうございました。
怪我明けは本当に慎重になると思います。
この記事を検索して見つけてくれた人は多いと思います。
大事なことは結果を出す以上に、
結果を出し続ける自分になることです。
怪我で数ヶ月、さらには1年以上現場から
離れていたので最初から結果は望めないものです。
しかし、
1試合目がダメでめげる必要はありません。
なによりも、
試合に復帰できた自分を
ちゃんと認めて欲しいのです。
なかには、復帰できずに
現役を終える選手もたくさんいます。
そんな厳しい現実があるなかで、
チャンスを手にしているのです。
はやる気持ちはあると思いますが、
だからこそ落ち着いて長期的な視点で
復帰1試合目を乗り越えていきましょうね。
最後までお読み頂きまして
ありがとうございます。